ストレスで退職したい…スムーズに辞めるコツ・トラブル対処法を解説

今の仕事や職場で強いストレスを感じる方のなかには「ストレスを理由に退職できる？」と疑問に感じている方もいるのではないでしょうか。

ストレスは、睡眠不足や倦怠（けんたい）感、自律神経の疾患など、心身に大きな支障をきたす恐れがあるため、早めに対処することが重要です。

ストレスがたまっている状態であれば、ストレスの原因を明確にするのはもちろん、ストレスを軽減する手段がないかを模索していきましょう。

本記事では、ストレスが退職理由として認められるかを詳しく解説します。

退職理由を伝える際のポイントや、退職時に起こりやすいトラブルと対処法も紹介するので、これから退職を検討している方や仕事によるストレスに悩まされている方はぜひ参考にしてください。

ストレスは退職理由として認められる？

結論から伝えると、過度なストレスやストレスによる体調不良は、退職理由として認められます。

日本では、労働者が退職を希望する場合、自由に退職できるためです。

日本国憲法では、次の2つを定めています。

つまり、従業員の退職を拒否して拘束し続けることは禁止されているだけでなく、職業を選択する自由が保障されているため、雇用主は労働者からの退職の申し出を受け入れなければなりません。

いかなる場合でも会社は退職を認める必要があるため、退職理由が明確でない場合でも退職できます。

厚生労働省の調査結果によると、2021年度における仕事に対して強い不安や悩み、ストレスを感じる労働者の割合は53.3％でした。

ストレスを感じている労働者のうち、以下の項目に強いストレスを感じているとわかりました。

項目	割合
仕事の量	43.2％
仕事の失敗、責任の発生など	33.7％
仕事の質	33.6％
対人関係（パワハラ・セクハラを含む）	25.7％
会社の将来性	20.8％
役割・地位の変化など（昇進、昇格、配置転換など）	17.9％
顧客、取引先などからのクレーム	17.7％
雇用の安定性	11.9％
事故や災害の体験	1.9％
その他	11.6％

このように、多くの人たちが仕事を通して強いストレスを感じています。

無意識のうちにストレスをため込み過ぎていないかを判断するためにも、次のような異変が見られないかをチェックしてみましょう。

このような体に異変がある場合は過度なストレス状態にさらされている恐れがあり、仕事だけでなく私生活にも悪影響を及ぼしかねません。

退職も視野に入れながら、ストレスの解消方法を模索してください。

退職理由はどう伝えたらいい？

ストレスやストレスによる体調不良によって退職を決意した場合、退職理由は「一身上の都合」、もしくは「体調不良」で問題ありません。

退職理由としてよく使われる一身上の都合とは、自分の身の上や境遇に関する個人的な都合のことです。

具体的には、転職や身内の介護や世話、結婚、離婚など全てを含みます。

ストレスや体調不良なども一身上の都合に該当します。

もしも上司などから詮索を受けた場合は「引き止められない最強の退職理由を7つ紹介！しつこい上司への対処法も5つ紹介」を参考に回避しましょう。

なお、一身上の都合を理由に退職してしまうと、自己都合での退職としてみなされてしまうため注意が必要です。

ストレスや体調不良の原因が職場でのいじめやパワハラ、違法な長時間労働だった場合は、会社都合の退職となります。

自己都合退職と会社都合退職では、失業給付金と退職金について大きな違いがあります。

		自己都合退職	会社都合退職
失業給付金	給付開始日	失業保険の受給手続きを行った日から7日間経過し、さらに2〜3ヵ月間の給付制限期間を経た後	失業保険の受給手続きを行った日から7日間を経過した後
	給付日数	90日から150日	90日から330日
退職金		減額されるケースあり	全額支給される

失業給付金を受給できるタイミングや給付日数に違いがあり、自己都合退職の場合は退職金が減額されるケースもあります。

従業員の退職理由が自己都合退職か会社都合退職なのかを最初に判断するのは、会社です。

会社は、退職理由を記載した離職証明書をハローワークに申請します。

後日発行される離職票に記載されている退職理由に納得できない場合、労働者はハローワークに異議申し立てができます。

穏便に退職するためにしておくこと

職場を円満退職するため、事前に準備しておくべきことを紹介します。

あらかじめ社内外の窓口に相談する

ストレスや体調不良によって退職を検討している場合、まずは社内外の相談窓口に問い合わせてみてください。

会社によっては、産業医やカウンセラーなどによるカウンセリングを実施しています。

相談を受ける人物には職業上守秘義務があるため、相談内容を職場や上司などに口外することはありません。

専門家に職場のありのままの状況を伝え、何にストレスを感じているかを客観的に判断していきましょう。

職場で相談しづらい場合や相談場所がない場合は、以下の相談窓口を利用してください。

上記以外にも、都道府県や各種団体が運営する相談窓口が全国各地に設置されています。

決して一人で抱え込まず、誰かに相談するのが大切です。

解決策が見いだせない場合は、本格的に退職に向けて行動していきましょう。

就業規則を確認し、申し出のタイミングを調整する

就業規則とは、従業員の賃金や労働時間などの労働条件、職場内の規律などを定めた会社のルールブックのようなものです。

この就業規則には、原則として退職を申し出る時期や会社都合退職となる条件、業務の引き継ぎなどについても規定されています。

退職を申し出るタイミングは、法律上退職希望日の2週間前までとされています。

就業規則は法的拘束力がないため、2週間以上前に申し出る必要があると規定されていても、法律が優先されます。

しかし、後任の確保や引き継ぎの時間を設けるために、可能な限り就業規則に記載されている期間内に退職を申し出るようにしましょう。

医師の診断書を受け取っておく

体調理由を理由に退職する場合、診断書の提出は必須ではありません。

雇用期間の定めがない正社員の場合は本人の意思とタイミングで退職を決められるため、診断書がなくても辞めることができます。

ただし、退職時に執拗（しつよう）な引き止めに遭いそうな場合や退職を受け入れてもらえない場合は、体調不良の具体的な症状や発症時期、原因などを説明しなければなりません。

このときに、医師からの診断書があれば、従業員本人から口頭で説明するよりも会社や上司にわかりやすく伝わり、信ぴょう性も高まります。

会社都合による退職として処理するためには、医師からの診断書を提出したほうが確実です。

ストレスや体調不良を理由に通院している場合は、担当医師から診断書を書いてもらいましょう。

会社を円満にストレスなく退職するポイント

退職時にトラブルに発展しないためにも、円満にストレスなく退職するポイントを解説します。

切り出す時期やタイミングを考慮する

職場や上司に退職する旨を理解してもらうためにも、退職を切り出す時期やタイミングを考慮する必要があります。

退職のタイミングが調整できる場合は、会社の繁忙期をなるべく避けるほうがいいでしょう。

お互い精神的に余裕のある時期に話をすることで、退職の意思を尊重してもらいやすくなります。

また、退職を切り出すときは、上司のスケジュールや都合をチェックして、話す時間を確保してもらうことも大切です。

話を切り出す場所は、なるべく一対一で落ち着いて話ができる会議室や接待室などの個室を選んでください。

法律上では、正社員の場合は退職日の2週間前までに申し出れば自由に退職できると定められているものの、一般的には遅くても退職日の1ヵ月前までに申し出るのがマナーとされています。

やむを得ない事情で退職する以外は、1〜2ヵ月前のタイミングで退職を切り出しましょう。

辞める理由や意思を明確にする

会社や上司に退職を受け入れてもらうためには、納得できる退職理由を伝える必要があります。

ストレスや体調不良を理由に退職する場合は、体調不良であることを証明するために医師の診断書を提出するのがおすすめです。

人手不足や繁忙期の職場の場合は、なんとか仕事を続けてほしいと執拗に引き止められるケースもあるかもしれません。

退職を思いとどまるよう説得されても、退職に対する強い意思を持ち続けることが大切です。

何をいわれても動じない強い気持ちを持って、退職の意思を伝えていきましょう。

退職時に起きやすいトラブルと対処法

退職する際によく起こりやすいトラブルと対処法を詳しく解説します。

退職届を受け取らない

退職届を上司が受け取ってくれない場合でも、退職は可能です。

退職を伝える際は、退職届を渡すだけでなく、口頭で伝えた場合も同様に申し入れをしたとみなされます。

そのため、受け取りを拒否されても、退職の引き止めは認められず違法となるのです。

労働者には退職の自由が認められており、雇用主は労働者の退職を拒否できません。

民法第627条には、正社員のように雇用期間の定めがない無期雇用契約の場合、退職の意思表示から2週間で雇用契約を終了できると定められています。

つまり法律上では、退職日の2週間前までに退職を申し出れば自由に退職できるのです。

一方で、契約社員や派遣社員のように契約期間に定めがある有期雇用契約の場合は、原則として契約期間中の退職は認められていません。

しかし以下の条件を満たす場合は、いつでも退職できると定められています。

やむを得ない事情とは、労働者本人の体調不良やけがをはじめ、家族の世話、介護などが該当します。

その他にも、職場でのパワハラやいじめ、不当な長時間労働などの会社側の過失が認められる場合も、やむを得ない事情となります。

直属の上司が退職届を受け取ってくれない場合は、さらに上の上司や人事権のある人に相談してみましょう。

それでも受理されない場合は、内容証明郵便を使って退職届を郵送してください。

会社が内容証明を受け取ったことで、退職の意思を示したことが認められます。

損害賠償請求を匂わせる

退職の意思を伝えた途端、会社から損害賠償を請求されるケースもあります。

ただし、日本国憲法では職業選択の自由が保障されているため、会社側は損害賠償請求によって従業員の退職を妨げることはできません。

たとえ脅されても、気にせずに退職届を出してください。

しかし、次のようなケースの場合、退職時の状況によっては損害賠償を請求されるケースがあります。

上記のように、従業員による債務不履行や不法行為があった場合は、退職時に損害賠償請求の対象となる恐れがあるため注意してください。

会社から損害賠償請求すると脅されている場合や実際に損害賠償を請求された場合は、弁護士や労働基準監督署など専門窓口に相談してみましょう。

懲戒解雇扱いにする

「退職するなら懲戒解雇扱いにする」と脅すのも違法行為です。

懲戒解雇とは、会社が従業員との労働契約を一方的に解約できる処分のことです。

懲戒解雇は、懲戒処分のなかで最も重たく、離職票に「重責解雇」と記載されて経歴に大きな傷がつくほど、労働者にとって不利益な処分です。

懲戒解雇とされてしまうと、退職金の不支給、もしくは減給を伴うケースが多くあります。

懲戒解雇として処分されるのは、明らかな犯罪行為や就業規則違反が認められる場合のみです。

懲戒解雇扱いにすると脅されて退職できない場合は、労働基準監督署に相談してください。

有給や退職金・未払い賃金を出さない

退職の意思を伝えたら「有給休暇を消化させない」と脅されるケースもあるでしょう。

ただし、有給休暇の取得は労働基準法によって労働者に認められた権利であり、会社都合で取得させないのは明らかな違法行為です。

また、退職を理由に未払い賃金や退職金の支払いに応じてもらえないケースも少なくありません。

しかし、すでに発生している給与を支払うのは会社に課せられた義務であるため、いつ退職するにしても受け取る権利があります。

退職時に給与を受け取れなかった場合、退職後に請求できます。

シフト表や業務日報などの証拠となる資料、給与明細書や雇用条件通知書などを準備してください。

会社との話し合いで解決しない場合は、労働基準監督署に相談すれば、指導勧告してもらえます。

それでも支払いに対応してもらえない場合、弁護士に相談して対応策を検討しましょう。

離職票を発行しない

離職票とは、離職したことを証明する公的な書類です。

退職後に失業状態となり、失業手当を受給する場合にハローワークへ提出しなければなりません。

会社に退職の意思を伝えたら「離職票を発行しない」と圧力をかけられるケースもあるようです。

失業保険を受け取れないようにさせて、在職を強要する職場もあります。

会社から離職票を発行してもらえない場合は、ハローワークに相談してください。

ハローワークは、会社に対して離職票の発行状況を確認し、発行を催促してくれます。

それでも発行してもらえない場合は、ハローワークの職権によって離職票を発行することも可能です。

労働者が被保険者でなくなったことの確認がとれれば、ハローワークが離職票を交付してくれます。

なるべく会社とやりとりせずに辞める方法はある？

ストレスや体調不良に苦しんでいる方のなかには「なるべく早いタイミングで仕事を辞めたい」「職場に出向かずに退職したい」と考える方も多いでしょう。

会社とのやりとりを最小限に退職したい場合は、自力で退職を目指すのではなく、退職代行の利用を検討してみてください。

退職代行とは、依頼者の代わりとなって退職の意思を会社に伝える代行サービスです。

退職にかかわる手続きを全て代行してくれるため、職場に出向いたり、やりとりしたりする必要がありません。

退職代行を利用するメリットは、次のとおりです。

職場や仕事によるストレスで退職したい方にとって、退職時の引き止めや嫌がらせなどの心的負担を軽減できるのはとても大きなメリットといえるでしょう。

代行業者によっては、依頼した当日中の退職に対応しているケースもあります。

すぐにでも仕事を辞めたい方は、退職代行の利用がおすすめです。

ストレスなく会社を辞めたい方におすすめの退職代行業者3選

ストレスなく退職したい方に、おすすめの退職代行業者を紹介します。

紹介する業者は退職先との交渉ごとにも対応しているため、退職日の調整や有給休暇の取得、未払い賃金などの交渉ごとが必要な場合でも安心して依頼できるでしょう。

退職代行Jobs

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決済方法	・クレジットカード ・コンビニ決済 ・現金翌月払い（Paidy） ・銀行振込
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退職代行Jobsは、顧問弁護士による監修のもとサービスを展開する代行業者です。

労働組合とも連携しており、退職先との交渉ごとにも対応できます。

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退職日が決定してから支払えばよいので、初めて退職代行を利用する方でも安心して依頼できる代行業者といえます。

退職代行ガーディアン

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決済方法	・クレジットカード ・銀行振込
運営	東京労働経済組合
返金保証	なし
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対応時間	24時間
公式サイト	https://taisyokudaiko.jp/

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雇用形態や利用エリア、依頼者の年齢、そして依頼する案件の難易度に関係なく、一律24,800円で依頼できます。

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退職代行ガーディアンでは、過去に退職に失敗した例がないので、確実に退職したい方におすすめの代行業者といえるでしょう。

ストレスで会社を辞める際によくあるQ＆A

ストレスで会社を辞めたいと考える方からよく寄せられる質問を紹介します。

仕事を辞めたほうがいいサインは？

無意識のうちに強いストレスを感じている場合、次のような異変が確認できることがあります。

上記の症状に悩んでいる場合は、なるべく早い段階でメンタルヘルスを専門に扱う心療内科や精神科を受診しましょう。

退職時にやってはいけないことは？

退職時に会社とトラブルに発展しないためにも、次のようなことは避けましょう。

予期しないトラブルを防ぐために、退職後の転職先が決まっていても企業名は伏せておきましょう。

また、退職する際は職場や同僚に対する不平不満を伝えるのではなく、前向きな退職理由を伝えるのがおすすめです。

さらに、会社から退職しないように交渉されても、強い気持ちで退職の意思を伝え続けましょう。

会社を辞めるときに損をしない方法は？

会社を退職する際に最も損をしない方法は、退職日を転職先の入社日の前日に設定することです。

社会保険を切らすことがないので、切り替え手続きが不要となります。

また、退職にあたってボーナスをもらえるかはとても大切なポイントです。

ただし会社によっては、ボーナス支給後に一定期間は在職しなければならないケースもあります。

退職にまつわるルールを把握するために、会社の就業規則を確認しておきましょう。

さいごに｜退職代行でノーストレスな新生活を

仕事でストレスを感じている方は多く存在しています。

仕事を辞めたいと思うほどに追い詰められている場合は決して放置せずに、早いタイミングで対処しなければなりません。

体重の増減や睡眠障害、摂食障害、飲酒量の増加など、体調や生活習慣に変化があった場合は、精神科や心療内科を受診してください。

医師の判断によっては、休職や退職を勧められるケースもあるはずです。

職場で抱えているストレスから一日でも早く解放されたい方は、退職代行を利用してスムーズに退職手続きを進めていきましょう。

退職代行Jobsは、顧問弁護士が監修している退職代行サービスです。

労働組合とも提携しているため、退職先との交渉ごとにも対応しています。

まずはLINEの無料相談で、気軽に問い合わせてみましょう。