会社をすぐ辞めたいけど退職金は支払われるのか心配な方へ 〜退職金の知識

会社をすぐ辞めたいけど退職金は支払われるのか心配な方へ 〜退職金の知識

会社をすぐ辞めたいけど退職金は支払われるのか心配な方へ 〜退職金の知識

「会社を辞めた時の退職金で…」などという話を聞いて、会社を辞める時には「退職金」というものがもらえるらしい、という知識がある方も多いでしょう。

最近では、キャリアアップのためや自分の能力をさらに活かせる仕事をするために、今の仕事を辞めて、転職したり独立する方が以前よりも増えていますね。

以前ほど、一度勤めた会社にずっと勤めるような事は減っていますね。

原因は人それぞれでしょうが、

退職したい…、退職して新たな生活を送るぞ! 

そういう気持ちを抱いた方が、退職の知識として気になることの一つに、退職金があると思います。

後数ヶ月勤務していれば、退職金の額がかなり変わったのに…とか、

会社を辞めたら退職金が支払われると思って安心していたのに、退職金が出なかった

自己都合で急遽退職したら、退職金が減額された

というような不測の事態にならないためにも、今の会社を辞めることを考え始めた方は、以前にまとめた年金や健康保険や税金のお話とともに、退職金についても知識を整理しておきましょう。

厚生年金・健康保険(社会保険)、税金については、以下の過去記事も是非ご参照下さい。
健康保険はどうすればいいの
年金手続はどうすればいいの
税金手続はどうすればいいの

退職金とは

「退職金」とは、一般的には、退職一時金ともよばれ、労働者が会社を退職した後、一括で支払われる金銭のことをいいます。

それが一般的ではありますが、退職金にも色々な種類があります。

その一つに、「企業年金」があります。

これは、国民年金や厚生年金にように国が定めた年金制度とは別に、各企業等が、一定の年齢に達した退職者に月々幾ら(または数ヶ月に幾ら)という形で、金銭を支給する制度です。

確定拠出年金と言われるものもこれにあたります。この企業年金と退職一時金は、併用されている会社やどちらかのみが採用されている会社があります。

その他にも、「前払い退職金」というものもあり、退職時にまとめて支払う代わりに、勤務中に給与や賞与に上乗せする形で支払われるものもあるようです。

退職時にまとまったお金をもらう事は出来なくなりますが、その代わりに早いうちから自由なお金が手に入るという労働者へのメリットや、会社としても、多額の退職金を積み立てておくよりも、資金運用のプランが立てやすいなどのメリットがあるのでしょう。

このような退職金は、勤務年数により退職金を増加させることにより継続勤務を促す効果があったり、会社への功労を讃える意味があったり、退職後の労働者の生活や老後の生活を支えるなどの様々な目的があります。

なお、退職金には所得税がかかりますが、通常の給与とは税率が違いますので、退職時に会社に「退職所得の受給に関する申告書」を提出しましょう。

もしくは、所得税の確定申告の時期にご自分で申告することもできます。

退職金は会社の任意

退職金の知識として、ポイントとなるのは、退職金とは、あくまでも、それぞれの会社が任意で定める制度である、ということです。

どういうことかというと、

会社がその会社の魅力や福利厚生として、就業規則に退職金規定を定めていれば支払う義務が発生するが、そもそも「うちの会社は退職金制度はありません」とすることも、会社の自由だということです。

これは、退職のための知識の一つとして前回の記事にまとめた「年次有給休暇」が、国が法律上定めた、使用者が一定の要件のもと必ず労働者に与えなければならない休暇であるのとは、大きく異なる点です。

有給休暇を申請したら、会社は断ってはいけない? 〜有給休暇の法的知識 の記事参照)

ですので、

「今会社を辞めたら、退職金はもらえるの?」とか
「退職金はいつ支払われるのか?」
「退職金はいくらになるのか?」

という疑問の答えは、シンプルに、

就業規則や労働契約書の規定の通りです

ということになります。

勤続年数が何年以上などの支払い条件や、その支払い方法、支払い時期などは、通常すべて就業規則等に記載されています。

なので、今の会社を辞めることを検討しているが退職金がどうなるのか気になる…という方がまずやるべき事は、就業規則や労働契約書をよく読むことです!!

就業規則等には様々な規定がありますが、通常内容ごとに章や項目にまとめられており、その中に、「退職」や「退職金」という項目があるはずです。

任意の制度ですので、残念ながら退職金規定がなければ支払われないのが通常ですが、稀に別文書となっている場合や明記はされていないけれども慣例として支払われている会社もありますので、すぐにあきらめずに、人事課や先輩などに確認してみると良いでしょう。

退職金の減額や不払い

このように、退職金とは法律上の義務ではなく、あくまでも会社が自社の魅力として任意に定める制度であるので、その有無・金額・支払い時期などは、会社が自由に就業規則等で定めるものですが、

任意の制度といえど、当然、就業規則等に明記されている以上は、その条件を満たせば必ず会社には支払う義務が生じます。

就業規則や労働条件は、会社と労働者との間の労働契約の内容を細かく記したものなので、会社の契約違反として責任をとうことが出来ます。

そして、会社を辞めること自体は労働者の自由ですから、規定の時期や手続き等の条件は守る必要がありますが、それらの条件を満たしている以上は、

会社の人員が足りない時に辞めた、とか
引継ぎの規定がない場合で引継ぎしないで辞めた、とか
辞めるなと言われたのに辞めた
有給休暇の消化でやり過ごして辞めた

などは、退職金を支払わない理由にする事は出来ません。

この点で、会社を辞めようか迷っている方が気になるのは、退職金の減額規定や不支給規定ではないでしょうか。

退職金が、会社が任意に定める労働契約の条件である以上、もちろん会社としては、どんな時にも必ず退職金を支払います、とは規定していないはずで、

「以下にあたる場合には、退職金は支払われない。」
「以下に該当する労働者には、○項の方法で退職金は減額される。」

などという、退職金の不支給や減額に関する規定があるのが通常です。

就業規定によりまちまちですが、退職届の不提出や、退職予告が遅れたこと、引き継ぎの不十分などや、競業他社への転職が、不支給や減額の規定に該当することがあるので、この点は要注意です!

細かいことに立ち入ると、そのような規定や減額や不支給が有効かについては、個々の事例によって様々な裁判例があります。

一般的には、弱い立場の労働者を保護し、会社の行為を制限する方向で解釈されやすい労働法問題ではありますが、退職金については、あくまでも、会社の任意の制度であるので、就業規則の規定がそのまま有効になることが多いとは言えると思います。

しかし、退職金が賃金の後払い的性質や功労への報酬という性質も備えていることから、不当な減額や不支給は、もちろん無効とされるケースもあります。

円満に退職金を支払ってもらうためには、まずは、就業規則等に従った形で退職するのが原則でしょう。

退職金に関する相談

就業規則に従った退職であったはずなのに、減額されたとか、会社が退職金を規定通り支払わない、などの心配や問題がある場合には、一人で悩まず、第三者へ相談することをお勧めします。

行政の相談機関としては、厚生労働省の管轄の各都道府県の労働局に、「総合労働相談コーナー」が設置されています。

ここでは、退職金に関する相談のほか、解雇・労働条件・セクハラ・パワハラなどに関するあらゆる労働問題に関する相談を受け付けています。

電話もしくは面接での相談が受けられる国民のためのサービスなので、労働問題で悩んだら、一人で抱え込んで心身を消耗することのないよう、早めにまずは相談してみてはどうでしょうか。

いやがらせや不当な扱いも、皆が黙ってそれを抱え込んでいるから、企業が改善しないでブラック化していることも多いように思います。

その他、各自治体での無料法律相談や法テラスにて、弁護士に相談することも手段の一つです。もちろん、個別の紛争に発展している場合には、信頼できる弁護士に相談して早期解決を図っていくことが望ましい場合もあるでしょう。

いずれにしろ、十分な退職金が支払われないかもしれないという不安を抱えて、もう働く意欲がなくなった会社にとどまり、益々元気を失うことにはならないよう、早めにどこかに相談し、一刻も早く、やり甲斐をもって仕事の喜びを取り戻す自分を目指しましょう。