退職代行で起こりうるトラブルとは？事例やトラブルを回避するためのポイントを解説

退職をする決意したはいいものの、その意思を直接会社や上司に伝えることは想像以上にストレスがともなうものです。

人間関係や職場環境が退職の理由である場合は、特に難しいでしょう。

そのようなときには、退職代行サービスを活用しましょう。

退職代行サービスは、労働者の代わりに退職意思を伝えたり、退職手続きを仲介してくれたりするため、退職を希望する多くの人にとって心強い存在です。

しかし、退職代行サービスを利用する際には、想定されるトラブルについてもあらかじめ把握しておきましょう。

本記事では、退職代行サービスを利用する際に考えられるトラブルや代行業者の選び方について解説するので、ぜひ参考にしてください。

退職代行で会社と起きうるトラブル事例

退職代行によって起きうるトラブルには、大きく分けて会社とのトラブルと代行業者とのトラブルがあります。

ここではまず、退職代行で会社と起きうるトラブル事例について解説します。

会社から退職を拒否される

退職代行サービスを利用する際、会社から退職を拒否される事例があります。

退職するときは、会社が定める一定の正式な手続きに従わなければなりませんが、代行業者が必要な手続きを満たしていないケースがあります。

たとえば、就業規則に沿った退職通知を踏まえていない場合、会社は形式上の問題を理由に退職を受け入れない恐れがあるでしょう。

会社側は従業員との直接対話を通じて退職理由を探り、解決策を見出すのが一般的です。しかし、退職代行サービスが間に入ることで、対話の機会が失われます。

結果として、会社が退職に難色を示す原因となる恐れもあるでしょう。

退職代行サービスの利用を検討する際には、退職するにあたって自らの労働契約や就業規則をよく理解し、適切な手続きを取ることが大切です。

退職の意思をはっきりと伝えることと、会社との良好なコミュニケーションを維持することも、トラブルを避けるために必要です。

有給を消化させてもらえない

退職代行サービスを使って退職する際には、有給休暇の消化を巡るトラブルも起こりがちです。

代行サービスを通じて退職の意志が伝えられたとしても、有給休暇の消化に関する話し合いが十分におこなわれないケースがあります。

代行業者が交渉を担当することに対して会社が抵抗を示すこともあれば、そもそも代行業者による退職の申し出が、有給休暇の消化を含めた退職条件の交渉に至らないことも考えられます。

この結果、労働者は有給休暇を望むように消化できない状況に置かれることがあります。

会社が退職代行サービスの利用自体を快く思っていない場合、有給の消化に関しても柔軟に対応してくれない可能性があるでしょう。

このような状況を避けるためには、退職代行サービスを利用する前に、退職意志を伝えるタイミングで有給休暇の消化についても明確に話し合うことが重要です。

退職通知を出す前に、残っている有給の日数を会社と確認し、消化計画を立てておきましょう。

給与や残業代、退職金を支払ってもらえない

退職代行サービスを利用する際には、給与や残業代、さらには退職金の支払いに関してもトラブルが生じる可能性があります。

退職手続きが代行業者によっておこなわれる際にも、金銭的な清算を巡る交渉が不十分になるケースが出てきます。

残業代が未払いであったり、退職金の算定基準に誤解があったりする場合、労働者は自分の権利を適切に主張できないまま退職することになりかねません。

退職代行サービスの利用が会社に不信感を抱かせることがあり、これが不払いの原因となることも考えられます。

労働者が自分の給与や残業代、退職金を確実に受け取るためには、退職前にこれらの金額を会社と明確に確認し、必要に応じて証拠を集めておくことが大切です。

仮に退職後に給与や残業代、退職金が支払われない場合は、弁護士への相談なども検討しましょう。

退職書類を送ってもらえない

退職時には、会社が退職にあたって書類を送付してくれないという問題が発生するケースがあります。代表的な書類は、雇用保険被保険者証や年金手帳、源泉徴収票などです。

通常、退職手続きの一環として各種書類は労働者に渡されますが、会社側が書類の発送を怠る、あるいは遅延させる事態が起こり得ます。

代行業者を利用することへの反感や単純な見落としなどが原因として考えられるでしょう。

書類が送られてこない場合は、まずは退職代行サービスを提供する企業に連絡を取り、書類の発送を間接的に依頼しましょう。

もし、退職代行サービス経由で解決しない場合は、ハローワーク経由で書類を入手するのもひとつの方法です。

懲戒解雇扱いにされる

会社が退職代行サービスによる退職通知を受け取った際、直接の対話や説明がないために、従業員の退職の意向が突然であると受け取られる恐れがあります。

場合によっては業務放棄とみなされ、懲戒解雇として扱われるリスクがあります。

懲戒解雇は、社内規定の重大な違反があった場合に適用される措置です。退職希望者にとって不利益な扱いとなり、将来の就職活動に悪影響を与えるかもしれません。

退職金の支払いや失業保険の受給資格にも、影響を及ぼす恐れがあるでしょう。

もし、懲戒解雇扱いにされた場合は、専門家に相談したうえで、適切な法的措置を検討する必要があります。

損害賠償を請求される

退職代行サービスの利用にともなって、一部のケースでは損害賠償を請求されるリスクがあります。

たとえば、退職によって業務に支障をきたしたり、プロジェクトの遅延や顧客への影響が生じたりした場合に起こり得るでしょう。

損害賠償請求は、賠償金がいくらになるか予測しにくく、場合によっては退職者の経済状況に大きな打撃を与えかねません。

請求される損害の範囲や計算方法が明確でないことが多いため、法的な争いに発展するリスクもあります。

このようなリスクを回避するためには、退職代行サービスを利用する前に自身の契約内容を確認し、通知期間やそのほかの義務について理解しておきましょう。

もし、損害賠償を請求された場合は、請求の正当性や計算根拠について詳細な説明を求め、必要に応じて専門家に相談するのがおすすめです。

退職代行で代行業者と起きうるトラブル事例

続けて、退職代行で代行業者と起きうるトラブル事例について解説します。

交渉権がなく、結局退職できなかった

退職代行サービスは、退職希望者が直接会社に退職の意志を伝えることなく、代行業者がその役割を担うことで成立するサービスです。

しかし、退職代行業者のなかには、非弁行為ができない、つまり交渉権を持たない業者もあります。

会社と交渉する権利を持っているのは、法律事務所や労働組合が運営する退職代行サービスのみです。

雇用契約は労働者と使用者との間の合意に基づくものであり、退職に関する交渉も基本的には両当事者間でおこなわれます。

交渉ができない民間の退職代行業者は、単に退職の意志を伝える役割しか持たないため、交渉や対話が必要とされる状況で十分な役割を発揮できない恐れがあります。

たとえば、退職条件の詳細や退職日の調整、有給休暇の消化、退職金の交渉などが必要な場合、代行業者がこれらを効果的に処理するためには、ある程度の法的知識や交渉スキルが求められます。

交渉ができない場合には、会社側が退職代行業者を通じた通知を退職意思の明確な表明と認めない可能性もあるでしょう。

一般企業による退職代行サービスを利用した結果、退職できなかったというトラブルを避けるためには、利用する退職代行業者の選定が重要です。

交渉が必要になる場合には、法律事務所や労働組合が運営する退職代行サービスを利用し、どの程度まで対応してくれるのかを事前に確認しておきましょう。

料金を支払ったら音信不通になった

退職代行サービスは、利便性が高いサービスではありますが、信頼性の低い業者によるトラブルが発生するケースがあります。

特に深刻な問題のひとつが料金を支払ったあとに代行業者との連絡が取れなくなるケースです。

このトラブルを避けるためには、サービスを利用する前に、業者の評判や実績、口コミなどをしっかりと調査しておきましょう。

料金の支払いをする前に、退職代行業者との契約内容を詳細に確認し、具体的なサービスについて書面で記載してもらうことも大切です。

万が一、料金を支払った後に代行業者からの連絡が途絶えた場合は、消費者保護団体への相談や、法的措置を含む対応が必要となります。

このような状況を避けるためにも、契約前の慎重な業者選びが大切です。

違法行為によってトラブルに巻き込まれた

法律事務所や労働組合が運営する退職代行サービス以外の、一般企業が運営する退職代行サービスが業務の過程で「非弁行為」をおこなった場合は、違法行為とみなされます。

この場合は、利用者も知らず知らずのうちに法的なトラブルに巻き込まれる危険性があるでしょう。

非弁行為に該当するものとして代表的なのは、下記のような業務です。

もし、代行業者によって非弁行為がおこなわれ、それが会社とのトラブルに発展した際には、弁護士などの専門家に相談をしましょう。

ほかの業者と比較して料金が手ごろである、担当者がとても親身に話を聞いてくれたなど、依頼する退職代行サービスを決める際にはその業者の印象の良さが決め手になることがあります。

しかし、良い印象だけで退職代行サービスを決めるのは非常に危険です。

非弁行為をはじめ、違法行為をおこないそうな業者との契約は避け、全てのサービス内容が法律に準じている業者を選択することが大切です。

追加料金が多く、想定以上の費用がかかった

退職代行サービスを利用する際、事前に提示された料金だけでなく、予期せぬ追加料金を請求されることがあります。

最初はリーズナブルな価格に見えたサービスが、追加の費用で想定以上に高額になってしまうケースもあるのです。

その背景には、最初の契約時に全ての料金が明確に説明されていなかった、あるいは細かな文字で書かれた契約条件を見落としてしまったなどの理由があります。

たとえば、基本的な退職届の提出は安価でも、その後の有給消化交渉や退職金の交渉など、特定のサービスについては追加料金がかかる場合があります。

交渉が難航し、期間が長引いた場合には、その分の追加費用が発生する可能性もあるでしょう。

サービスを利用する前には、全ての可能性を想定し、契約書やサービス内容を細部にわたってチェックすることが大切です。

追加料金が発生する可能性のある場合やその料金の詳細については、事前に退職代行業者に確認を入れておきましょう。

もしも、追加料金を請求された場合は、契約内容と照らし合わせて請求が妥当であるかどうかの確認が重要です。

追加料金の請求が契約の範囲を超えていると感じた場合は、その旨をストレートに相手に伝えましょう。

書類のやり取りまでサポートしてくれなかった

退職代行サービスを利用する際、書類のやり取りに関してサポートが不十分だったというトラブルに直面することがあります。

退職手続きには、退職届の提出だけでなく、雇用保険の手続きや年金の手続きなどに関わる書類が必要です。

一部の退職代行業者では、基本的な退職の申し出のみをサポートし、その後の雇用保険の手続きや最終給与の確定、退職金の受け取りなどについては対応していない場合があります。

この場合は、書類関係のやり取りを自分でしなければならないため、大きな手間となるでしょう。

契約を結ぶ前には、書類のやり取りがサービスに含まれているのかを明確にする必要があります。

書類のやり取りは、退職手続きの中で特に煩雑な部分です。今後のキャリアや生活に影響を及ぼす恐れもあるため、間違いなく進められるよう気をつけましょう。

退職代行のトラブルを避けるための代行業者の選び方

ここでは、退職代行のトラブルを避けるための代行業者の選び方について解説します。

弁護士か労働組合の退職代行サービスを利用する

トラブルを避けるためには、信頼性と法的な基盤が確立されている業者を選ぶことが重要です。

そのため、弁護士または労働組合による退職代行サービスの利用が推奨されます。

弁護士は法律に精通しており、退職に関連する法的手続きを適切に扱う能力を有しています。

弁護士を通じて退職を進めれば、トラブルが発生したときにも法的なアドバイスやサポートを直接受けられます。

また、労働組合が運営している、または労働組合と提携している退職代行サービスもおすすめです。

労働組合は自社の内情についても十分に把握しているため、退職に際して適切な手続きと交渉をおこなってくれます。

退職代行業者を選ぶ際には、その業者が提供するサービス内容を精査し、費用やサポート範囲、過去の実績について十分に調査することが必要です。

信頼できる弁護士や労働組合による退職代行サービスを選べば、退職をスムーズに進められるでしょう。

料金が安すぎる退職代行サービスは避ける

退職代行サービスを選ぶ際には、料金が安すぎるサービスには注意が必要です。

料金が安すぎる場合、サービスの質に問題があったり、想定外のトラブルや追加費用につながったりするリスクが高まります。

安すぎるサービスを提供する業者は、経験や知識が不足している場合があり、退職手続きの誤りや遅延につながる恐れがあるでしょう。

退職代行サービスの料金を評価する際には、提供されるサービスの範囲と質を考慮することが重要です。

透明性があり、料金体系が明確な業者を選ぶことが望ましいでしょう。

料金の詳細を明確にし、あとから追加費用が発生しないように、契約前に全ての費用を含む見積もりをもらうことも重要です。

これにより、経済的な負担を最小限に抑えつつ、必要なサービスを受けられます。

返金保証がついているサービスを選ぶ

退職代行サービスを選ぶ際、返金保証の有無は重要な要素です。

返金保証がついているサービスは、万が一のときでも返金を受けられる点が魅力です。返金保証がついているということは、代行業者が自身のサービスに自信を持っており、顧客満足を最優先に考えていることの証ともいえるでしょう。

返金保証がある場合、退職の代行が成功しなかったり、サービスに不満があったりした際に、支払った料金を一部または全部戻してもらえます。

ただし、返金保証には条件が設けられているため、契約を結ぶ前に詳細をよく理解することが重要です。

退職が完了するまでの期間や対象となるサービスの範囲、返金を受けるための手続きや必要な条件などを確認しましょう。

返金保証をうたう退職代行サービスを選ぶ場合でも、その業者の評判をチェックし、信頼できる業者であるかどうかを慎重に選ぶことが重要です。

退職代行サービスを利用する際は、返金保証の有無だけでなく、サービスの質や信頼性、料金など、総合的な観点から選びましょう。

後払いが利用できるか確認する

退職代行サービスを選ぶ際には、後払いが利用できるかどうかを確認しましょう。

後払い制度のある退職代行サービスなら、退職が確実に成立してから料金を支払えます。そのため、より安心してサービスを利用できるでしょう。

後払いサービスを選ぶ際には、あらかじめ条件を確認しておきましょう。どのようにすれば、後払いが認められるのかや、支払い方法について、事前に詳細を確認しておくことでトラブルを避けられます。

透明性をもって後払いの条件を説明し、利用者が理解しやすいよう配慮を行き届かせている業者を選ぶのが安心です。

即日退職が可能か確認する

退職代行サービスを選ぶ際には、即日退職に対応しているかどうかを確認することが重要です。

特に、労働環境が精神的または身体的健康を害している場合や、ほかに緊急の理由がある場合に必要な選択肢となり得ます。

即日退職を望む場合、サービスの迅速さと対応力が何よりも重要となるでしょう。

即日退職の可否については、退職代行業者に明確に尋ねる必要があります。全ての退職代行サービスが即日対応を保証しているわけではない点には注意しましょう。

サービスを利用する際には、即日退職の流れや必要な手続き、費用について事前に理解しておくことが大切です。

さらに、即日退職をおこなうには、退職の意向を会社に速やかに伝え、社内の退職手続きを迅速におこなう必要があります。

必要な情報や社内規定に関する情報を迅速に提供し、スムーズに手続きが進められるようにしましょう。

トラブルなしで辞めたい方におすすめの退職代行サービス

ここでは、トラブルなしで辞めたい方におすすめの退職代行サービスを紹介します。

退職代行Jobs

料金	25,800円～
決済方法	・クレジットカード ・コンビニ決済 ・現金翌月払い（Paidy） ・銀行振込
運営	株式会社アレス
返金保証	あり
後払い	可
対応時間	24時間
公式サイト	https://jobs1.jp/

退職代行Jobsは、弁護士監修のもとで、労働組合が運営している退職代行サービスです。

弁護士監修にもかかわらず、わずか25,800円から利用できる点が大きな強みです。現金による後払いにも対応しているため、確実に辞められることがわかってから料金を支払いたい人にもおすすめできます。

労働組合と連携しているため、交渉が可能であることもポイントです。会社側への要望も踏まえ、自らの意志をはっきりと伝えましょう。

ただし、労働組合による会社との交渉を依頼する場合は、労働組合費とし追加で2,000円が発生することを覚えておきましょう。

退職代行辞めるんです

料金	27,000円
決済方法	・クレジットカード ・銀行振込
運営	LENIS Entertainment株式会社
返金保証	あり
後払い	可
対応時間	24時間
公式サイト	https://yamerundesu.com/

退職代行辞めるんですは、労働組合と提携した代行業者です。交渉権を持っているため、会社との話し合いも安心して任せられるでしょう。

過去実績は10,000件を超えているため、信頼性も十分です。

また、料金の後払いが可能なため、お金に余裕がない方や退職が決まってから費用を支払いたいという方にもおすすめできるでしょう。

全国対応かつ即日退職にも対応しているため、どのような職場であったとしてもスムーズに退職手続きを進められます。

退職代行ガーディアン

料金	24,800円
決済方法	・クレジットカード ・銀行振込
運営	東京労働経済組合
返金保証	なし
後払い	可
対応時間	24時間
公式サイト	https://taisyokudaiko.jp/

退職代行ガーディアンは、確実・即日・365日対応を掲げている退職代行サービスです。

東京都労働委員会に認証されている合同労働組合が運営しているため、交渉にも問題なく対応可能です。

料金は一律で24,800円で、追加料金は一切かかりません。費用面の不安がない点も大きな特徴といえるでしょう。

弁護士の退職代行サービス

トラブルなしで退職したい人には、弁護士が提供する退職代行サービスをおすすめします。

法的な知識を持つ弁護士に依頼することで、退職に関する一連の手続きを法律の範囲内でスムーズに進められるでしょう。

弁護士は労働法に精通しているため、退職を巡る交渉で起こり得るあらゆる問題を適切に処理できます。

具体的には、退職時に生じがちな給与や退職金、有給休暇の消化などの問題に対して、法律的根拠をもって交渉をおこなってくれるでしょう。

会社側からの不当な要求やトラブルにも、法的手段を用いて対応可能です。

弁護士による退職代行サービスを選択する際には、以下の点を考慮するとよいでしょう。

退職に際してはさまざまな不安がともなうものですが、弁護士による退職代行サービスを利用すれば、不安を最小限に抑えつつ退職を実現できるでしょう。

トラブルを避けるために準備しておくとよいこと

ここでは、退職時のトラブルを避けるために準備すべき事柄について解説します。

有給の残り日数を確認しておく

退職をスムーズに進め、トラブルを避けるためには、事前に有給休暇の残り日数を正確に確認しておくことが重要です。

有給休暇は労働者の権利の一部であり、退職の際には消化または有給休暇に相当する日数分の給与を請求可能です。

有給休暇の日数が退職日に影響を与えることもあります。

たとえば、有給休暇を消化しながら退職日までの期間を設定することで、スムーズな退職が可能になる場合があります。

残日数は、社内の人事・労務管理システムなどのチェックや人事担当者への問い合わせで確認可能です。

ただし、退職の意向を伝える前にこの確認をおこなう際は、意向に気づかれることなく慎重に情報を得る必要があります。

有給休暇の残り日数を退職代行業者に提供すれば、代行業者が退職に関する交渉をおこなう際に具体的なデータとして活用できます。

最低限の引継ぎ資料を作成しておく

退職をスムーズかつトラブルなく進めるためには、引き継ぎ資料の準備が重要です。

特に、退職代行サービスを利用する場合、自身が直接後任者や上司に引き継ぎをおこなう機会がないため、事前に最低限の引継ぎ資料を作成しておくのが望ましいでしょう。

具体的には、現在進行中のプロジェクトや日々の業務フロー、重要な連絡先、緊急時の対応方法など、後任者が業務をスムーズに継続するために必要な情報を網羅的にまとめます。

業務上で使用している各種ログイン情報やパスワードに関しても、セキュリティを保ちつつ引継ぎができるよう配慮する必要があるでしょう。

準備を整えておけば、退職後に業務に関する問い合わせがくる可能性が減り、円満な退職が実現しやすくなるでしょう。

引継ぎ資料は、業務に必要な情報を整理し、理解しやすい形でまとめられていることが重要です。

退職代行サービスを利用する場合でも、自分の責任を全うした形で会社を辞められるでしょう。

私物は早めに回収しておく

退職代行サービスを通じて退職する際には、自らの私物を職場から早めに回収しておきましょう。

退職の意向を会社に直接伝えずに手続きを進めるため、あとで職場に戻って私物を取りに行くことが難しくなる可能性があるためです。

退職を考えるようになった段階で、自分の机やロッカーにある私物の整理を始め、目立たないように少しずつ自宅に持ち帰るとよいでしょう。

個人の携帯電話やノートパソコンに業務に関わる情報が残っている場合には、退職前に削除しておくことが望ましいでしょう。メールやログイン情報の消去も忘れずにおこないましょう。

私物の回収は、自分でおこなうのが最も安全です。ほかの人に回収を依頼すると、退職の意向を周囲に悟られる可能性があります。

会社の備品は自分のデスクに置いておく

退職代行サービスを利用する際には、会社から提供された備品はそのまま自分のデスクに置いておきましょう。

退職代行サービスは非対面で退職手続きが進められることが多いため、会社の備品を誤って自宅に持ち帰ると、あとから返却しなければなりません。

結果的に、不必要なトラブルを引き起こす可能性も出てくるでしょう。

会社から支給された物品や書類、端末などは、退職前に清算する必要があるため、自分の管理下にあることを確認し、きちんと整理しておくことが大切です。

自らが定めた最終出社日に、会社の物を自宅に持ち帰らないようにするためにも整理は重要です。

自分の持ち物と会社の備品をはっきりと分けておくと、あとで「これは誰のものだったか」という混乱を避けられ、会社に対しても責任を持った行動を示せます。

まとめ

退職代行サービスは、直接退職の意思表示をおこないたくないという人にとって、非常に便利な手段です。

しかし、使用する際には、会社側あるいは代行業者とのトラブルが発生する可能性もあります。

想定されるトラブルを避けるためには、信頼できる退職代行サービスを慎重に選定しましょう。

具体的には、サービスの内容や料金体系、返金保証の有無などの確認が推奨されます。

退職は、今後の人生を左右する可能性がある重要な事柄です。後腐れなく次のステージに移れるよう、退職代行サービスを利用する際も慎重に対応を進めましょう。