「今の仕事をすぐに退職したい!」
「20代で退職しても問題ないのかが気になる!」
近年、就職後のミスマッチなどで、退職を考えている20代が目立つようになりました。しかし、20代という若さで退職してもよいのかと、不安になる方は多いでしょう。
本記事では、20代の退職事情について詳しく解説します。現時点で退職を検討している20代の方は、ぜひ内容を参考にしてください。
目 次
そもそも20代で退職しても問題ない?
20代で退職したからといって、転職が劇的に難しくなるわけではありません。実際に、就職して数年以内で退職する社会人も多く見受けられます。
本項では、場合によっては20代でも退職すべきことと、20代で退職する人の割合について解説します。
理由によっては退職するべき
「20代での退職は早すぎるのでは?」と考える方もいるかもしれませんが、理由によっては20代でもすぐに退職すべきです。
退職理由は人によってさまざまですが、なかには深刻な理由で退職を考えている人もいます。
本記事に目を通している方にも、つらい理由で退職を考えている方がいるでしょう。
退職理由には、平成中期に入ってようやく問題視されはじめた「ハラスメント問題」が関与するケースが多くなっています。ハラスメントには、とくに問題とされるパワハラやセクハラ、また介護や育児などに対するハラスメントが存在します。
以上のような、ハラスメントに苦しめられている場合、すぐに退職をすることがおすすめです。
厚生労働省の調査によると、職場内でパワハラの相談があったと回答した割合は、48.2%にのぼります。
パワハラに関しては、依然増加している企業は9.2%にのぼりました。ほかのハラスメントは割合が少ない傾向ですが、少ないからといって見逃してよい問題ではありません。
精神的な負担が重くなればなるほど、社会復帰も危うくなります。ハラスメント以外にもいえますが、深刻な理由がある方は、20代でも退職したほうがよいのです。
20代で退職する人は多くいる
20代で退職するのは早すぎると不安に思う方は多いでしょう。しかし、実際には20代離職者はたくさんいます。
厚生労働省が発表した「令和4年雇用動向調査結果の概況」によると、転職した20代の割合は以下のとおりです。
年齢(性別) | 割合 |
---|---|
20~24歳(男性) | 14.7% |
25~29歳(男性) | 15.3% |
20~24歳(女性) | 14.7% |
25~29歳(女性) | 14.1% |
誠意をもって行動すれば、20代で退職しても問題はありません。ただ、20代の場合は転職活動において気をつけるべき項目が存在します。
詳しくは、後述の「20代が退職するときの注意点」の内容を十分に把握しておきましょう。
20代の転職事情に関しては、以下の記事にも詳しく解説しています。とくに、転職先を決めずに退職する20代についてを知りたい方は、ぜひ目を通してみてください。
次を決めずに退職、20代なら大丈夫? 注意すべきデメリットや手続きを解説
20代が無難に退職する方法
以下の方法を実行すれば、できるだけ円満に退職できます。
- 納得してもらえる退職理由を考える
- 退職届を準備する
- 退職ができそうにない場合は退職代行サービスを利用する
退職は、なかなか相談しづらい部分もあるでしょう。気になる方は、ぜひ上記の項目を参考にしてください。
納得してもらえる退職理由を考える
20代ができるだけ無難に退職する方法として、事前に納得してもらえる理由を考えておくことが挙げられます。
適当な理由を考えても、職場から納得されず、退職を承諾してもらえないおそれがあるため危険です。
悪い退職理由としては、以下のような例が挙げられます。
- 自分が役に立てる自信がないから
- 現職の仕事が自分のやりたいことではないから
上記の理由は、抽象的な表現であり、場合によっては身勝手だと思われかねません。たとえ退職が可能であっても、円満退社は望めないでしょう。
退職したい場合は、家庭の事情や本当に自分がやりたいこと、体の不調などやむを得ない理由を話すのが大切です。
退職届を準備する
無難に退職する方法として、あらかじめ退職届を準備するのも大切です。
職場によっては、退職の意向を伝える際、退職届が必要なケースがあります。また、文面での退職届は「退職したい意思がある」という物的証拠にもなるため有効です。
口頭だけで伝えると、「聞いていない」などといわれ、トラブルになるおそれもあります。
退職を考える際は、職務規定に沿って退職届を記載し、申告するまえに必ず用意しておきましょう。
退職ができそうにない場合は退職代行サービスを利用する
退職をしたいと考えていても、なかなか実行に移せない、または認められないケースもあるでしょう。
自力での退職が難しい場合は、「20代におすすめの退職代行サービス3選」で紹介する、退職代行サービスの活用も効果的です。
上司からの理不尽な扱いによって退職が認められない場合や、ハラスメントを受けて嫌な思いをした場合などにおすすめです。
退職の自由は「民法第627条第1項」で定められており、労働者には退職の自由があります。職場関係者が退職を阻止する権限はありません。
退職代行は、自分の代わりに退職手続きをおこなってくれるサービスです。即日退職したい場合でも、相談すれば対処してもらえます。
しかし、退職代行サービスを利用する際は、退職届を自分で用意する必要があります。退職届は、職場まで郵送すればよいので、それほど手間はかかりません。
また、返却物がある場合も自身で郵送してください。退職届の準備や、必要品の返却などは、退職代行サービスでは対応していないので注意が必要です。
20代におすすめの退職代行サービス3選
自分で退職できるかが不安な20代の方、また退職を認めてもらえなかった方に向けて、おすすめの退職代行サービスを紹介します。気になる方は、ぜひ目を通してみてください。
退職代行Jobs
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退職代行Jobsは、今すぐ退職したい人たちに寄り添い、安心できるサポートを提供する退職代行サービスです。
弁護士監修のもと活動しているので、法に触れる退職支援は一切おこないません。また、弁護士監修にも関わらず、費用は2万7,000円と低価格でサポートします。
24時間対応しているので、仕事や個人の都合で忙しい方にも負担なく利用可能です。
追加料金は発生しますが、一度利用した人には無期限でサポートをおこないます。可能な限り、早めに退職したい20代の方は、気軽に相談してみてください。
公式サイト:https://jobs1.jp/
退職代行ガーディアン
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退職代行ガーディアンは、利用したその日から、すぐに仕事を辞められる退職代行サービスです。早く退職したい、すぐに退職したいと考えている20代に向いています。
就業規則により、退職2週間前に申告が必要となっていても問題ありません。
労働組合法人によりサポートがおこなわれるため、退職代行に違法性はなく、安心して職場を辞められます。
また、利用者が希望すれば、できるだけ円満に退職できるよう尽力します。2万4,800円という低価格で利用可能なので、退職で悩んでいる方は、ぜひ相談してみましょう。
公式サイト:https://taisyokudaiko.jp/
退職代行辞めるんです
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退職代行辞めるんですは、信頼できる安心サポートを念頭に、今まで1万件以上の退職支援をおこなった退職代行サービスです。即日退職も可能で、全国に対応しています。
無事に退職できるかが不安な方のために、料金の支払いに「後払い制」を導入しています。後払い制により、退職できたあとの支払いもできるので、費用が無駄になりません。
本サービスは、顧問弁護士により適性指導を受けています。違法性のあるサポートは一切おこないませんので、退職で悩んでいる方は、安心してご相談ください。
公式サイト:https://yamerundesu.com/
20代が退職する流れ
20代が退職する際の流れを、順番どおりに説明します。すぐに退職の準備に取りかかりたい方は、以下の内容を参考にしてください。
転職先を決める
20代で退職するまえに、可能であれば転職先を決めておきましょう。
退職後にブランクがあると、経済面でも余裕がなくなるおそれがあります。
また退職後のブランクは、長くなればなるほど転職に影響が出るので注意が必要です。
無理に決める必要はありませんが、転職先が決まっていれば、退職後スムーズに入社できるため不安要素が減ります。
転職先を決めるまではいかなくとも、応募する企業に目星をつけておくべきです。
上司に退職の意向を伝える
気が重くなる方もいるかもしれませんが、円満に退職したいと考えている方は、上司に退職の意向を伝えるようにしましょう。
少なくとも、退職する1ヵ月半前には伝えたほうが無難です。
上司に退職の意思を告げるときは、できるだけ感謝の気持ちを伝えるよう意識しつつ、丁寧な言葉を選ぶよう心がけてください。
退職届を提出する
「20代が無難に退職する方法」でもお話ししたとおり、退職の意思が決まった際は、必ず退職届を準備ましょう。
退職届を準備したあとは、直接提出するか、職場へ郵送してください。
ただ、提出方法や書き方は企業に準じます。事前に、退職届について確認しておいたほうが無難です。
退職届を用意した際は、「退職したい意思」がある証拠として、コピーなどをとっておくとよいでしょう。
引き継ぎ作業を済ませる
義務ではありませんが、できるだけ円満に退職したいと考えている方、職場から頼まれた方は引き継ぎ作業を行いましょう。
退職する段階で、自身の業務が中途半端に終わっているケースがあるかもしれません。
可能な限り、雇用契約が切れるまでは、自身の職務をまっとうするのがよいといえます。
注意点として、きちんと完了できるよう、引き継ぎ作業は最終出社日から逆算してスケジューリングしてください。おもな目安としては、1ヵ月前から最終出社日までの間です。
引き継ぎ作業をおこなう際は、上司と密に連携し、最後までやり遂げられるよう計画しましょう。
職場の上司や同僚に挨拶をする
退職日が近づいた際は、上司や同僚に挨拶をしておきましょう。円満に退職したいのであれば、お世話になった人たちへの挨拶は大切です。
また、必要に応じて取引先や得意先に挨拶する場合もあります。
社外への挨拶は、職場に準じて退職する旨を伝えてもよいタイミングでおこなってください。
返却物や必要書類を確認する
退職が決まったあとは、最終出社日までには返却物や必要書類は全て確認しておきましょう。
返却物や、職場から受け取る書類などは少なくないので、最終日にまとめて確認するのはおすすめしません。
退職が決まった日から、少しずつ確認していくのが得策です。返却物と必要書類は、以下の例が挙げられます。
返却物 |
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必要書類 |
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20代が退職するメリット
早いうちに退職するのは、転職において不利になると思う方もいるでしょう。しかし、20代で退職すると、以下のようなメリットが得られます。
- 未経験の業種に挑戦しやすくなる
- 第二新卒を求める企業を狙える
- 少ないストレスで次に進める
20代で退職する方は、若い年齢を存分に活用しましょう。
未経験の業種に挑戦しやすくなる
20代で退職するメリットとして、未経験の業種に挑戦しやすいことが挙げられます。求人のなかには、未経験者可能な所や、積極的に募集している所が多々あります。
未経験者を積極的に採用している求人は、ほとんどが20代などの若い世代を求めている傾向です。
未経験の仕事に挑戦する際、別の環境に慣れるだけでなく、新たな仕事を覚え直す必要も出てきます。
ある程度年齢を重ねていると、新たな仕事を覚える余裕はなくなるものです。
20代には、退職後にも挑戦できる選択肢が多く揃っているといえます。
第二新卒を求める企業を狙える
20代で退職するメリットには、第二新卒を求める企業を狙えることも挙げられます。
第二新卒に定義はありませんが、新卒で入社した企業を、3年以内に退職した社会人を指す表現です。
未経験者だけでなく、第二新卒などの若い人材を積極的に募集している求人もたくさんあります。
ある程度年齢が高くなると、第二新卒枠は狙えません。年齢が高くなるほど、転職できる幅が狭まるでしょう。
第二新卒枠を積極的に狙えるところも、20代で退職した人の特権です。
少ないストレスで次に進める
20代のうちに退職すると、少ないストレスで次のステップに進めます。
退職を躊躇し、我慢して長く働くと、我慢した分だけストレスが溜まってしまい危険です。精神的ストレスも深刻化します。
ストレスを溜めつづけると、職場で働くこと自体がトラウマになりかねません。職場に対し、ストレスに感じた場合は、20代のうちに退職するのがおすすめです。
20代半ばなどの少ない年数で退職すれば、自身にかかるストレスも少なくて済むうえ、新たな挑戦もはじめやすくなります。
また、20代は若さがあるため、脳のキャパシティにも余裕が生まれます。余裕があるぶん、新しい仕事への挑戦にも抵抗がなくなるでしょう。
20代が退職するデメリット
前項では、20代で退職すると得られるメリットについて解説しました。多くのメリットも見受けられますが、以下のようなデメリットもあります。
- 早期退職に悪いイメージがもたれる
- 退職回数が多くなるほど転職が不利になる
- 経済的な問題が生じるおそれがある
退職を考えている20代は、あらかじめデメリットについても把握しておきましょう。
早期退職に悪いイメージがもたれる
20代が退職するデメリットとして、早期退職に悪いイメージがもたれるケースが挙げられます。
とくに20代半ばあたりの退職は、早期離職だと認識されやすい傾向です。
早期退職を検討している方は、本格的な転職活動に入る際、納得される退職理由を考えておく必要があります。
退職理由が曖昧になると、企業によっては「自社に転職しても早く辞めてしまうのでは?」と思われかねません。
退職する際は、今後のキャリアプランについての理由や転職先でやりたいことなど、企業が納得できる理由を考えておきましょう。
退職回数が多くなるほど転職が不利になる
20代全員に対するものではありませんが、20代のうちに複数回の退職経験がある方は注意が必要です。
前項では、早期退職についてのリスクを解説しました。しかし、20代で退職するときのリスクは、退職回数も関係します。
20代のうちで何度も退職していると、ほかの企業からもマイナスな印象をもたれるのです。
「自社に転職してもまたすぐに辞めるのでは?」「辞め癖がついているのでは?」など、疑いの目を向けられやすくなります。
退職する回数を少なく済ませられるように、転職活動は入念におこないましょう。
経済的な問題が生じるおそれがある
経済的な問題が生じるケースも、20代が退職をするデメリットです。
転職先が決まっていない場合、収入が途絶えることで経済的に余裕がなくなったり、生活できる貯金がなくなったりするリスクがあります。
とくに、20代は社会人経験が浅く、まともな収入を得ている方も少ないでしょう。
20代は、社会人になって数年あまりの世代です。貯金もままならず、まとまった資金繰りができるとはいえません。
転職先が決まっていれば問題ないですが、退職したい方は経済的な問題について考慮しておきましょう。
20代が退職するときの注意点
20代で退職する際は、以下の点には注意しておきましょう。
- 事前にスケジュールを確認する
- 理由を話すときは言葉を選ぶ
- 無断で辞めないよう心がける
退職は、確実な計画性と周囲への礼儀が大切です。
事前にスケジュールは立てておく
退職を決めた方は、退職してから次の仕事に就くまでのスケジュールを事前に立てておきましょう。
具体的には、退職するタイミングや、退職後にどれくらいの期間で転職先を見つけるかなどのスケジュールです。
退職を実行する際は、できるだけ職場が繁忙期に入ったタイミング以外にするのがよいといえます。
人手が減るのは、企業側としてはダメージになります。また、事前に転職活動の期間を決めておくのも大切です。
長引いてしまわないように、あらかじめタイムリミットを設けておくとよいでしょう。
理由を話すときは言葉を選ぶ
当然のことですが、職場の上司などに退職理由を話すときは、必ず言葉を選ぶよう気をつけてください。
なかには、嫌な目にあって退職したいと考える方もいるでしょう。しかし、あまり正直に退職理由をいってしまうのはよくありません。
「パワハラがひどいから」「仕事がつまらないから」などのように、相手を逆撫でするような理由をいうのは角が立ちます。
どんな理由であっても、円満に退職したいのであれば、きちんと言葉を選ぶべきです。
無断で辞めないよう心がける
退職する際は、無断で辞めないよう心がけましょう。無断退職は、いわゆる「バックレ」や「職場を飛ぶ」などの行為を意味します。
無断での退職や職務放棄は、法的に触れるかどうか以前に、人間としてよいおこないではありません。
「理由を話すときは言葉を選ぶ」でもお話ししましたが、退職希望者のなかにはひどい扱いを受けた方もいるでしょう。
しかし、無断で辞めてしまうと、逆に自分自身が不利な立場になる可能性もあります。
退職する際は、必ず退職届を準備し、上司などに退職の意向を伝えるようにしてください。
20代で退職を決めた際は事前に今後について考えよう
20代での退職は、多少のリスクが生じるでしょう。しかし、無理に仕事を続けるほうが、ストレス的な問題からあまりよくありません。
20代のうちに退職したほうが、転職において選択の幅が広がるうえ、少ないストレスで次に挑戦できます。
しかし、20代で仕事を辞めるのであれば、少ないリスクで済むように今後についての計画を立てておいた方が無難です。
年齢問わず、退職には少なからずリスクがつきまといます。経済面や、転職活動で慌てないためにも、退職後については事前にきちんと考えておきましょう。