公的職業訓練(ハロートレーニング)のメリット・失業給付との関係・手続き

公的職業訓練(ハロートレーニング)のメリット・失業給付との関係・手続き

公的職業訓練(ハロートレーニング)のメリット・失業給付との関係・手続き

今の会社を辞めよう
違う仕事がしてみたい
もっとやりたい仕事がある!

と考え中の方でも、まだスキルや経験が足りないことが不安で、転職に踏み切れない方もいらっしゃることでしょう。

スキルや経験を積むには様々な方法があります

未経験でもOKという採用募集も沢山あるので、まずは実際に仕事に就いてみて、そこでスキルを学びながら実践していくのも一つの方法です。

専門的に学んだ知識や技術があるというのは、やはりその人自身の自信や強みになるので、憧れの職種がある方は、スクールなどでしっかり学ぶ機会を持つこともオススメです。

今回は、前回の労働保険の失業給付についての記事に続き、公的職業訓練(ハロートレーニング)のメリット、失業給付との関係、手続きについてまとめてみましょう。

公的職業訓練(ハロートレーニング)は、テキスト代だけで集中的体系的に専門技術が学べる魅力的な制度ですが、あまりよく知られていないようでもあります。

厚生労働省は、「職業訓練」という名称からうける堅苦しい印象を払拭するために、平成29年からは「ハロートレーニング」という可愛らしい愛称とロゴを作成して、その普及に努めているようなので、以降「ハロートレーニング」と呼びますね。

ハロートレーニング

ハロートレーニングとは、希望する仕事に就くために必要な職業スキルや知識などを習得することができる厚生労働省が所管の公的制度です。

職業訓練校は、国や自治体が主体となって運営しており、年間約30万人に利用されています。

近年は需要が増えていることもあり、各都道府県が専門学校や大学、民間の資格学校に委託する委託訓練も増加しています。

期間は2ヶ月から6ヶ月間のコースが一般的です。一部1〜2年間の長期コースもあり、そのなかには有料のものもあります。

機械加工技術、Webデザイン、経理や医療事務、パソコン技術など、多種多様なコースが用意されており、資格が得られるものも多くあります

上手く利用すれば、ご自身のスキルや仕事探しの選択肢が増えることでしょう。

テキスト代は有料ですが、受講料は基本的に無料で、受講者は、訓練機関に就職相談し就職先を紹介してもらうこともできます

まずは自分のキャリアプランを設計し、何を学ぶべきか、どんなスキルを身に付けるべきかを明確にした上で、各講座のパンフレットなどから情報を得て、講習内容の詳細を確認します。
その際、「希望する知識や技術を身に付けられるか」だけでなく、「無理なく通学できる場所に職業訓練校があるか」「訓練期間の長さ」なども忘れずチェックしておきましょう。
提供されているコースや訓練内容、日程などは、ハローワークの掲示板やパンフレットの他、厚生労働省や各都道府県のホームページなどにも掲載され、検索もできます

厚生労働省HP

独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構HP

受講したいコースが決まったら、応募前に職業訓練校の説明会に参加しましょう。

各職業訓練校では定期的に説明会が開催され、実習風景を見学したり訓練の概要を直接知ることが可能です。申し込みは直接訓練校に問い合わせるか、管轄のハローワークの相談窓口で行います。
訓練校の説明会に参加することは必須ではありませんが、「訓練校の環境や授業の内容について知ることができる」「やる気をアピールできる」というメリットがあります。

職業訓練の申込みにあたっては、ハローワーク窓口での申込み手続後、書類選考および筆記試験や面接を受けたのち、選考の上、受講が決定します。

自分が受けてみたいと思う講座が複数あっても、同時に併願することはできません。一度申し込みをしたら、結果を待つしかなくなります。

選考に落ちた場合はまたすぐ別のコースに応募することはできますが、大抵の場合は、スケジュール的に翌月の申込みになってしまいます。

受講したい訓練が決まっていない方は、希望の働き方について相談員に相談することで、どんなスキルや資格を取得すれば良いのか、どのコースを受講すれば良いのかを明確にしていくこともできます。

また、「受講開始日からさかのぼって1年以内に公共職業訓練を受講していないこと」が必須条件となり、いくつものコースを連続して受講する事はできないようになっています。

ハロートレーニングには、失業保険を受給している求職者を主な対象とする「公共職業訓練」と、失業保険を受給できない求職者を主な対象とする「求職者支援訓練」があります。

失業保険の受給の有無は、在職時に一定期間以上雇用保険に加入していたかどうかによって変わってきます。(→失業手当って、いつからいくら位もらえるの? 誰でももらえるの?もご参照ください)
ハロートレーニングは、求職中の方でなくても、働きたい人であれば誰でも利用することができ、在職者や高等学校卒業者の方などを対象とした高度な職業スキルや知識を習得するための訓練も実施しています(こちらは原則有料)。

公共職業訓練

主に失業給付を受給している求職者が対象で、失業給付を受けながら職業訓練を受けることができる制度です。

公共職業訓練には手に職を付けられる技術系のコースが多い傾向にあります。

具体的には、機械、電気、金属加工、建築設備などの現場系の技術を習得するコース、事務職に向けたパソコン・IT(CADやWEBデザイン)スキル関係、医療・介護福祉関係などが開講されています。

受講料が原則無料のほか、職業訓練を受講すると、以下のメリットがあります。

公共職業訓練中も失業給付が支給される
自己都合で離職しても、給付制限が解除される
失業認定日にハローワークに行かなくていい
求職活動の実績が不要になる
失業給付が終了しても、給付期間が延長される
受講手当が1日500円、最大2万円支給される
電車、バス、ガソリン代などの交通費も支給される

失業給付を受給するためには、自己都合で退職した場合には「給付制限」といって通常3ヶ月間は給付を受けることができません。

しかし、ハロートレーニングの受講が決まると、その給付制限が解除されて、すぐに失業給付を受給することができるのです。

また失業給付を受けるためには、お仕事探しをしたり面接の実績が必要だったり、毎月指定された失業認定日にハローワークに行って認定手続きをする必要がありますが、ハロートレーニング受講中は、必要な職業訓練中ということで、それらが免除されます。

また失業給付期間が90日であり、受講が決まったハロートレーニングが180日だった場合は、180日分まで失業給付延長を受けられる可能性があります。

ハロートレーニングに通う間は、受講手当を受け取ることができます。受講手当は日額500円で、最大40日分、合計2万円が支給されます。

職業訓練校まで通う際の、通所手当(交通費)も受け取れます。通所手当は上限が1ヶ月あたり4万2,500円。電車、バスなどの公共交通機関を利用する場合は一番安い経路の1ヶ月定期代分の金額が支払われ、車やバイクで通う場合も距離によって支給されます。

これらのメリットはかなり魅力的ですよね。
具体的には必ず、都度お近くのハローワークでご確認くださいね。

このように非常に魅力的なメリット満載のハロートレーニングですが、制度の目的が早期再就職の促進であるため、下記のように、失業保険の残日数によっては、申込みができない場合があります。関心ある方は、早期にお近くのハローワークに相談に行きましょう。

失業保険の所定給付日数 必要な残日数
90日 90日
120〜150日 120日
240日〜 150日

このように失業給付を受給しながら職業訓練を受けられるのは大変メリットですが、失業給付の受給額は前職の給与の2/3の額であり、かつ職業訓練中は訓練に専念して欲しいとの理由から、アルバイトなどで収入を得ることは規則で禁止されています。

もし、アルバイトなどで収入があった場合、訓練生はそれを報告する義務が発生し、収入があった日の失業給付は支給されません
つまり訓練中は収入を得る事はできず、失業手当のみで生活をしていくことを余儀なくされることにご注意ください。

求職者支援訓練

失業給付を受けていない方に向けた職業訓練です。失業保険の受給が終了した方も対象となります。
主に民間が行っている職業訓練校で、離職者訓練と同様、就職に必要な知識・スキルを習得するために無料で実施されています。

求職者支援訓練には、「雇用保険被保険者・雇用保険受給資格者ではない」「就労の意思と能力がある」「ハローワークに求職の申し込みをしている」「職業訓練が必要だとハローワークが認めた」などの受講要件が定められています。

職業訓練受講給付金として、月に10万円の手当と、加えて交通費が支給されるので、失業保険を受け取れない人にとっては生活面で非常に支えとなる制度でしょう。
しかし受給のための条件はかなり厳しいと言えます。

・本人収入が月8万円以下
・世帯全体の収入が月25万円(年収300万円)以下
・世帯全体の金融資産が300万円以下
・現在住んでいる所以外に土地・建物を所有していない
・訓練実施日に全て出席している(やむを得ない理由がある場合でも、支給申請の対象となる訓練期間の8割以上出席している)
・同世帯の中に同時にこの給付金を受給して訓練を受けている人がいない
・過去3年以内に、偽りその他の不正の行為により、特定の給付金の支給をうけたことがない

さらに講座には必ず出席しなければならず、遅刻や早退、欠席が1回でもあると支給されなくなります。
もちろん正当な理由があれば全体の出席の8割まで休むことは認められていますが、その際は必ず証明書類が必要になります。

在職者訓練

在職者訓練とは、主に中小企業の在職者を対象とした公共職業訓練のことです。

国が実施しているものは専門的な物作りの知識・技術を会得するものが多く、都道府県が実施しているものは初心者向けの訓練や、地域の実情に合わせた訓練を実施することが多いです。

具体的には、パソコン、簿記、営業、販売、介護、医療事務、ITなどが開講されています。
在職中の方が受講するということもあり、平日の夜や土日に多く開催されています。多くの場合、テキスト代の他に、1回数百~数千円程度の受講料がかかります。訓練期間は2~5日がほとんどです。

学卒者訓練

学卒者訓練とは、中学・高校の卒業者を対象にした有料の公共職業訓練のことです。学習内容の専門性ごとに普通課程、専門課程、応用課程と分けられており、それぞれ数十万円の入学金と年間授業料がかかります。
訓練期間は長く、普通課程の場合1~2年、専門課程・応用課程の場合2年と定められています。