転職先を決めずに退職しても大丈夫？考慮すべきリスクや辞めるべきケースを解説

「今すぐにでも仕事を辞めたい」
「もっと自分に合う職場を見つけたい」

今の仕事に不満がある人のなかには、上記のような悩みを抱えている人も少なくないでしょう。

転職先が決まっていない状態で辞めてしまうと、経済的にも、その後のキャリアにも悪影響を及ぼすケースも少なくありません。

転職先を見つけずに退職を検討している人は、リスクを理解したうえで退職を決意する必要があります。

本記事では、転職先が見つかる前に退職するリスクや、転職先を決めずとも退職すべき具体的なケースについて詳しく解説します。

転職先が決まっていない状態で退職する際に気をつけるべきポイントや、引き留めに遭わないためのコツも紹介するので、これから退職を検討している人はぜひ参考にしてください。

転職先を決めずに退職するとどうなる？

転職先が決まっていない状態で退職すると、どのような悪影響があるのでしょうか。

ここでは、転職先を見つけずに退職した場合に考えられるデメリットを詳しく解説します。

今すぐにでも仕事を辞めたいと感じている場合は、ぜひ参考にしてください。

給与や失業手当が入らず、生活が苦しくなる

転職先が見つからないまま退職すると、次の職場を見つけて給与が支払われるまでの間、収入がなくなります。

収入がなくなってしまうと、それまでの貯蓄を取り崩して生活することになり、蓄えが減っていってしまうでしょう。

転職活動にかかる期間は、平均して2〜3ヵ月ほどかかるとされています。

家賃や電話代、社会保険などの固定費の支払いは待ってくれないため、その期間分の生活費は事前に貯金しておかなければなりません。

なかには、「失業保険があるから、貯蓄がなくても心配ない」と思っている人もいるでしょう。

しかし、自己都合で退職する場合は、失業手当が支給されるまで2〜3ヵ月程度かかります。

退職してすぐに支給されるわけではないため、失業手当をあてするのは危険な行為といえるでしょう。

十分な貯蓄がなかったり、転職までの期間が長くなったりすると生活できなくなる恐れがあるので、注意が必要です。

履歴書に空白期間が生じる

次の転職先を決めていない状態で退職すると、履歴書の職歴に空白の期間が生じます。

特別な事情もなく退職してしまうことで、次のようなマイナスの印象を与えるでしょう。

このように、何か大きな欠点があるのではと疑われ、採用を見送られてしまう恐れもあるのです。

そのため、無職期間はなるべく短いに越したことはありません。

一般的に、3ヵ月以上のブランクがあると、転職で不利に働くリスクが高まるといわれています。

新しい転職先を見つけるためにも、退職を優先した理由を伝えられるよう、事前に準備しておきましょう。

また、無職期間中に何をしていたかも説明できるとよいでしょう。

資格勉強や家業の手伝い、留学のように、スキルアップにつながる理由を伝えると好印象につながります。

「仕事がない」ことに強いストレスを感じる人も

退職して無職の状態になると、不安や焦りを感じやすく、強いストレスを抱えてしまう恐れがあります。

すぐにでも辞めたくて退職できても、初めのうちは開放感を得られるものの、時間が経つにつれて無職でいることの罪悪感や不安感などネガティブな感情を抱いてしまいがちです。

「周りの人は働いているのに、自分だけ無職」という状況に耐えられず、落ち込んだり、うつのような症状が現われたりする恐れがあるでしょう。

マイナス思考のままだと、転職活動にも悪影響をきたすケースも考えられます。

また、健康な精神状態でない状態で転職活動すると、妥協して転職先を選んでしまうことにもつながりかねません。

腰を据えて転職活動できずに、望まない労働条件の職場を選んでしまうリスクもあるでしょう。

転職先が決まっていなくても辞めるべきケース

転職先が決まっていない状態で退職するリスクはあるものの、状況によっては転職先を見つけないうちにでもすぐに退職すべきケースがあります。

ここでは、すぐにでも退職すべき具体的なケースをいくつか紹介しましょう。

仕事の影響で心身に不調が出ている

精神的にも身体的にも追い詰められている人は、すぐにでも退職を検討しましょう。

仕事による影響で心身に不調が出ているケースは、次のとおりです。

ストレス状態が慢性化すると、次のような症状が出る恐れもあります。

一つでも多くの項目に該当する場合は、精神的にかなり追い込まれている恐れがあるでしょう。

万が一、うつ病のような病気を一度患ってしまうと社会復帰までに時間がかかり、その後のキャリアに悪影響を及ぼすケースも考えられます。

そのため、心身ともに限界を迎えている場合は、退職や休職をして休養を取るように意識してください。

起業を検討している

退職して起業を検討している人は、退職して新規事業の立ち上げに集中するのがおすすめです。

今の仕事を続けながら準備を進めるよりも、退職して短期間で取り組む方が効率的、かつ集中して準備できるでしょう。

ただし、事前に起業する日を決めておかないと、準備期間がズルズルと長引いてしまう恐れがあります。

起業する日までに準備が終了するように逆算して、計画を立てることが重要です。

実際に起業し成功している人に直接話を聞いたり、人脈づくりや市場調査をしたりして、明確な事業計画を立ててください。

賃金未払いや労災などの問題がある

給与の未払いが発生したり、労災問題があったりする場合も、転職先が見つかっていない状態でも退職するのがおすすめです。

指定された日時に給与が支払われないのは、会社の経営状態が悪い可能性があります。

万が一、経営難の場合は、人件費の削減や従業員の解雇などの対策が講じられるケースもあるでしょう。

また、業務中に事故に遭ったり、業務によって病気を患ったりなどの労働災害が目立つ職場も、トラブルに巻き込まれる恐れがあります。

コンプライアンスに違反する職場に勤務している場合は、自分の身に危険が及ばないよう、先手を講じなければなりません。

今の職場で働き続けると法的なリスクがある

コンプライアンス違反にあたる業務を強いられている場合も、すぐにでも退職を検討してください。

コンプライアンス違反となる業務とは、次のようなケースです。

このように、コンプライアンスを順守していない企業で働き続けることは、従業員にとって大きなマイナスとなるでしょう。

ただし、このような企業は慢性的な人員不足に陥っている恐れもあり、すぐに退職できない恐れがあります。

スムーズに退職できるよう、退職・転職に向けた事前準備を進めてください。

しばらく仕事がなくても生活に困らない

転職先が決まっていなくても困らない程度の貯蓄がある人も、退職して問題ありません。

貯蓄が十分にあれば、たとえ無収入の状態であっても精神的にも体力的にも余裕ができて、次の転職先もスムーズに見つけられるはずです。

もちろん、生活環境や家族構成によってひと月に必要な費用はさまざまですが、最低でも10〜20万円程度のお金は必要でしょう。

次の転職先が見つかっていない状態で退職する場合は、最低でも3ヵ月分の生活費を貯蓄しておくように意識してください。

新しいキャリアのために勉強したい

次の転職先が決まっていないものの、新しい仕事やキャリア、夢に挑戦したい場合も、退職を先行してよいでしょう。

働きながら資格の勉強をする場合、勉強できる時間は限られてしまい、資格取得までにかなり時間がかかってしまいます。

たとえば、社会保険労務士や公認会計士など難易度の高い国家資格に挑戦する場合、相当な勉強時間を確保しなければなりません。

このように、ほかにやりたい仕事や挑戦したいキャリアがある場合は、退職して勉強に集中した方が、早いタイミングでキャリアチェンジを実現できます。

仕事以外の経験を積みたい

仕事以外の経験を積みたいと考えている場合も、退職を先行して問題ありません。

たとえば、世界一周するという夢を抱いている場合や、昔から挑戦したかった「語学留学」に挑戦したい場合などが該当します。

語学留学する場合は、仕事を辞めて勉強に専念したり、留学に向けて準備したりすれば、短期間でのスキル習得につながるでしょう。

転職先を決めずに退職するなら考えておきたいこと

転職先を決めないまま退職する場合は、いくつか考えるべきことがあります。

退職後に後悔しないためにも、退職前に検討すべきことを紹介します。

休職制度が使えないか

体調が悪かったり、精神的に追い込まれていたりする場合は、すぐに退職するのではなく、休職制度を利用できないかを調べてみてください。

休職とは、従業員が会社から許可を得て、自分の都合によって長期的に労働を免除してもらう制度のことです。

休職については法的な定義がなく、会社が独自に制度を導入して就業規則に定めるのが一般的です。

そのため、全ての企業において休職制度が導入されているわけではありません。

さらに、休職できる期間や条件は企業によってさまざまなので、制度の有無と併せて制度の内容についても確認する必要があります。

退職の前に休職制度を利用するメリットは、次のとおりです。

ただし、休職する場合は、医師の診断書の提出が求められるケースが一般的です。

休職制度の利用を検討している場合は、就業規則の内容に従い、必要な準備を進めましょう。

今抱えている問題は本当に退職で解決するか

退職したいと考えている場合は、仕事を辞めたい理由について整理する必要があります。

なぜ仕事を辞めたいと感じているかを確認することで、衝動的な気持ちで仕事を辞めたいと感じているのか、それとも正当な理由があって退職したいと感じているのかを判断できるでしょう。

本当に退職すべきかを確認するためには、次の手順で頭のなかを整理してみてください。

まずは、退職したいと感じた理由を紙に書き出してみましょう。

頭のなかでなんとなく考えるのではなく、紙に書き出すことで、自分では気付かなかった考えや気持ちが見えてくるかもしれません。

次に、給与や昇進、勤務体系などに不満を感じている場合は、今の会社の就業規則や仕組み自体に問題がないかを調べてください。

賃金制度や人事評価制度に問題がないか調べることで、自分では解決できる問題ではないかを把握できるはずです。

さらに、直属の上司や先輩などの実体験をヒアリングすれば、今後自分が歩むキャリアについて客観的に知れるでしょう。

以上の段階を踏むことで、退職したいと感じている問題が解決できるかを判断できるはずです。

客観的な根拠があると確認できたら、退職に向けて準備を進めてください。

退職し、無職期間を取った理由を転職先に説明できるか

転職先を決めずに退職すると、転職するまでの間に無職の期間が発生します。

期間が長ければ長いほど転職先からの印象が悪くなってしまう恐れがあるため、転職する際は、無職になった理由をどう説明できるかが重要なポイントです。

転職時の面接で空白期間について質問された場合、以下の項目を意識してください。

やむを得ない事情がなかった場合でも、空白期間を主体的に行動していたとアピールできれば、プラスの評価につながるケースもあります。

言い訳をしたり、うそをついたりしていることが知られてしまうと、転職がうまくいかない恐れもあるため、注意しましょう。

引き止められたとききちんと退職の意思を通せるか

退職する意思を上司に伝えた際に、引き留められてしまうケースも考えられます。

たとえ引き留められたとしても、退職するという強い意思を貫き通せるかが重要です。

執拗（しつよう）に引き留められて退職を断念したり、退職の意思を伝えた途端に社内で嫌がらせをさせたりするのを防ぐためにも、会社や上司が引き留めづらいと感じるような退職理由を伝えましょう。

上司が納得しやすい退職理由の伝え方は、次のとおりです。

悩んだ末に退職を決意した旨をアピールすることで、退職に対する真剣度が伝わるはずです。

なるべくポジティブな退職理由を考えておいてください。

引き止めに遭いたくなければ退職代行がおすすめ

上司や会社から引き留めに遭いたくないと感じている人や、退職時に職場ともめそうだと感じている人、さらには次の仕事が決まっておらず退職を伝えづらいと感じている人は、この機会に退職代行の利用を検討しましょう。

退職代行とは、従業員本人に代わって退職の意思を会社に伝えるサービスです。

退職代行は公的なサービスでないため、利用する際には費用がかかります。

ただし、退職代行を利用することで、次のようなメリットが得られます。

退職の意思だけを伝えるだけの業者もあれば、退職日の調整や未払賃金の支払い、有給休暇の取得などの交渉ごとに対応する業者も存在します。

対応できる業務が異なる理由は、退職代行の運営元の違いにあるのです。

退職代行の運営元は、大きく分けて「一般企業」「労働組合」「弁護士」の3つに分類されます。

	一般企業が運営	労働組合が運営	弁護士が運営
即日退職	○	○	○
勤務先への通知	○	○	○
退職日の調整	×	○	○
有給取得の交渉	×	○	○
未払い賃金の交渉	×	○	○
費用相場	1万円〜5万円	2万5,000円〜3万円	5万円〜10万円

一般企業が運営元の退職代行業者は、費用相場が安いものの、対応できる業務が限られてしまう点が大きなデメリットです。

上司や職場からしつこく引き留められると懸念していたり、過去に引き留められた経験があったりする場合は、会社との交渉ごとにも対応する「労働組合」や「弁護士」が運営元のサービスを選ぶようにしましょう。

弁護士が運営する退職代行業者は、裁判や訴訟に発展した場合でも対応できますが、依頼費用が高い傾向にあります。

労働組合が運営元の退職代行であれば、手頃な料金で会社との交渉ごとにも対応してもらえるため、コストパフォーマンスも高く、安心して利用できるはずです。

退職できるか不安な気持ちを抱えている場合は、退職代行を積極的に利用してみてください。

「明日から行かない」も可能！退職代行業者3選

すぐにでも仕事を辞めたいと感じている場合は、即日退職に対応する退職代行業者を選びましょう。

ここでは、おすすめの退職代行業者を厳選して紹介します。

退職代行Jobs

退職代行Jobsは、顧問弁護士による適正指導を受けている退職代行サービスです。

一律25,800円で利用でき、万が一会社との交渉が必要な場合は追加料金の2,000円を支払えば対応してもらえます。

即日退職に対応しており、申し込むタイミングによっては依頼した当日の退職が可能です。

退職できなかった場合の全額返金保証制度も設けられているので、安心して依頼できるでしょう。

料金	26,000円~
決済方法	・クレジットカード ・コンビニ決済 ・現金翌月払い（Paidy） ・銀行振込
運営	株式会社アレス
返金保証	あり
後払い	可
対応時間	24時間
公式サイト	https://jobs1.jp/

退職代行辞めるんです

退職代行辞めるんですは、完全後払い制度を導入する退職代行サービスです。

正社員だけでなく、契約社員やアルバイト、パートなどのさまざまな雇用形態であっても一律27,000円で依頼できます。

相談はLINEで24時間受け付けており、何回でも相談が可能です。

退職が完了するまで、徹底的にサポートしてくれるでしょう。

料金	27,000円
決済方法	・クレジットカード ・銀行振込
運営	LENIS Entertainment株式会社
返金保証	あり
後払い	可
対応時間	24時間
公式サイト	https://yamerundesu.com/

退職代行ガーディアン

退職代行ガーディアンは労働組合法人が運営元の退職代行サービスで、依頼者の代理人として会社との交渉ごとに対応してくれます。

即日退職にも対応しており、一律24,800円と良心的な料金で依頼できるのが大きな特徴です。

さらに、退職代行が完了したあとも無料で相談に応じてくれるため、退職後に会社とトラブルが発生した場合も安心して依頼できるでしょう。

料金	24,800円
決済方法	・クレジットカード ・銀行振込
運営	東京労働経済組合
返金保証	なし
後払い	可
対応時間	24時間
公式サイト	https://taisyokudaiko.jp/

さいごに｜退職代行Jobsなら転職サポートも

転職先を決めないまま退職すると、さまざまなリスクが生じます。

退職後に思うように転職先が見つからなかったり、転職する前の労働条件よりも悪い転職先に就職してしまったりする恐れもあるため、できるだけ次の職場を見つけてから退職するよう心がけましょう。

ただし、心身に不調が出ていたり、新しいことに挑戦したいと考えていたりなど、やむを得ない事情がある場合は、すぐにでも退職を検討して問題ありません。

退職時に執拗に引き留められる恐れがある場合は、自力で退職手続きを進めるのではなく、退職代行サービスの利用を検討してください。

退職代行Jobsは、LINEでの無料相談に24時間対応しています。

誰でも気軽に問い合わせできるため、初めて退職代行を利用する人や、本当に退職できるか心配な人におすすめです。

転職サポートや社員寮・社宅からの引越しサポートなど、退職後のアフターフォローも充実しているので、退職後の生活に不安を感じている人にも利用しやすいでしょう。