仕事を辞めたい、疲れた…20代の転職で考えるべき5つのポイント

20代で「疲れたから仕事を辞めたい」と考えている方は少なくありません。

しかし、転職活動への不安からなかなか現状を変えられず、モヤモヤを抱えているケースも多いでしょう。

そこで本記事では、20代の転職事情や、仕事を辞めたいと感じたときの対処法を解説します。

転職の具体的な進め方も紹介しているので、初めて転職活動する方もぜひ参考にしてください。

20代の離職率は19〜26％｜20代で仕事を辞めたい人は多い

厚生労働省がおこなった「令和3年雇用動向調査結果の概況」によると、20代の離職率は次のとおりです。

20～24歳	男性	24.2％
	女性	26.9％
25～29歳	男性	19.6％
	女性	19.2％

男女ともに、20代後半よりも20代前半のほうが離職率が高いという結果となっています。

また、20代全体で考えると、離職率は約22％です。

同調査では男性の場合、30代前半の離職率は12.8％、30代後半は9.0％と、50代後半までは年齢を追うごとに離職率が下がっていきます。

女性の場合も、30代前半の離職率は15.8％、30代後半は12.1％と、同じような傾向です。

これらの調査から、全年代のなかでも20代前半はとりわけ離職率が高いことが分かります。

20代はまだまだキャリアの方向転換がしやすく、第二新卒枠の利用も可能なことから、転職を希望する人が多いと考えられるでしょう。

新卒の離職率は約35％

2023年に厚生労働省が公表した「新規学卒就職者の離職状況」によると、2020年3月に卒業した新規学卒就職者の離職率は、高卒就職者で37.0％、大卒就職者で32.3％でした。

新規大卒就職者の多くが20代前半に含まれることを考えると、数値がおおむね合致しているのもうなづけます。

新規就職者全体で考えると、離職率は約35％です。

なお、この調査は、高校または大学を卒業後3年以内の離職状況を取りまとめたものです。

つまり、新卒者入職者のおよそ3人に1人は、入社後3年以内に退職していると考えられます。

20代で仕事を辞めたいと感じたときにすべきこと5選

20代で仕事を辞めたいと感じたときは、以下のようなことを実践するとよいでしょう。

それぞれのポイントについて、詳しく解説していきます。

転職で問題を解決できるか再考する

仕事に関する悩みごとは、転職して環境を変えることで解消されるケースが少なくないでしょう。

しかし、転職が全ての問題を解決してくれるとは限りません。

たとえば、人間関係の悩みは多かれ少なかれ、どの職場にでもあるものです。

一緒に働く人は選べないので、転職先でも不満を抱えることになる可能性はゼロではありません。

ただし、職場でパワハラやセクハラを受けている場合は、問題のある上司から離れるために、転職を検討することをおすすめします。

まずは、自分が抱えている問題を整理し、「本当に転職で解消されるのか？」という視点を持つことが大切です。

配属変更などを上司に相談する

20代は転職市場での需要が高く、未経験でも新しい業種にチャレンジしやすいのがメリットです。

しかし、転職すれば必ずよい環境が手に入るとは限らないため、一度冷静になって「転職以外の解決策はないか？」と再考することも大切です。

あなたが抱えている問題によっては、転職以外の方法でも解決できる可能性は十分あります。

たとえば、業務内容に不満がある場合は、上司に配置転換について相談すれば要望が通るかもしれません。

また、残業が多すぎてつらい場合は、業務量を調整してもらえるようかけ合ってみる方法もあります。

いきなり転職活動を始めるのではなく、まずは信頼できる上司や先輩に悩みを聞いてもらうとよいでしょう。

退職の前に、休職制度を利用してみる

精神的に疲れてしまって仕事を辞めたいという方は、職場を退職する前に休職制度を利用するのもおすすめです。

休職制度とは、主に従業員個人の事情により長期的な就労が困難な場合に、会社に籍を置いたまま一定期間休むことができる制度です。

一度会社を辞めてしまうと、次の転職先が見つかるとは限りませんが、休職なら従業員としての立場を維持しながら休息期間をつくることができます。

心が落ち込んでいるときに大きな決断を下すと、気持ちが回復してから後悔することもあります。

まずは、悩みのもとである仕事から離れて、心と体の疲れを癒やすことが先決です。

心と体がリフレッシュされれば、思考がクリアになり、次にとるべき行動を的確に判断できるでしょう。

自分の現状を冷静に見極めたうえで、より正しい方法を選べるようになります。

まずはしっかり休息し、それでも退職の意思が変わらなければ転職活動を始めても遅くはありません。

「第二新卒」枠が使えるか確認する

第二新卒枠とは、主に新卒入社後、社会人経験が3年未満の若者を対象とした採用枠です。

明確な定義はないものの、高卒の場合は20歳前後まで、大卒の場合は25歳前後までが該当すると考えられます。

近年は、多くの企業が新卒枠・中途採用枠とは別に、第二新卒枠を設けて採用活動をおこなっています。

社会人経験を数年積んだ第二新卒は、社会人としてのマナーがひととおり身に付いており、教育コストがかかりにくいというメリットがあるためです。

また、昨今は少子化により、新卒採用だけでは人員の補充が難しくなっているため、第二新卒枠を積極的に取り入れる企業が増えているとされています。

求職者側としても、第二新卒枠は新卒枠と比べて競争率が低く、中途採用枠ほどの即戦力は求められないといったメリットがあるので、該当する方は積極的に活用するのがよいでしょう。

なぜ辞めるのか、理由を明確にしておく

仕事を辞めたいと感じたら、その理由を明確にすることが大切です。

自分の気持ちを深掘りせず、なんとなく疲れた・辞めたいという感情のまま辞めてしまうと、退職後に後悔する可能性が高まります。

また、転職以外の方法を模索したり、自分に合う転職先を探したりするためにも、気持ちを整理しておくことは有用です。

今の仕事に不満を感じているポイントや、辞めたいと思ったきっかけを振り返り、辞めたい理由を分析しましょう。

20代が仕事を辞めたいと感じる理由

漠然とした疲れや不満などから、仕事を辞めたいと感じている方も多いでしょう。

退職・転職後に後悔しないためにも、まずは自分の気持ちを掘り下げて、辞めたい理由を明確化することが大切です。

たとえば、20代が仕事を辞めたいと感じる理由としては、以下のようなものが考えられます。

それぞれの理由について詳しく解説するので、自分に当てはまるものがないかチェックしてみてください。

給料が少ない

給料が少ないという理由から、仕事を辞めたいと考える人は多くいます。

業務量や内容、与えられる責任に見合う給与が与えられないと、仕事に対するモチベーションが下がってしまうものです。

昇給額のベースが低く、仕事を頑張ってもなかなか給与が上がらない職場では、なおさら働く意欲が低下してしまうでしょう。

また、ある程度経験を積んだ20代なら、今の職場に居続けるよりも、転職したほうが年収がアップする可能性があります。

厚生労働省の調査でも、20代はほかの世代と比べて転職による年収アップ率が高いことが分かっています。

労働時間が長すぎる

労働時間が長すぎることも、20代が転職を考える理由の一つです。

企業には従業員に適切な休憩・休日を与える義務がありますが、なかには過度な長時間労働が常態化してしまっている職場もあります。

長時間労働は心身への負担が大きく、深刻な健康被害を招くリスクも十分考えられるでしょう。

会社全体として長時間労働が当たり前になっている場合は、個人の提言で状況を変えるのはなかなか難しいものです。

健康が大きく損なわれてしまう前に、従業員を大切にしない職場からは一刻も早く離れることをおすすめします。

また、サービス残業を強いられている場合は、退職時に未払い分を請求することも視野に入れてください。

弁護士や労働組合などに相談すれば、的確なサポートが期待できます。

仕事にやりがいや将来性を感じない

近年は、若者を中心に、仕事にやりがいを求める方が増えているといわれています。

1日8時間働くとした場合、1日の3分の1は仕事をしている計算になるため、自分にとってやりがいのない仕事を続けていると人生がつまらなくなると感じてしまうこともあるでしょう。

また、自分が属する業界や職種に将来性を感じられず、「このまま同じ仕事を続けていてよいのだろうか」と不安を感じている方も多くいます。

特に、20代後半はある程度仕事にも慣れて、自分のキャリアがぼんやりと見えてくるからこそ、将来について悩む方が増えるのだと考えられます。

キャリア形成において転職は有効な手段ですが、まずは自分にとってやりがいのある仕事とはなにかを明確化することが大切です。

漠然とした焦りから転職すると、新しい職場でも同じような悩みを抱えてしまう可能性があります。

今の仕事に対する不満を整理して、将来のキャリアプランを具体的に思い描くことが大切です。

また、将来性のある業界で働きたい場合は、業界の動向をきちんと把握しましょう。

なんとなくのイメージで業界を選んでしまうと、数年後、数十年後に後悔する可能性もあります。

社風が合わない

会社には、それぞれのバックボーンや価値観などに基づく社風があります。

労働条件にこれといった不満がなくても、社風が合わないと理想とする仕事のスタイルを実現できなかったり、なんとなく居心地が悪かったりと、退職を考える要因になるでしょう。

社風を変えることは難しいので、自分には合わないと感じる場合は転職を考えるのがおすすめです。

入社前に社風を把握するためには、情報収集が欠かせません。

会社の公式ホームページやSNSだけでなく、現職者や退職者の口コミなどをチェックするとよいでしょう。

別の仕事や起業に挑戦したい

社会人として働くうちに、別の仕事に興味を持つのは珍しいことではありません。

むしろ、実際に就職してみたからこそ、自分の興味・関心や適性に即した仕事が分かるようになったという方は多くいます。

また、なかにはこれまでの経験を活かして、起業に挑戦したいというチャレンジ精神あふれる方もいるでしょう。

日本政策金融公庫の「2022年度起業と起業意識に関する調査」によると、起業家の35.4％を20代が占め、年代別で最も多い割合となっています。

参照：2022年度起業と起業意識に関する調査｜日本政策金融公庫

20代は少し失敗しても取り返しがききやすいため、新しい環境に飛び込みやすいのがメリットです。

挑戦したい仕事がある場合は、前向きに検討してもよいでしょう。

職場の人間関係が悪い・ハラスメントが横行している

職場での人間関係の悩みから、仕事を辞めたいと感じる方は多くいます。

職場の人間関係が悪いと、どんなにやりがいがあっても、仕事の楽しさは半減するでしょう。

特に、直属の上司との相性が悪い場合は毎日逃げ場がなく、ストレスをため込んでしまいます。

上司や同僚など、特定の人物との関係に悩んでいる場合は、まず現状を整理することが大切です。

人間的な相性が悪くても、お互いを思いやる気持ちが少しでも残っていれば、これから関係が改善していく可能性は十分にあるでしょう。

逆に、お互いが困っているときに助け合えない状態であれば、関係改善は難しいと考えられます。

もし、信頼できる先輩や上司がいれば、悩みを相談してみることをおすすめします。

一人で抱え込まずに、第三者を頼りながら問題を解決しましょう。

特に、職場でハラスメントを受けている場合は、社内の相談窓口や人事部などに報告して、会社全体の問題として扱ってもらうことが大切です。

一方、職場全体の人間関係が悪く、ハラスメントが横行しているような場合には、個人の努力では改善が難しい可能性が高いといえます。

その環境からなるべく早く抜け出すためにも、転職を視野に入れるのがおすすめです。

20代で初めての転職・退職、どう進める？

20代なら、会社を退職するのも、転職活動をおこなうのも初めてという方が多いでしょう。

初めての退職や転職をスムーズに進めるためには、全体の流れを把握することが大切です。

細かな部分はケースバイケースで異なりますが、おおむね次のような流れで退職・転職を進めてください。

それぞれのステップについて、以下で詳しく解説します。

転職先の情報収集・検討

基本的には、まず次の転職先が決まってから会社を辞めるという順番がおすすめです。

もし転職活動がうまくいかなくても、収入源を失う心配がなく、心に余裕を持って行動できます。

すぐに転職しない場合も、あらかじめ情報収集を進めておくことで「この業界に行きたい」「こういう会社に転職したい」といった自分の希望を整理できるでしょう。

面接・面談

会社を辞めるときは退職届を提出する必要がありますが、まずは直属の上司に報告するのがマナーです。

上司の都合のよいタイミングを聞いて、退職意思を伝える場を設けてください。

その際、退職理由を聞かれるはずなので、明確に答えられるよう準備しておきます。

また、転職活動を進める場合は、並行して希望する会社の面接を受けましょう。

退職の申し出

上司への報告を済ませたら、退職届を提出してください。

これによって正式に退職を申し出たことになり、一度退職届を提出すると撤回は困難です。

一般的に、退職届は退職の1ヵ月前に提出するとよいとされています。

ただし会社によっては、就業規則で「退職の3ヵ月前に提出」と規定されている場合もあります。

円満かつスムーズに退職するためにも、会社のルールを順守して退職届を提出しましょう。

業務の引き継ぎ

退職することが決まったら、退職日までに業務の引き継ぎをおこないます。

後任者とコミュニケーションをとりながら、必要な情報を漏れなく伝えましょう。

情報をリストアップしたり、引き継ぎ用の資料を用意したりと、早めに準備を進めておくとスムーズです。

社内外での退職手続き

退職届が受理されたら、貸与品の返却や私物の回収などの手続きを進めます。

返却するものとしては健康保険証や社員証、制服やパソコンなどがあります。

また、離職票や源泉徴収票を忘れずに受け取ることも大切です。

また、必要に応じて社外の取引先にあいさつ回りをします。

後任者とともに訪問し、相手方に次の担当者を紹介する意味合いもあります。

社内に向けたあいさつは、最終出社日におこなうケースが多いでしょう。

ただし、社内外にあいさつをおこなうタイミングについては自己判断せず、上司や人事部に確認するほうが無難です。

20代が仕事を辞めたいときは退職代行の利用も検討して

「自分から辞めたいとは言い出しにくい」「上司に引き止められたら断りきれなそう」という方には、退職代行サービスがおすすめです。

退職代行サービスとは、依頼者の代わりに退職連絡をおこなうサービスです。

退職連絡だけでなく、貸与品の返却や私物の回収など、各種手続きに必要なやりとりを一任できます。

上司と直接やりとりする必要がないため、ストレスフリーな退職を実現できるでしょう。

退職代行の運営元は、民間企業・労働組合・弁護士に分かれます。

それぞれのサービス内容は以下のとおりです。

運営元	退職連絡	退職手続きや貸与品返却のやりとり	会社との交渉	訴訟や損害賠償請求などのサポート
民間企業	◯	◯	×	×
労働組合	◯	◯	◯	×
弁護士	◯	◯	◯	◯

労働組合や弁護士が運営する退職代行サービスなら、会社との交渉を依頼することが可能です。

未払いの残業代の請求を求めたり、有給休暇を全て消化できるよう交渉したりと、手厚いサポートが受けられます。

上司のハラスメントや違法な労働環境について訴えを起こしたい場合には、法律の専門家である弁護士に依頼するとよいでしょう。

一方で民間企業の退職代行サービスは、サービス範囲は限定的ですが、そのほかと比べると料金がリーズナブルな傾向があります。

また、運営元が民間企業でも、労働組合や弁護士と提携しているサービスなら会社との交渉に対応している場合があるので、費用を抑えたい方におすすめです。

20代が仕事を辞めたいときによくあるQ＆A

ここからは、20代が仕事を辞めたいときによくある質問に答えていきます。

若者が仕事を辞める理由は何ですか？

若者が仕事を辞める理由としては、職場の人間関係に関する悩みが多いとされています。

上司や同僚など特定の人物との関係性が悪いケースもあれば、職場全体の雰囲気が悪いケースもあるでしょう。

また、業務内容や給与に対する不満を挙げる方も多くいます。

上司や先輩の給与事情を見て、将来に希望を感じられずに退職を決意する方もいるようです。

業務内容が自分に合っていないと感じたときや、働く意義が分からなくなってしまったときも、モチベーション低下のきっかけになります。

仕事におけるZ世代の特徴は？

Z世代とは、主に25歳以下の若い世代を指す言葉です。

次世代の消費の担い手として注目を集め、Z世代に寄り添ったサービスや施策を展開する企業は多くあります。

働き手としてのZ世代は、高卒以上とするとおおむね18～25歳の世代といえるでしょう。

子どものころから多くのテクノロジーに囲まれて育ってきたZ世代は、仕事においてもテクノロジーの活用を望むとされています。

安定性を好む傾向がある一方、起業家を目指す人が多いのも特徴です。

また、SNSでのリアルタイムなコミュニケーションに慣れているため、仕事でも上司からのスピーディーなフィードバックを求める傾向があります。

さいごに｜20代で仕事を辞めたいと感じるのは珍しくない

20代で仕事を辞めたいと感じる方は多く、厚生労働省の調査でも、ほかの世代と比べて離職率が高いという結果が出ています。

若い人材を求める企業は多く、新卒入社後3年以内であれば第二新卒枠も利用できるため、20代の転職のハードルは比較的低いといえるでしょう。

しかし、漠然とした不安や焦りから会社を辞めてしまうと、転職後に後悔する可能性もあります。

仕事を辞めたいと感じたら、まずは自分の心と向き合い、退職する理由を明確化することが大切です。

「仕事を辞めたいけど上司が怖くて言い出せない」という方には、退職代行サービスの利用も検討してみましょう。

どの退職代行サービスにするか迷ったら、退職代行Jobsをおすすめします。

退職代行Jobsは弁護士監修の退職代行サービスです。

運営元は民間企業ではあるものの、労働組合と提携しているので、未払い賃金や有給消化などに関する交渉を依頼できます。

また、基本料金が19,800円（税込み）※とリーズナブルな料金も魅力です。

後払いにも対応しているため、今すぐまとまったお金を用意するのが難しいという方も気軽に利用できるでしょう。

転職サポートや給付金サポートなどのアフターフォローも充実しているので、ぜひ相談してみてください。

※会社との交渉を依頼する場合は、労働組合費2,000円が別途必要