仕事を辞めたい40代の方へ。転職前にチェックすべきポイントを解説

国内では、キャリアチェンジのために転職することが昔に比べて一般的になっています。

40代で長年勤めた会社を辞め転職する方も珍しくありません。

しかし、長年勤めた会社を辞めるという大きな決断は、不安や迷いをともなうものです。

本記事では、40代で仕事を辞めたいと感じる理由や仕事を辞めたいと思っても辞められない理由、仕事を辞めたいと思ったときに考えておくべきことなどを解説します。

40代で会社を辞めることを考えている方は参考にしてください。

40代の離職率は6〜11％｜40代でも仕事を辞めたい人はいる

40代はキャリアの中盤に差しかかるため、安定を求める時期と考える方も多いでしょう。

しかし、厚生労働省が発表する「令和3年雇用動向調査結果の概況」によると、2021年では40代前半の男性の離職率は7.4％（40代後半は6.4%）、40代前半の女性の離職率は10.7%（40代後半は11.1%）にも上っています。

この数値から40代の方でも、さまざまな事情によって退職する方が多いことがわかります。

キャリアの停滞感や職場での人間関係、身体的・精神的な健康問題など、退職を考える理由は多岐にわたります。

経済的な理由や将来に対する不安から、自身のスキルやキャリアを見直し、転職や独立を考える方もいるでしょう。

40代で仕事を辞めたいと感じる理由3選

ここでは、40代で仕事を辞めたいと感じる理由を紹介します。

収入に不安

40代で仕事を辞めたいと感じる理由は、収入への不安です。

40代になると、多くの場合で経済的な負担が重くのしかかってきます。

この時期は、家族の生活費や子どもの教育費、貯金に回すための支出などが増えてきます。

加えて、家を購入している場合は、住宅ローンの返済などの必要もあるでしょう。

このような状況のなかで、収入が停滞する可能性があると、大きな不安を感じます。

業界や会社によっては、40代は給料の大幅な増加を見込むことが難しくなる場合があります。

また、40代になると、自分の実力や将来のキャリアがある程度わかるようになってきます。

昇進の機会がなかなか残されていない、年功序列制から実力主義にシフトしているなど、職場で自身のポジションが脅かされることもあるでしょう。

その結果、収入に対する不安が増えていきます。

また、現在は安定した収入があっても、将来的に同じレベルを維持できるかどうかは、誰しも確信をもちにくいものです。

この点も、40代で仕事を辞める動機となり、転職するきっかけとなります。

仕事への熱意が下がった

40代で仕事を辞めたいと感じる理由の一つは、仕事への熱意が下がったためです。

同じ環境で働き続けることによって仕事への熱意が薄れていく経験は、多くの方が感じたことがあるでしょう。

長年にわたって同じ職種や業界で働くことで、初めはやる気があっても、時間が経つにつれてルーティン化していき、やりがいを感じにくくなります。

また、40代になると、自分のキャリアや人生について深く考える機会も多くなり、熱意を感じることに時間を使えているかどうかを自らに問いかけるようになっていきます。

会社で自分のスキルや経験を十分に活かせていないと感じる場合や、今後のキャリアが見通せない場合も、熱意は徐々に下がっていきます。

もし仕事への熱意が下がってしまったら、新しい環境に身をおくことも有効な手段です。

仕事に納得できる意味を見出すために、部署異動を願い出てみる、転職するなどの取り組みをおこなってみるとよいでしょう。

職場の人間関係に不満

40代で仕事を辞めたいと感じる理由として、職場の人間関係への不満も挙げられます。

職場での人間関係に関する不満にはさまざまな要因が考えられます。

上司との折り合いが悪い、同僚と出世争いをしている、部下と十分なコミュニケーションが取れないなど、多くの理由があるでしょう。

また、40代であれば管理職になっている方もいます。

経営層と部下の間に挟まれる中間管理職として、大きなストレスを抱えることもあります。

人間関係の問題が起きた場合は、自分自身で解決策を見つけるのが難しいケースが多々あるでしょう。

人間関係の改善に向けてアクションを起こしても問題が解決しなかった場合は、新しい環境で働くのも一つの方法でしょう。

40代が仕事を辞めたいと思っても辞められない理由

ここでは、40代が仕事を辞めたいと思っても辞められない理由を解説します。

収入が減る・絶たれるのが不安

40代が仕事を辞めたいと思っても辞められない代表的な理由は、収入が減ることや絶たれることへの不安です。

40代になると、多くの方がプライベートでは家庭をもち、生活費に多くのお金がかかるようになります。

自分だけの生活ではないため、生活の基盤となる収入が不安定になることは大きなストレスとなるでしょう。

特に、長年勤めている会社や業界から離れる場合は、新しい環境で以前と同じぐらいの収入を得ることが難しいかもしれません。

また、転職活動期間中の収入を考えると、経済的なリスクはさらに高まります。

さらに、40代は住宅ローンの返済や子どもの教育費など、固定的な出費が増える時期でもあります。

現在の生活水準を維持し、家族を支え続けるためには、安定した収入が必要となるでしょう。

仕事を辞めることによって生まれる不安定さは、40代が転職を躊躇する大きな理由です。

後任が思い当たらず、責任を感じる

後任に関する不安があると、なかなか仕事を辞めたいと思っても辞められません。

40代は多くの場合、スキルや経験を積み重ね、会社内で重要なポジションを担っている時期です。

専門性が高い業務を担当し、自分にしかできない、または自分が最も適任だと感じることもあるでしょう。

このような状況では、自分と同じレベルで業務を進められる後任者が思い当たらず悩んでしまうかもしれません。

この場合、自分が抜けることによって会社や部署に大きな穴を開けてしまうという責任感から、辞める決断ができない方もいるでしょう。

自分が長年築き上げてきた成果や取引先との関係性などを考えると、後任が見つからないと辞めることをためらいがちです。

急激な環境変化に対応できるか不安

40代が仕事を辞めたいと思っても、実際に踏ん切りがつかない理由は、急激な環境変化に対応できるかどうかに不安があるためです。

40代の方のなかには、長年にわたって築き上げたキャリアと慣れ親しんだ職場環境を捨てたくないという思いをもっている方もいるでしょう。

この年代での転職は、雰囲気が違う会社で働く、勝手が違う業務をおこなう、上司や同僚と新たに関係をつくるなど多くの変化に対応できない場合もあります。

こうした急激な環境の変化は、人によってはストレスとなります。

また、現在の職場や業務の経験だけしかない場合は、その点も懸念事項となります。

新しい環境で以前と同じレベルのパフォーマンスを発揮できるか、または新しいスキルを習得して適応できるか不安を感じることもあるでしょう。

年齢が上がるにつれて新しいことを学ぶスピードが遅くなる懸念もあり、自分が新しい環境に溶け込めるかどうか、受け入れられるかどうかの不安も大きくなります。

40代で仕事を辞めたいと思ったときに考えておくべきこと

ここでは、40代で仕事を辞めたいと思ったときに考えておくべきことを解説します。

「キャリアの棚卸し」で自分の望みを明確に

40代で仕事を辞めたいと思ったときには、「キャリアの棚卸し」をおこないましょう。

キャリアの棚卸しは、自分自身が積み重ねてきたキャリアやスキルを振り返り、今後何をしていきたいのかを明確にするためにおこないます。

自己分析を通じて、自分が何を本当に望んでいるのか、どのような環境や役割が自分にあっているのかを整理できます。

自己分析のあとには、将来のビジョンを考えることも重要です。

自分が将来的に、どの業界でどのような役割を果たしたいのか、どのような生活を実現したいのかを考えましょう。

ビジョンが明確であればあるほど、目標に向かって進むための計画を立てやすくなります。

また、現状と将来のビジョンの間にあるギャップを把握し、課題を解決するための助けにもなります。

「キャリアの棚卸し」をおこなうことで、自分と向き合い、本当に大切にすべきものが明確になるでしょう。

「なりたい姿」と「取るべき行動」をまとめる

40代で仕事を辞めたいと思ったときには、自分の「なりたい姿」と「取るべき行動」をまとめましょう。

仕事を辞めたいと思ったら、自分が将来どうなりたいのか、目標に到達するために今から何をすべきなのかを明確にすることが重要です。

まず、自分の理想のキャリア像を具体的に描くことから始めましょう。

転職するのか、自分で事業を立ち上げるのか、いまの会社でキャリアアップを目指すのかなどの方向を決めていきます。

次に、決めたキャリア像を実現するために必要なことをリストアップします。

具体的には、スキルの習得や資格の取得、人脈の強化などが挙げられるでしょう。

「なりたい姿」と「取るべき行動」をまとめることは、40代でのキャリアを考えるための大切な取り組みです。

これにより、抱えている不安を乗り越え、自分自身の可能性を広げるための一歩を踏み出す準備が整います。

社内外でなるべく多くの人たちと交流する

40代で仕事を辞めたいと思ったときには、社内外を問わず多くの人と交流することが重要です。

もし今後のキャリアに迷った際には、社内で信頼できる人に相談すれば、自分だけで考えていた方針に対する新たな発見が生まれるかもしれません。

また、自らの社内における評価を聞くこともできます。

これにより、自分のキャリアを多角的に考えられるようになるでしょう。

場合によっては、会社に残ることが選択肢に入ってくる可能性もあります。

社外の人と交流することで、さらに進むべき道は開けます。

違う会社や業界の人と話せば関係性が深まり、ヘッドハンティングを受ける可能性なども出てくるでしょう。

また、コミュニケーションを通して自分の価値観が変わり、新たな取り組みにチャレンジしたくなるかもしれません。

社外の人との交流を深めることで、キャリアの可能性が大きく広がるでしょう。

とくに退職金について、社内規定を調べておく

長年勤めてきた会社を退職する際には、退職金が支給される可能性があります。

退職金は、長年の勤務に対する報酬であり、今後の生活にも大きく影響するお金です。

そのため、実際に会社を辞める前に退職金に関する規定を詳しく調べておくことが重要です。

会社によって退職金制度は大きく異なり、支給条件や金額、支給方法にそれぞれルールが設けられています。

たとえば、勤続年数や、自己都合退職か会社都合退職かなどによって金額が変わる場合があります。

規定を把握しておくことは、退職後の計画を立てるうえでも大切です。

特に、退職金を次のキャリアへの投資や生活費として考えている場合は、具体的な金額によって今後の計画が変わるでしょう。

退職が初めてのあなたに。基本的な流れを解説

退職の意思が固まったら、適切な手続きを経て会社を辞める必要があります。

民法の規定では、退職する際は14日前にその旨を会社に対して伝えれば問題なく退職可能です。

しかし、よりスムーズに退職したいなら就業規則を確認しましょう。

退職に関する会社の規定が明確にわかります。

退職規定を確認したあと、記載の内容にしたがって退職手続きを進めていきます。

退職にあたっては、上司や人事部門にその旨を伝えるとよいでしょう。

大きなトラブルなく退職が承認されたら、引き継ぎや挨拶をおこない、退職準備を進めていきます。

退職の申し出が負担なら退職代行がおすすめ

退職の意向を会社や上司に伝えることは、強いストレスや不安をともないます。

特に自身が長年勤めた会社を何かしらの事情で退職しなければならない場合は、会社にその意向を切り出しにくいこともあるでしょう。

もし退職を申し出ることに強いストレスがあるなら、退職代行サービスの利用がおすすめです。

退職代行サービスは、退職を希望する方の代わりに会社へ退職の意向を伝え、必要な手続きをサポートするサービスです。

退職に関して会社と直接コミュニケーションを取らなくてもよいため、ストレスや不安がほとんどなくなるでしょう。

40代の退職についてよくあるQ＆A

ここでは、40代の退職についてよくある質問に回答します。

40歳で退職すると退職金はいくらもらえる？

40歳で退職する際の退職金の額は、勤めていた会社の退職金に関する規定に基づき、勤続年数や役職、最終的な給与額をベースとして計算されます。

たとえば、ある会社が「勤続20年で200万円を支払う」という定額制を設けている場合、20年勤務していた40歳の社員は、200万円の退職金を受け取れます。

しかし、40代という年齢で退職すると、まだ比較的勤続年数が短いため、退職金の総額が限られる可能性があります。

加えて、企業によっては特定の条件下でのみ退職金を支給する場合もあり、退職金の支給基準を満たさない場合は、期待したほどの金額が支払われないことも考えられます。

また、退職金の支払いに関しては、企業の規模や業種、経営状況などによっても大きく左右されます。

大企業では充実した退職金制度が整っている場合が多いものの、中小企業や非正規雇用では、退職金の額が少なかったり、そもそも退職金制度がなかったりする場合もあるため注意しましょう。

自己都合で退職したら退職金はもらえない？

自己都合で退職した場合でも、退職金を受け取ることは可能です。

しかし、条件や金額は勤めていた会社の退職金制度によって異なります。

多くの企業では、自己都合の退職者に対しても退職金が支払われるようになっているものの、満額支給とはならない場合があります。

退職を検討している場合は、就業規則や社内の退職金規定を確認し、自己都合退職に関する具体的なルールや条件を理解しておきましょう。

さいごに｜40代の退職はよく検討して

40代での退職は、人生の大きな転機となりえます。

この時期にキャリアを変えることは、将来に大きな影響を与えるため、退職するかどうかについては慎重に検討を重ねましょう。

自分自身のキャリアと人生、今後の希望を整理したうえで、後悔のない決断をすることが大切です。

もし退職を切り出しにくい場合には、退職代行サービスを活用しましょう。

退職代行サービスを利用すれば、会社や上司に対して退職の意思を直接伝えなくてもすみます。

退職代行サービスには数多くの種類がありますが、どこに依頼すべきか迷ったら、退職代行Jobsに相談してみてはいかがでしょうか。

退職代行Jobsは、弁護士による監修を受けており、労働組合と連携しているため、安心して手続きや交渉を任せられます。

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