せっかく意を決して退職を伝えたのに、上司に反対された経験はありませんか?
- うちの会社は退職するとき、かならず強引な引き止めがある
- 上司が退職の話を全然取り合ってくれない
- 退職の話をした途端引き止められて、気持ちが揺らぎ始めた
など、退職する際に上司からの引き止めトークへの対応に困っている方は、意外に多いです。
結論からお伝えすると、引き止めにあった際の対処法を知っているだけでスムーズに話が伝えられ円満退職へグッと近づきます。
そもそも憲法22条第1項においてすべての人の職業選択の自由が保護されているので、どんな状況であっても退職者の自由は奪えません。
今回は、上司が強引に引き止める理由や回避するコツをお伝えし、どんな行動を取るべきなのかを解説していきます。
まずは、上司が引き止める理由と実際に説得で使うフレーズを紹介するので、引き止め対策の参考にしてください。
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月収80万円 | 約53万円 |
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目 次
会社が退職を引き止めようとする5つの理由
転職して新たな第一歩を踏み出そうとしても、会社が強引に引き止めてくるのには理由があります。
あなたの将来を考えて引き止めるケースもありますが、実際は会社や上司の都合で引き止められる場合が多いです。
なぜ引き止めるのか、5つの具体例を紹介します。
- 人手不足になる
- 人員補充や再教育に時間がかかる
- 管理責任能力を問われる可能性がある
- 社内のモチベーションが下がる
- 本当にあなたの将来を心配している
どんな理由があって引き止めているのかを冷静に判断し、本当に退職すべきかしっかりと見極めてくださいね。
1. 人手不足になる
「今ですら人手が足りていないのに、この状況で辞められると仕事が回らなくなる」といった場合、引き止められる可能性が高まります。
退職者は「自分1人いなくなっても問題ない」と考えてしまいますが、多くの企業は人手不足に陥っているのが現状です。
会社は必要なスキルに合わせて人員を雇っているので、たった1人の穴が膨大な影響を及ぼしてしまうものです。
どんなに会社のフォロー体制が整っていても、確実に生産性が落ちてしまいます。
他の退職者が出るという悪循環に陥る可能性もあるので、できることなら思いとどまってほしいと引き止めてきます。
2. 人員補充や再教育に時間がかかる
退職者が出るのは仕方ないことですが、新たな人員を補填しなくてはいけません。
求人から面談、入社後の研修、現場で働ける人材に育て上げるのには、多大な労力とコストがかかってしまいます。
「1人辞めたら1人雇う」と単純な問題ではなく、あなたが今まで培った能力と同じレベルの人材へ育て上げるのには膨大な時間がかかります。職種によっては1人前になるまでに数年かかるケースもあるため、当然会社側は辞めてほしくありません。
優秀な人材にするために今までに投資した時間とお金が無駄になってしまうため、さまざまな事情から引き止めようと会社側も必死になるのです。
3. 管理責任能力を問われる可能性がある
部下が退職してしまうと、その部下の直属の上司は、会社から管理責任能力がないという評価を受けることもあります。
自分の昇給や昇進に影響を与えてしまうかもしれない部下の退職は、上司にとって由々しい事態です。
また、現場を統括する管理職は「チームとしてプロジェクトを完遂するためにはどうするべきか」と常に考え、部下が辞めた穴をどう埋めるかを考えなくてはいけません。
多くの社員がいる会社でない限り、1人でも抜ければ負担が増えるのは目に見えています。
もちろん退職しないように対策を講じるのは仕事の一部ではありますが、さまざまな事情を考えたうえで「部下の退職はできる限り避けたい」というのが上司の本音。
すべての上司が自分の立場を危ぶみ引き止めているわけではありませんが、時としてありうるケースです。
4. 社内のモチベーションが下がる
同僚や後輩から「会社を辞める」と言われると、誰でも動揺してしまうものです。
優秀な人材であるほど仕事量が増えるのは目に見えているので、不安になるものです。
とくに役職者として活躍している優秀な人材の退職は、周囲の士気を下げてしまいます。
プロジェクト中に退職者が出てしまえば、その後のスケジュール変更も検討しなくてはいけません。
それだけでなく、部署内のリーダー格の退職は、さらなる退職者が出る恐れもあります。
そうならないためにも、会社は何としてでも退職を阻止したいと考えるものです。
5. 本当にあなたの将来を心配している
自分では「退職するしかない」と思っていても、周囲から見れば「退職するだけで問題は解決しない」と判断されることもあります。
たとえば「現状を変えたい」「今の職場がいやだ」という安易な理由で退職する場合、次の職場でも同じような問題に直面するリスクは否めません。
その場合、上司は本心から「今ここで投げ出しても成長にはつながらない」と判断し、引き止めてくることがあります。
明確な目標があり転職するのであれば、熱い思いを伝えれば納得してくれるでしょう。
あなたの将来を考えて助言してくれているケースもあるので、信頼できる上司であれば耳を傾ける価値は十分あります。
客観的なアドバイスは自分を見つめ直す機会となるので、今後どうするべきなのか考えてみるとよいでしょう。
会社が退職者を引き止める際に使う5つの説得方法
会社がどうやって引き止め工作をしてくるかを事前に予測できれば、状況に応じた対策が取れます。
退職者を引き止める際には条件交渉や情に訴えかける方法が一般的ですが、それでも退職の意思が固い場合は脅し文句を言われることもあります。
まずは、よくある5つの説得パターンを紹介するので、状況に応じた対処法で手を打ちましょう。
- 給与の待遇や配置転換などの条件改善を交渉される
- 周りに迷惑がかかると説得する
- 必要な人材だと情に訴えかける
- 退職の保留や延期を打診される
- 訴えるなどの脅し文句を言われる
よくある説得方法を、ひとつずつ詳しく解説していきます。
1. 給与の待遇や配置転換などの条件改善を交渉される
収入面や待遇面に不満がある場合、上司から持ち掛けられるのが条件改善交渉です。
- 特別手当や役職をつける
- 給与アップを約束する
- 残業のない部署へ移動させる
このように、何とかして退職を引き止めようとします。
退職の意思が本当に固ければ、改善できる問題を退職理由に持ち出すのは得策ではありません。
仮に「状況が改善されれば退職する必要はない」と考えていても、本当に実行してもらえるかわかりません。
改善策は上司のその場限りの思い付きの可能性もあり、実際は口約束で終わってしまうケースも十分にありえます。
退職を撤回した直後に多少の改善が図られたとしても、長い目で見た場合あまり変わってないというケースも多くあります。
変わらないどころか、一定期間経過すると以前よりも状況が悪化してしまう事態も考えられます。
そんな中、退職交渉をしたことにより周りから冷たい視線が向けられることは、容易に想像できるでしょう。
条件改善を交渉された場合、まずは上司の話しをしっかりと聞きましょう。
決してその場では結論を出さず、一度持ち帰ったうえで改めて冷静に考えてから自分の進退を決めてください。
2. 周りに迷惑がかかると説得する
会社に不満があって退職を決意しても、人間関係に不満がない場合に決意が揺らいでしまうのが上司や同僚の存在です。
- 今辞められると、会社が回らなくなってしまう
- 同僚は頑張っているのに、辞めてしまうのか
このように「今辞めると周囲の人たちに迷惑がかかる」と思わせ、退職を撤回できないかを打診してきます。
今まで面倒を見てくれた上司や同僚に迷惑がかかるなら、もう少し我慢したら状況が変わるのではと悩んでしまいますよね。
ですが、一時的な感情に流されてしまうのではなく、なぜ会社を辞めたいのかよく考えることが大切です。
自分なりの退職理由が明確になっていれば冷静な判断ができるので、今後どうしたいのか方向性を見失わないようにしましょう。
3. 必要な人材だと情に訴えかける
会社が引き止めの際によく使うのが、今までの頑張りを認め退職を阻止する方法です。
- 君がいないとプロジェクトは絶対に成功しない
- 君には大きな期待を寄せている
- 君は将来の幹部候補だぞ
など、必要だと思わせる言葉を投げかけ引き止めます。
繰り返し何度も「君が絶対に必要だ」と訴えられると、あなたの気持ちはどうしても揺れ動いてしまいがちです。
「この会社で仕事を続けていれば、結果的に得策なのかもしれない」と思ってしまうのが、人の心というものです。
しかし、情に訴えかけられたときこそ、退職を決意した強い理由は何だったのかを冷静に思い返してみてください。
「今の会社ではできないことがある」「将来やりたいことがある」など、決意するまでに色々な葛藤があったはずです。
「きちんと評価してもらえない」という理由で退職したいのであれば話は違ってきますが、一時的な感情に流されるのはよくありません。
冷静になって考え直し、そのうえで決意が変わらないのであれば、毅然とした態度で退職の意思を伝えましょう。
4. 退職の保留や延期を打診される
人員に余裕がない会社では「退職時期を検討してほしい」と懇願されるケースも少なくありません。
「退職の意思はわかったが、今は辞めないでほしい」と言われてしまうと、今辞めるべきなのか悩んでしまいますよね。
- 退職は仕方ないが少し待ってほしい
- きちんと引き継ぎをしてから辞めてほしい
- 後任が決まるまで会社にいてくれ
退職の申し出をした際にこういった言葉を投げかけられたら、応じられる範囲であれば時期を調節するのも、ひとつの手段ではあります。
誠実な対応をすれば上司も好印象を抱き、円満退職にグッと近づくでしょう。
次の転職先への入社日の幅を持たせて約束していた場合は、日程調節が可能か確認してみるのも選択肢のひとつです。
ただし、ここで注意してほしいのは、転職先があなたに持つ印象です。
「責任感が強い」と判断され快く日程調節に応じてくれるケースもありますが「期限を守れない」と評価が下がることも十分考えられます。
転職先の評価が下がると入社後に要注意人物としてマークされる可能性も十分あるので、場合によっては「次の職場との約束があり退職日は変えられない」という強い意志を伝えることも必要です。
次の職場が決まっていない場合、そのまま退職がズルズル先延ばしにならないかという点も注意しなくてはいけません。
- もう少しだけ手伝ってくれないか
- 退職の話は白紙に戻さないか
当初の約束日が近づいた時点で、こういった話になるケースは多いものです。
過去に似たようなケースがあった場合は要注意なので、前もって退職日を明確にするなどの対策を講じておきましょう。
5. 訴えるなどの脅し文句を言われる
残念なことに、強硬手段として退職者を非難したり脅し退職を阻止したりするケースも存在します。
- 同僚の負担も考えろ
- お客様に迷惑をかけるつもりなのか
- 撤回するまで何時間でも話をするぞ
コンプライアンスが重視されるようになった現在でも、このような形で過剰なまでの引き止めをしてくる会社もあります。
それどころか「君の退職によって損害が生じた。損害賠償を請求する」と脅しかけてくるケースもあるので、決して慌てずに落ち着いて対応してください。
こうした脅し文句の多くは法的根拠に乏しいため、まずは冷静に会社の対応を見極めるところから始めましょう。
その一方で、民法267条で以下のように定められています。
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
つまり損害賠償の話は法的根拠に乏しいケースが多いのですが、退職の申し出については「いつでも申し入れることは可能」という明記があるのです。
法的過失のない労働者に対して、会社側が損害賠償等を突きつけることはできません。
ましてや、通常の退職で従業員に損害賠償責任が生じる程の過失が生じることはまずありません。
会社側の脅しがあまりにも悪質な場合は「労働基準監督署」など外部機関への相談も検討しましょう。
また、既に口頭で労働契約の解約申入れは済ませた場合、民法627条でいうところの「解約の申入れ」に該当します。
申入れから2週間経過すれば、法律上は正当に退職できる状況にあるのです。
口頭でも正式な申入れになるというのは、一般的にはあまり知られていない法解釈です。
上司はわかっていて接していることも十分にあり得る話です。
いずれにしても、口頭だけでは、後から「聞いていない」という言い逃れをされるケースもあるでしょう。
そういった問題を避けるため、口頭で意思表示するとともに、速やかに「退職届」を持参、郵送、メール等の方法で提出しておくことが好ましいです。
退職の引き止めに応じた場合に生じる3つのデメリット
もちろん話し合いの末お互い納得したうえで会社に残るのであれば問題ありませんが、一時の感情に流されてしまうとデメリットもあります。
- 再度退職を言いにくくなる
- 会社での居心地が悪くなる
- 会社に残っても状況は変わらない可能性がある
少しでも撤回すべきか辞めるべきなのか思案しているのであれば、3つのデメリットを理解したうえで落ち着いて結論を出しましょう。
1. 再度退職を言いにくくなる
職場に不満を感じている状態で退職を検討している場合、待遇や条件の改善案を出されると決心が揺らぐことも十分考えられます。
一度でも撤回をしてしまうと「しつこく留意すれば何とかなる」「強く引き止めれば退職しない」という色眼鏡で上司から見られることは間違いありません。
今後「やはりこの会社ではやっていけない」と感じ改めて退職意志を伝えたとしても、必ず同じような引き止め工作を受けることになります。
あなたとしても、一度は留意した経緯から、なかなか強硬になりづらいでしょう。
そして、結果としてズルズルと退職時期を先延ばしにさせられ、いつまで経っても辞められないという状況に陥ってしまうのです。
2. 会社での居心地が悪くなる
会社の引き止めに応じたあとでも「居心地のいい職場生活を送れる」とは限りません。
この問題は上司の立場で考えてみるとわかりやすくなります。仮にあなたを引き止めたとしても、その気苦労から心の中ではあなたのことを「良い人材」とは思えなくなるものです。
「この人に大切な仕事を任せると面倒なことになりそうだ」と思われて、成果につながる重要度の高い仕事を任せてもらえない可能性が出てくるものです。
また、退職残留交渉の過程で何らかの待遇改善提案を受け入れていた場合「あいつだけ特別手当が付いているらしい」といった噂が会社内で飛び交う可能性も十分に考えられます。
人事評価の面でも「裏切り者(会社を辞めようとした人間)」とされ、会社によっては以前より苦しい環境に置かれてしまうリスクも考えておくべきでしょう。
今後の昇進や昇格で不利になることがあったとしても、有利になる可能性は限りなく低いと思っておくべきです。
3. 会社に残っても状況は変わらない可能性がある
もう一度考えたいことが「退職を踏みとどまった」としても、それは現状の解決にはつながっていない可能性が高いということです。
退職希望を伝えた際にその理由を伝えると、上司は親身になって話を聞いてくれるはずです。そのうえで必要な人材だと諭され、決心が鈍ってしまうこともあるでしょう。
- 昇給させるから、もう少し頑張ろう
- 最善の努力を尽くすから、退職は踏みとどまってくれ
こういった形で説得されることはありますが、冷静になって考えてみてください。
そもそも辞めると言って初めて待遇が改善されること自体がおかしな話ですし、引き止める際に説得された内容を受け入れても、結局のところ何も変わらないケースもあります。
つまり上司との約束は口約束ではないのかを見極めなければならない、ということです。すべての不満を吐き出したことでスッキリとした気持ちになりがちですが、実現可能な内容なのかを正しく見据える必要があります。
以上のように、一度でも表明した退職の意思を撤回し会社に残留するということには、それなりに大きなデメリットがあるということを忘れないようにしましょう。
引き止めを避け円満に退職するためにできる7つの対策
新たな場で活躍したいと思うのであれば、あなたも会社や上司に思いやりを持ち、快く送り出してもらうように努力することも必要です。
会社からの引き止めを避け、スムーズに退職する7つの対策を紹介していきます。
- 就業規則を確認し申し入れ期限を確認する
- あらかじめ退職日を決め優柔不断な態度をとらない
- 書面でも退職の意向を伝える
- 引き継ぎにかかる時間を計算する
- 繁忙期の退職は避ける
- ポジティブな理由を退職理由にする
- 待遇面での交渉はおこなわない
「立つ鳥跡を濁さず」というように、思いやりのある姿勢が円満退職できるかの重要なポイントです。
それでは、円満退職するためにできるために求められる要素を、細かく深掘りしていきましょう。
1. 就業規則を確認し申し入れ期限を確認する
民法では「期間の定めのない労働契約は、退職日の14日前までに退職の意思を伝える」と規定していますが、多くの上司は1~2ヶ月前には教えてほしいと思っています。
また、就業規則で独自の定めを設けている会社も多いため、円満に退職するためには規則などを事前にチェックしておくことも重要です。
上司は、部下の突然の退職という状況に直面すると、可能な限り早く以下の行動をしなければなりません。
- 引き継ぎの段取りの検討
- 後任の採用のための求人広告の出稿
- 新人の受け入れ、研修など
これらの仕事が増えてしまうため、とにかく気持ちに余裕がないのです。
きちんと就業規則を確認したうえで、なるべく早めに退職の申し入れをしましょう。
2. あらかじめ退職日を決め優柔不断な態度をとらない
引き止めを防ぐためにはあなた自身が「どっちつかずのスタンス」を取らないよう意識することも大切です。
そのため退職の話を出す際はあなた自身の心に決心がついた状態でおこなうべきです。
上司に「相談」というスタンスで話をした場合、高い確率で引き止めを受けます。相談という雰囲気から、上司は「まだ決めかねている」「押せば何とかなるぞ」と考えているのです。
そして、徹底してあなたの不安を取り除くような話を繰り返します。
何とか退職の申し出を撤回させようと「あなたのためを思っている」という言葉を投げかけてくるので、退職日は「決定事項」として伝えることが大切です。
転職先や出勤日が決まっていれば、上司も無理に引き止めてきません。
ダラダラと退職日が伸びてしまわないように「この日に退職を希望する」という強い意志を伝える姿勢が重要だということを忘れないでください。
3. 書面でも退職の意向を伝える
退職の際のトラブルで多いのが「そんな話は聞いていない」「今は忙しいから後で」と、退職の話をはぐらかされてしまうケースです。
こうした事態を避けるためにも、口頭で退職の意思を伝えるとともに退職願を提出しましょう。
書面に退職を申し入れた日付を記載することにより、退職の意向を伝えたという証拠になります。
少なくとも書面で伝えることで「言った・言わない」のトラブルは避けられるので、きちんと書面でも辞める意思表示を伝えておきましょう。
4. 引き継ぎにかかる時間を計算する
担当していた仕事にもよりますが、就業規則通りの退職期日では引き継ぎが間に合わないケースもあります。
そんなときは、過去の退職者が引き継ぎにどのくらい時間がかかったのかを把握しておきましょう。
そのうえで、どれくらい前に退職を申し入れれば引き継ぎが終わるのかを考慮し、時間に余裕を持って退職する旨を伝えましょう。
そうすることで「引き継いでから辞めてほしい」と引き止められる心配がなくなり、円満退職へ前進します。
退職の数日前には引き継ぎが完了するのが理想ですが、退職までの日数が足りない場合はマニュアルを作成も有効な手段のひとつです。
5. 繁忙期の退職は避ける
繁忙期に退職をすれば周囲から反感を買い、円満退職とはかけ離れてしまいます。
上司から「今辞められると困るから考え直してくれ」と言われないためにも、繁忙期を避けて退職の話をするという選択肢が好ましいと言えます。
大きな企画の最終局面など、第三者が客観的に見ても「この時期の退職は、さすが周囲に迷惑が掛かるだろう」というタイミングは可能な限り避ける方が無難です。
考えてみてください。いつもより仕事が立て込んでいる時期に同僚が退職してしまうと、残された同僚の仕事は一気に倍増します。そして、あなたへの不満が倍増することは間違いありません。
もっとも重要なことは「会社にはできるだけ迷惑をかけたくない」と思っている誠実な気持ちです。
その気持ちは必ず上司に伝わります。
会社への迷惑は最小限にしたいと思っているという真摯な姿勢が伝われば、上司の姿勢にも変化が見られるものなのです。
6. ポジティブな理由を退職理由にする
円満退職を実現するためには、会社が快く送り出してくれるような前向きな退職理由も有効です。
「キャリアアップのための転職」「実現したい夢がある」などポジティブな理由の場合、上司は引き止めにくいものです。
ただし、今の会社でも実現できるスキルアップなどを退職理由にあげると引き止められる可能性が高いので、絶対に口にしてはいけません。
退職の意向を伝える際には今後のキャリアをしっかり見据え、今の会社だけでは実現が難しそうな新しいことへ挑戦する熱意を伝えましょう。
7. 待遇面での交渉はおこなわない
「給料が上がらない」「待遇に不満がある」などネガティブな理由で退職を申し出ると、上司は待遇改善を条件に引き止めてきます。
本来は退職理由を話す必要性や義務はないものの、上司との対話の中で退職理由を説明しなければならない状況になることもあります。
このとき「問題さえ解決すれば退職しなくてもいい」と本気で考えていない限り、退職理由として持ち出すのは禁物です。
なぜなら、さまざまな提案を持ちかけられ、退職を撤回するしかない状況を作り上げられてしまうケースが想像より遥かに多いからです。
目先の条件提示に迷わされて退職を戸惑うような素振りを見せてしまうと、引き止め工作は一気に強固なものになり、必ず押し切られる結果となるでしょう。
絶対に譲れない理由があって退職を決心したはずです。
退職を決心するまでの経緯を改めて思い返し、強い意思を持って冷静に上司と話をしなければなりません。
既に引き留めにあっている場合の3つの対策
今この瞬間も「もう既に会社から退職の撤回要求を受けている」という人もいるでしょう。
上司の勢いや情に押し込まれ「少し検討させてください」など、本心ではないことを漏らしてしまった人もいるのではないでしょうか。
そのような方は以下のケースを参考にして、退職を成功させてください。
- 退職届の受取を拒否されそうな場合は外部機関に相談する
- 会社が絶対に引き止められない退職理由を伝える
- 強引な引き止めの場合は上層部に相談する
大切なのは、退職への強い意志を持ち続けることです。弱気にならず、自分の状況にあった方法で退職成功へと導いてください。
それでは、既に引き止めにあっている場合に有効な3つの対策を、詳しく解説していきます。
1. 退職届の受取を拒否されそうな場合は外部機関に相談する
最近ではコンプライアンスが重視されるようになり、法令に反する悪質な引き止め行為は激減しました。
それでも一部の会社では強硬な手段で退職させまいと、あの手この手で退職を拒もうとしてきます。
なかには「退職届を受け取ってもらえる自信がない」など、個人では太刀打ちできないケースも存在します。
そういった場合は、退職代行サービスを利用して1人で悩みを抱え込まないようにしましょう。
「今すぐ退職を受理してほしい」「もう会社へ行くのも嫌だ」と悩んでいるのであれば、退職代行サービスがおすすめです。
上司や会社の態度に応じて、最終手段として活用することも検討してみましょう。
退職代行の仕組みや利用方法については「退職代行とは|メリット・デメリットや退職の流れを解説」を参照してください。
2. 会社が絶対に引き止められない退職理由を伝える
以前、上司に退職を引き止められた場合、繰り返し同じ話をしても同じ要領で押し返されると考えておくべきです。
そのため、もう一度自分の退職理由を初めから思い起こし、反撃されずに押し通すストーリーを設計し直さなければなりません。
具体的には、あなたの退職理由の中で会社側ではどうすることもできない理由をクローズアップして、その点を中心に話を推し進めることです。
例えば、出産、育児、介護など、あなたの生活スタイルを考えた場合、会社の勤務体制と両立することはどうしても難しいといったことなどです。
「そういう状況なら仕方ない」という雰囲気に持ち込めば、退職へ大きく近づくことになります。
3. 強引な引き止めの場合は上層部に相談する
上司が退職の話を聞いてくれない、有無を言わせず退職を否定するといった状況の場合は話の相手をチェンジすることも有効です。
上司より上の立場の人間や、人事部に持ち込むのが一般的です。
上司よりも上の立場の人間や人事部が聞き入ってくれるような理路整然とした退職ストーリーを準備し「上司に退職の意思を伝えたが聞き入れてもらえず、困っている」と持ち掛けるのがよいでしょう。
ただし、これは自分の上司では話が全く前に進まないというケースに限定すべきでしょう。いきなり上司の上司や人事部に話を持っていっても必ず差し戻されます。
適切な手順を踏んでも結果が変わらない場合は、多少強引にでも「退職届」を提出する方法を模索すべきです。
退職を引き止められた際には状況に合う対策を講じることが大切
憲法22条第1項においてすべての人の職業選択の自由が保護されているので、どんな状況であっても退職者の自由を奪うことが絶対にできません。
理想は、今の職場や上司に迷惑をかけず退職することですが、すんなりいかないケースが多いのも事実です。
安心して新たな一歩を踏み出すためにも、引き止めにあわない対策をしっかりと練りましょう。