「退職後の給付金にはどんな種類がある?」
「自分がもらえる給付金の種類は?」
退職後、次の仕事が決まるまでの間、もらえる給付金がわからない方は少なくありません。実際に、給付金にはさまざまな種類があります。
本記事では、退職後にもらえる給付金の種類と具体的な内容について解説します。
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目 次
退職後にもらえる給付金まとめ一覧!
退職後にもらえるものとして該当する以下の給付金を紹介します。
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自分がもらえる給付金はどれに該当するのか、申請するまえにきちんと把握しておきましょう。
①退職後にもらえる給付金:失業保険
失業保険は、別名「失業手当・失業給付」ともいわれる給付金です。現職を退職したあとに受け取れます。転職するまでの生活費を、国から支給してもらえるという制度です。
失業保険の受け取り条件
失業保険を受け取る場合、以下の条件を満たす必要があります。
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つまり、妊娠や出産・育児などにより休職中の人、ケガや病気などで入院している人は受け取れないため注意してください。
失業保険で受給可能な金額
失業保険の受給額は、「給付日数×基本手当日額」の計算式にて算出可能です。基本手当日額は、以下の計算式にて算出します。
賃金日額(退職する6ヵ月前の賃金合計÷180)×所定の給付率(50~80%) |
失業保険は年齢によって上限額が決まります。受給を検討している方は、受け取れる条件に全て該当しているかを確認し、どれほどの金額を受け取れるかチェックしましょう。
失業保険の受け取り期間
失業給付が支給される期間は、原則として退職した日の翌日から数えて1年間です。ただし、引き続き30日以上働けない状態にある場合は、本人により延長手続きできます。
働けない状態の具体例は以下のとおりです。
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受給期間の1年間に、上記の事情が発生して30日間働けそうにない状態のとき、延長手続き可能です。
給付が制限される2ヵ月間と、直後の認定対象期間については、原則として2回以上(3ヵ月は3回以上)の求職活動をおこなった実績が必要です。
参考:ハローワークインターネットサービス 失業の認定|厚生労働省
②退職後にもらえる給付金:求職者支援制度
求職者支援制度とは、就職を目指してスキルを身につけるために、国が給付を支給する制度です。失業保険を受給できる条件に該当しない人で、かつ就職できない人のみに適用されます。
求職者支援制度の仕組み
求職者支援制度に加入すると、職業訓練の受講給付金が月10万円受け取れます。再就職に向けて、公共職業訓練または、民間の求職者支援訓練が受けられる制度です。訓練にかかる受講料は無料のうえ、再就職に向けた資格取得や就職サポートを受けられます。
求職者支援制度の対象者
求職者支援制度の受給対象者は、以下のとおりです。
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申請を考えている方は、上記の証拠を揃えたのち提示しましょう。
求職者支援制度の利用条件
求職者支援制度の対象者に該当し、正式に申請する場合は以下の条件を満たす必要があります。
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最後の項目であるハローワークの認定は、上記の項目にある5つの条件を満たしていれば、ほとんどの場合で認定されます。しかし、各自治体で対応が異なるため、申請を検討している方は近くのハローワークで確認してみてください。
③退職後にもらえる給付金:求職者支援金融資制度
求職者支援金融資制度は、月10万円を受給できる求職者支援制度では余裕がない方に向けたものです。具体的に解説していきます。
求職者支援金融資制度の仕組み
求職者支援資金融資は、あくまでも借金する人が利用できる融資です。返済が必要であり、免除される制度はありません。自分自身に、返済能力があるかどうかが問われます。
また、借金できる額は世帯によって異なります。世帯別の借金可能な金額は、以下のとおりです。
世帯 | 借金可能額(円) |
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ともに生計を立てている配偶者
(同居・別居いずれも該当) |
最大で月10万×受講予定の訓練月額(最大12ヵ月) |
単身者など上記以外の世帯 | 最大で月5万×受講予定の訓練月額(最大12ヵ月) |
制度の利用を検討している方は、該当する世帯を把握して、どれくらい借金できるかを確認しましょう。
求職者支援金融資制度の対象者
求職者支援金融資制度の対象者は、以下の2点です。
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上記の対象に該当しない方は、利用できないので注意が必要です。
求職者支援金融資制度の利用条件
対象者に該当していても、以下の利用条件に当てはまらなければ、求職者支援金融資制度を利用できないため注意してください。
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上記の項目にひとつでも該当しない人は、対象者であっても利用不可能です。あらかじめ把握しておきましょう。
④退職後にもらえる給付金:広域求職活動費
広域求職活動費は、ハローワークの紹介で遠隔の求人事業所を訪問し、求人者と面接等をした場合に支給される費用です。具体的に解説していきます。
広域求職活動費の仕組み
広域求職活動費に対し、厚生労働省では以下のように定義しています。
東日本大震災の被災求職者の方が、公共職業安定所(以下、「安定所」と言います。)の職業紹介により遠隔地にある求人事業所を訪問して求人事業主との面接や事業所の見学を行う場合、一定の条件の下で広域求職活動費(面接旅費相当)が支給されます。
費用は、自身の居住地から求人事務所までの交通費や、移動先での宿泊費などが該当します。
広域求職活動費の対象者
厚生労働省では、広域求職活動費を受け取れる対象者を以下のようにまとめています。
- 被災地域(青森県・岩手県・宮城県・福島県・茨城県の災害救助法指定地域)において就業していた方であって、震災により離職を余儀なくされた方
- 被災地域の事業所の学卒内定取消者
- 被災地域内で就職することが著しく困難な被災地域居住者
- 雇用保険受給資格者(待期又は給付制限の期間の経過後の方)
おもに、被災を受けた人たちが働けるために設けられた制度です。
広域求職活動費の利用条件
広域求職活動費を受け取れる条件としては以下のとおりです。
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上記ふたつの条件を満たした人のみ受給可能です。また支給される費用額に関して、バスなどの交通量は4分の1kmをもって、鉄道1kmに換算されます。
⑤退職後にもらえる給付金:就職促進給付金
就職促進給付金は、早期の再就職を促進させるための給付金です。就職促進給付金には4つの種類があり、仕組みや受給対象者がそれ異なります。以下で、それぞれ解説していきます。
就職促進給付金の仕組み
就職促進給付金に含まれる種類は、以下の4つです。具体的な仕組みとともに解説します。
就職促進給付金の種類 | 具体的な仕組み |
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再就職手当 |
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就業促進定着手当 | 転職後、前職よりも収入が下がったときに受け取れる給付金 |
就業手当 | 契約期間が1年未満の非正規雇用で再就職が決まった際に受け取れる給付金 |
常用就職支度手当 | 就職困難な人が、1年以上の安定した雇用を見込める職業へ転職したときに受け取れる給付金 |
それぞれ受け取れるケースが違うため、申請するまえに該当する給付金を調べておくとよいでしょう。
就職促進給付金の対象者
それぞれの就職促進給付金が受け取れる人の対象者を解説します。以下の表で記載した、全ての対象を満たしている方のみ受け取り可能です。
就職促進給付金の種類 | 受給できる対象者 |
---|---|
再就職手当 | 早期再就職により、失業保険の受給が止まった人 |
就業促進定着手当 | 転職後の日給が前職と比べて低い人 |
就業手当 | 失業保険を受給している人 |
常用就職支度手当 |
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就職促進給付金は種類が多く、それぞれの条件も異なります。自身がどの給付金を受け取れるかを確認したい方、いまいちよくわからない方は、近くのハローワークへ相談してみてください。
再就職手当の受け取り条件
再就職手当を受給するには、以下8つの条件を満たす必要があります。数が多く、ややこしくなるので入念に確認してください。
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上記で挙げた条件に該当しているかを事前にチェックしておきましょう。
⑥退職後にもらえる給付金:未払賃金立替払制度
未払賃金立替払制度は、勤め先が倒産し、社員へ給料が支払われていないときに利用できる制度です。自身が勤めている会社の経営が危うい場合、早めに調べておくのをおすすめします。
未払賃金立替払制度の仕組み
未払賃金立替払制度で支給される給付金は、1ヵ月分の月収または退職金をもとに算出されます。保証される期間は、職場が倒産する半年前と、倒産が認められてから1年半の合計2年間です。
請求したのち、およそ30日後に支払われます。また、当制度で支給される未払賃金は、上記の期間を過ぎると受け取れなくなるため注意が必要です。
未払賃金立替払制度の対象者
未払賃金立替払制度は、以下の項目に該当する方が対象です。
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申請するまえに、自身が対象かどうかを確認しておきましょう。
未払賃金立替払制度の利用条件
未払賃金立替払制度を利用する条件としては、以下の2点が挙げられます。
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勤め先が倒産してしまうと、転職先が決まらない限り、収入が途絶えてしまいます。倒産の危機がある場合は、速やかに申請する体制を整えましょう。
⑦退職後にもらえる給付金:傷病手当金
傷病手当金は、ケガや病気により心身の健康に異常をきたし、働ける状態にないときに支払われる給付金です。それぞれの項目ごとに解説します。
傷病手当金の仕組み
失業手当と傷病手当は、どちらか一方しかもらえません。そのため、傷病手当を受け取る際は、失業保険の受給はストップされます。
双方の金額に差はありませんが、失業手当は「働く意思がある人」「体調に問題がない人」が受給条件です。30日以上働けそうにない場合、どちらを受け取るか、早めに選択しなくてはいけません。
傷病手当金の対象者
傷病手当金の受給対象者は、以下のとおりです。
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上記全ての項目を満たしている方のみ、傷病手当を受け取れます。しかし、受給には次項の利用条件を満たす必要もあるため、必ずチェックしておきましょう。
参考:病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)|全国健康保険協会
傷病手当金の利用条件
傷病手当を受給したい場合は、以下の条件を満たしている必要があります。
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現在、ケガや病気で働けない状態にあり受給を検討している方は、今のうちに条件まで把握しておきましょう。
⑧退職後にもらえる給付金:特例一時金
特例一時金は、「短期特例被保険者」であった方が失業した際、支給される給付金です。
特例一時金の仕組み
特例一時金は、「短期特例被保険者」が失業の認定を受けた時点で、名前のとおり一度しか受け取れません。短期特例被保険者とは、4ヵ月以内の期間のみ雇用される人、または1週間の勤務時間が30時間未満の人を指します。
働き方によっては、「短期特例被保険者」に該当するケースがあります。自身に該当するかを知りたい方は、事前にチェックしておきましょう。
特例一時金の対象者
特例一時金の受給対象者は、以下のとおりです。
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ただ、退職日が2019年8月1日以降の場合、厚生労働省により以下の規定が定められています。
賃金の支払いの基礎となった時間数が80時間以上の月を1か月として計算する場合がある。
また、失業状態にある人とは、以下の意味合いを指します。
離職し、「就職したいという積極的な意思といつでも就職できる能力(健康状態・家庭環境など)があり積極的に求職活動を行っているにもかかわらず、就職できない状態」にある方をいいます。
特例一時金の受給を考えている方は、最低限働く意思を強くもっておくとよいでしょう。
特例一時金が受け取れない人
特例一時金は、上記の対象に該当すれば受給可能です。しかし、以下の項目に当てはまる場合は、受け取りができません。
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特例一時金は、あくまでも「再就職に向けた人」を支援する制度です。働く予定がない方は受け取れないため注意しましょう。
退職後に給付金が受け取れない人とは?
退職後に受け取れる給付金ですが、なかには受け取れないケースもあります。失業手当を見本に、以下で受給できない人の具体例を挙げていきます。
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給付金対象外に該当する人は、上記のように13もの項目が存在します。多くの項目があり、また一つひとつが複雑です。受給申請をおこなうまえに、自身が上記の項目に該当していないかをチェックしておきましょう。
参考:③次のような方は、原則として求職者給付の支給を受けられません|厚生労働省
給付金の受給手続きの流れ
以下に給付金の受給手続きの一例を紹介します。「退職後に給付金が受け取れない人とは?」と同様、失業手当を例に解説するので、受給希望者は参考にしてください。
求職の申し込み・受給資格の決定
手続き希望者本人が、必要書類を持参のうえハローワークにて申請します。提出書類を確認し、受給資格の有無を決定します。
おもな必要書類は、以下のとおりです。
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ハローワークへ向かうまえに、忘れ物がないかを必ずチェックしましょう。
雇用保険に関する説明会の実施
受給資格者証ならびに必要書類を受け取ってください。書類を受け取ったのち、、雇用保険の受給手続きの進め方と、就職活動についての説明がおこなわれます。
待機満了・給付制限
待機満了とは、待機期間が満了したことを指します。待機期間とは、退職後に失業期間が7日経過するまでの期間です。待機期間中は、基本手当を受け取れません。
また、給付制限は「失業保険の受け取り期間」にて解説したように、自己都合などで退職した場合にかかる制限です。給付に制限がかかっている方は、待期期間満了後の2ヵ月間、基本手当が支給されません。
失業認定
認定日ごとに、受給資格者証と失業認定申告書の提出が必要です。認定日ごととは、原則として4週間に1回を指します。労働の有無や、求職活動の実績などを確認し、都度失業の認定をおこないます。
給付金の振り込み
失業認定を受けた日数分の給付金が、自身の口座に振り込まれます。金融機関によりますが、約1週間ほどかかるため注意ください。
転職活動
失業手当の受給期間中に、転職活動をおこなってください。早期に就職できた際は、「⑤退職後にもらえる給付金:就職促進給付金」で解説した、以下4つが受け取れる場合があります。
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また、認定日以外でも職業相談や求人閲覧が可能です。求職活動を積極的におこなえば、自分に合った働き口に出会えるでしょう。
まとめ|退職後に受け取る給付金の申請を忘れずに!
退職後の給付金を受け取る際は、ケガや病気などがない限り、積極的に転職活動をおこなうのをおすすめします。理由として、支給期間に制限があるのにくわえて、積極的な求職活動も認定対象に入るためです。もとの職場に再就職しても問題ありませんが、新たな道へ進んでみてもよいでしょう。
給付金制度を利用すれば、退職後に次が決まらなかったとしても、経済的な支援が受けられます。自身が、どの給付金を受給できるか、また受け取れない人の項目に該当していないかを入念にチェックしてください。