バイトを辞めると言いづらい場合の対処法！ ケース別に伝え方を紹介

アルバイトを辞めたいと考えてはいるものの、さまざまな理由から退職を切り出せない方も多いでしょう。

辞めずにアルバイトをズルズルと続けても、不安やストレスから体調を崩してしまうケースも考えられます。

本記事では、アルバイトを辞めると言いづらい場合の上手な伝え方を紹介します。

円満に辞めるためのポイントや退職できない場合の対処法も詳しく解説するため、アルバイトを辞めようと検討している方はぜひ参考にしてください。

アルバイトを辞めると言いづらい理由3選

アルバイトを辞めたいのに言い出せないのには、何か理由があるはずです。

話を切り出せないから仕方なく仕事を続けるのではなく、まずは辞めたいと思う理由を整理して、本当に辞めるべきかどうかを判断していきましょう。

ここでは、アルバイトを辞めると言い出せない理由を解説します。

アルバイト先に迷惑をかけるかも

アルバイト先の店長や先輩、同僚などに迷惑をかけてしまう申し訳なさから、話を切り出せないケースがあります。

特に、職場が人手不足の場合は、迷惑をかけたくない気持ちがより一層強くなりがちです。

責任感が強い方ほど、辞めると伝えづらいと感じる傾向にあります。

しかし、ズルズルと仕事を続けてしまうと、辞めるタイミングが遅くなり、ますます伝えづらくなってしまうでしょう。

アルバイト先としては、なるべく早いタイミングで求人募集をかけたいと考えるはずです。

辞めたいという思いが強い場合は、早急に退職の意思を店長に伝えてください。

「逃げた」と思われそう

「職場になじめない」「先輩が怖くてつらい」「仕事が激務過ぎて体力も気力も限界」など、アルバイトを辞めたい理由は人それぞれです。

しかし、仕事を辞めることで、周囲の方たちに悩みや問題から「逃げた」と思われてしまうのではないかと不安に感じる方も多く存在します。

アルバイトを始めたばかりで仕事に慣れていないだけであれば、時間が解決してくれるケースがあるかもしれません。

また、努力次第で対応できる業務範囲も増えていくでしょう。

ただし、上司や同僚などとの人間関係が原因だと、努力しても問題を解決できる保証はありません。

人間関係によるストレスが大きい場合は、決して無理をせずに新しいアルバイト先を探すことも検討してください。

店長や上司が怖い

店長や上司、先輩が怖いことが原因で、アルバイトを辞めると切り出せないケースも多くあります。

特に、店長や上司の気性が荒く、怒りっぽい性格の場合は、不安に感じる方も少なくないでしょう。

仕事を辞めると伝えても、ひどい言葉を浴びせられたり、退職を認めてくれなかったりするケースが考えられるからです。

しかし、辞めるべき正当な理由がある場合は、速やかに店長や上司などの責任者に相談することが先決でしょう。

事情を説明し、納得してもらえるように話し合いを進めてください。

アルバイトを円満に辞めるポイント

アルバイトを円満に辞めるためには、伝えるタイミングや内容がとても大切です。

間違った方法で退職の意思を伝えてしまうと、それまで良好な関係を築いてきた職場の方たちとの人間関係にも悪影響を及ぼしかねません。

ここからは、アルバイトを円満に退職するために押さえるべきポイントを解説します。

なるべく1ヵ月ほど前に退職意思を伝える

民法では「退職する2週間前までに退職の意思を申し入れればよい」と定められているため、法律上では2週間前までに退職についてアルバイト先に伝えれば問題はありません。

ただし、シフトの作成や調整、スタッフの補充などの作業を考慮すると、退職したい時期から1ヵ月程度前のタイミングで伝えるのが望ましいケースもあるでしょう。

たとえばシフト制のアルバイトの場合は、翌月のシフト希望を提出するタイミングが目安と考えられています。

さらに、アルバイトの場合は、雇用契約の期間に定めのあるケースとそうでないケースがあります。

契約期間に定めのある場合は、就業規則に記載されている規定に従うのが原則です。

就業規則において、退職希望日の「1ヵ月前」や「2ヵ月前」のように独自のルールが定められているケースもあります。

このように、引き継ぎ作業や後任探しなどを考慮すると、なるべく早いタイミングで伝える方が円満に退職しやすいでしょう。

可能ならば繁忙期を避ける

円満退職を目指すのであれば、なるべく早いタイミングで伝えるだけでなく、できる限り繁忙期を避けて退職の意思を伝えることも意識してください。

アルバイト先の業種や業態によっては、繁忙期があるでしょう。

繁忙期のタイミングがあらかじめわかっている場合は、その時期を避けておくと、退職時にトラブルへと発展するリスクを回避できます。

新しいスタッフへの教育や引き継ぎをおこなうためにも、少しでも時間にゆとりのある時期を選ぶと、退職しやすくなるはずです。

アルバイトを辞めたあとに残された上司や同僚の負担軽減につながります。

退職理由はできる限りポジティブな内容を用意する

退職理由を伝える際は、アルバイト先に失礼のないように、納得してもらいやすい退職理由を準備することが大切です。

そのためには、できる限りポジティブな退職理由を考えておく必要があります。

「時給が低い」「職場に苦手な人がいる」「仕事内容が自分に合っていない」といったアルバイト先に対する不満をそのままストレートに伝えると、職場の人たちとの関係性が悪化し、円満退職しづらくなってしまうかもしれません。

さらに、給与や待遇に対する不満をぶつけてしまうと、改善するという前提で執拗（しつよう）な引き止めに遭うケースも考えられます。

辞めたい理由がネガティブなものであっても、本音と建前を使い分けて、可能な限り前向きな理由に置き換えてください。

ポジティブな退職理由の具体例は、次のとおりです。

上記のような理由であれば角が立たず、人間関係が悪化する心配もないでしょう。

アルバイトの退職に関する法的知識

原則として、アルバイトの退職や解雇についての取り決めは、正社員と同じです。

法律や就業規則に規定されているルールに従い、退職手続きを進めていきます。

アルバイトを辞める際の法律や就業規則の優先順位は、次のとおりです。

第六百二十七条　当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

引用元：民法｜e-Gov法令検索

民法上では、雇用期間の定めがない場合は好きなタイミングでいつでも退職を申し出ることができ、退職する2週間前までに退職の意思を伝えればいいと定められています。

ただし、就業規則において「退職前の1ヵ月前」のように退職を申し出る時期が定められている場合は、就業規則の内容が優先されるため、注意が必要です。

ただし、就業規則で定める時期が退職前の3ヵ月以上前と定められている場合は、日本国憲法第22条で定められた「職業選択の自由」に違反すると考えられます。

その場合は、労働基準監督署への相談を検討してください。

またアルバイトでも、契約社員のように雇用期間が定められている場合は、原則として契約期間中の途中退職はできません。

ただし、以下のようなケースでは、契約期間中でも退職できるケースがあります。

やむを得ない事情とは、次のようなケースがあります。

ただし、何をもってやむを得ない事情と判断するかは会社によって異なるため、事前の確認が必要です。

さらに、アルバイト先で遅刻や無断欠勤を繰り返したり、無断退職をしたりすると、法律上では損害賠償を請求される恐れもあります。

退職の意思を伝えずに仕事をバックレる行為は、トラブルに発展しないためにも避けるべきです。

【ケース別】アルバイトを辞めると言いづらい場合の上手な伝え方

アルバイトを円満に辞めるためには、店長や上司が納得するような退職理由を考えなければなりません。

ここでは、次の7つのケース別に、アルバイトを辞める際の上手な伝え方を紹介します。

入社して間もないとき

アルバイトを始めて間もないタイミングで退職する場合は、どのような事情があるにせよ、誰でも伝えづらいと感じるでしょう。

入社して間もないタイミングだとしても、職場の合意を得られれば、雇用契約期間中であっても退職は可能です。

また、入社後すぐに退職をした場合でも、働いた分の給与はもらえます。

退職時のトラブルを避けるためにも、退職の意思を伝えられないという理由で、仕事をバックレる行為は避けましょう。

入社して間もないタイミングで退職する場合は、次のような伝え方がおすすめです。

実際に挑戦してみたものの、仕事を継続するのが難しい旨を伝えることで、職場に納得してもらいやすくなります。

ただし、あくまでもアルバイト先ではなく、自分に非があるような伝え方をするように意識しましょう。

人手不足なとき

人手不足によって強い引き留めに遭う場合は、職場が納得せざるを得ないような退職理由を伝えていきましょう。

体調不良や家庭の事情などを伝えると、店長や上司からの理解を得やすくなるのでおすすめです。

人間関係が悪いとき

人間関係の悪さが原因で退職したい場合、退職理由をストレートに伝えてしまうと面倒な問題に発展する恐れがあります。

人間関係を理由にアルバイトを辞めたいと考える場合は、「一身上の理由」として伝えて問題ありません。

一身上の都合とは、「退職者本人の自己都合によるもの」という意味があり、結婚や出産、家族の介護などのように個人的な事情や家庭の事情が該当します。

具体的な伝え方は、次のとおりです。

一身上の都合と伝えても納得してもらえなさそうな場合は、職場の雰囲気と合わなかったと伝えてみましょう。

事を荒立てずに、円満退社できるはずです。

体調不良のとき

体調不良によって退職する場合は「やむを得ない事情」ととらえる職場も多いことから、即日退職できるケースもあります。

退職を検討している場合は、職場から休職を提案されても、退職の意思を貫いてください。

体調不良を理由とする場合は、病院にかかっている旨をアピールするのが大切です。

自己判断ではなく、医師の診断のもと決断したと伝えることで、職場からの理解を得やすくなるでしょう。

学業に専念したいとき

学生の場合、学校の授業や試験、受験、就職活動などの理由から、アルバイトと学業の両立が難しくなるケースも多くあります。

シフトを減らしたり、短期的に休ませてもらったりなどの対策をしても両立できない場合は、なるべく早いタイミングで退職の意思を伝えるべきです。

退職する旨を伝える際は、曖昧に濁すのではなく、いつまでに退職を希望するかを明確に伝えましょう。

夢を追いかけたいとき

夢の実現に向けて退職する場合は、ポジティブな退職理由としてとらえられるため、ストレートに退職理由を伝えてください。

具体的に伝えることで、職場の方たちからの理解を得やすく、円満退職を実現しやすくなるでしょう。

退職を認めてもらえなさそうなとき

人手不足が深刻な職場や繁忙期では「人が足りていないから、辞められては困る」と引き留めに遭う恐れもあるでしょう。

しかし、いくら職場から強く引き留められても、労働者が退職する権利は法律で認められています。

執拗な引き留めに遭った際は、以下のポイントを押さえてください。

退職理由を伝えても職場が退職を拒否する場合は、一人で解決しようとせず、労働基準監督署に相談してみましょう。

退職を認めてもらえない・どうしても伝えられない場合

このように悩んでいる場合は、自力で対応しようとせずに、退職代行の利用を検討してみてください。

退職代行とは、退職希望者の代わりに退職の意思を伝えてくれるサービスです。

代行業者の運営元には、大きく分けて次の3つがあります。

運営元によって受けられるサービス内容は、次のように異なります。

運営元	民間企業	労働組合	法律事務所
退職意思の伝達	○	○	○
退職手続きや会社とのやり取りの仲介	○	○	○
退職日や有給消化に関する交渉	×	○	○
訴訟や裁判への対応	×	×	○
費用相場	1～5万円程度	25,000円～3万円程度	5～10万円程度

民間企業が運営する代行業者は、リーズナブルな価格で利用できる点が大きなメリットであるものの、対応できる業務が限定的です。

退職日の調整のように職場との交渉が必要な場合は、交渉ごとに対応できる「労働組合」や「法律事務所」が連携する代行サービスを選びましょう。

アルバイトを辞めるのを言いづらい方からのよくあるQ＆A

アルバイトを辞めると伝えづらいと感じる方たちから、よく寄せられる質問を紹介します。

アルバイトの退職はいつ・誰に・どうやって切り出す？

アルバイトを辞める際は、店長やマネジャーなど、職場における責任者に伝えましょう。

退職を切り出すタイミングは、退職希望の1ヵ月前が望ましいとされているものの、職場の就業規則に規定がある場合は、指定された時期までに退職の意思を申し出てください。

話の切り出し方としては、「話をする時間をもらいたい」と断りを入れたうえで、納得してもらえるような理由と退職希望時期を明確に伝えていくのがよいでしょう。

アルバイトを2日で辞めることはできますか？

アルバイト先から合意を得られれば、契約期間の有無に関係なく退職できます。

たとえ合意がなかったとしても、契約期間の定めがない場合は、退職希望日の2週間前までに退職の意思を伝えれば退職することに問題はありません。

万が一、契約期間がある場合でも、やむを得ない事情があると判断されれば、入社して間もないタイミングであっても辞められます。

やむを得ない事情とは、家庭や学業の都合や体調不良、そしてアルバイト先による過失があるなどのケースです。

アルバイトを辞める理由を言わなくてもいいですか？

アルバイトを辞める理由が転居や学業、体調不良などの個人的な事情の場合は、そのまま伝えた方がスムーズに退職できるケースもあります。

ただし、職場環境に対する不満や人間関係によるトラブルなどが退職理由の場合は、職場の方との関係が悪化してしまうかもしれません。

ネガティブな退職理由の場合は、包み隠さず話す必要はないでしょう。

アルバイトをバックレてもいいですか？

アルバイトを無断で辞める行為は避けてください。

無断退職は法律や就業規則に反するだけでなく、最悪の場合はアルバイト先から損害賠償を請求される恐れもあります。

制服や名札などの貸与品を返却せずに辞めてしまうと、業務上横領罪が適用されるため、正しい方法で退職手続きを進めなければなりません。

バックレたいと感じるほど精神的に追い詰められている場合は、退職代行の利用も検討してみましょう。

さいごに｜アルバイトを辞めると言いづらいならプロの力も借りて

アルバイトの退職意思を伝える行為は、多くの方が躊躇してしまうものです。

入社して間もない場合でも、やむを得ない事情があったり、アルバイト先との合意が得られたりすれば退職できます。

辞めたいと思っていても伝えられない日が続けば続くほど、精神的なストレスはどんどん大きくなってしまいます。

本記事を参考にして、退職意思の伝え方や円満退職するためのポイントを押さえて、勇気を出して伝えていきましょう。

退職意思を自力で伝えられないと悩んでいる方や職場から執拗な引き留めに合って困っている方は、退職代行の利用を検討してください。

退職代行Jobsは、顧問弁護士監修のもと、労働組合とも連携して退職代行サービスを提供しています。

職場との交渉ごとにも対応しているため、退職日の調整や有給休暇の取得、未払い賃金などが必要な方でも安心して依頼できるでしょう。

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