すぐに退職は本当に可能なの? 〜法律と就業規則の関係と契約自由の原則

すぐに退職は本当に可能なの? 〜法律と就業規則の関係と契約自由の原則

すぐに退職は本当に可能なの? 〜法律と就業規則の関係と契約自由の原則

私たち退職代行業者は、日々、辞めたくても辞めづらい…、もうすぐにでも今の会社を辞めたい…という方々の声を聞いております。

自分の能力が発揮できる仕事とは、本来喜びであるはずですが、
今ある「仕事」のイメージを変えて、もっと仕事を楽しくする③もご参照ください)

高圧的な上司がいる職場や、当初言っていたのとは違う状態が続いているなど、もう今の職場での仕事は苦痛でしかなくなって、悩んでおられる方も多いのが実情です。
そんな方は、精神的にも余裕がなくなり、もうすぐにでも辞めたい!という状況にまで追い込まれてしまっている場合があります。

こんな時、すぐに辞めることは本当にできるのか?という疑問を、法律の規定や会社の就業規則の意味も交えながら、整理しておきましょう。

退職の自由とは

退職したくても出来ずに悩み、色々調べたりしている方はご存知かもしれませんが、労働者の意思による退職(辞職)は原則として自由です。

退職の自由とは、労働者がこの労働契約はもう辞めたい、と言ってるにもかかわらず、無理やり働かせ続けることは人権に反するということです。

これは、全ての公務員・法律・国民が守るべき憲法において、職業選択の自由(憲法22条)や奴隷的拘束の禁止(憲法18条)として保障されています。

人間の歴史上、権力を持つ者や経済力を持つ者達が、貧しい人たちを奴隷的に使用してきた過去がありますよね。

そのような苦い過去から、人間同士の間に支配被支配を許さず、

強制労働を廃して、労働は個人の意思に基づいて自由に選択できるべきことが、憲法上明文で保障されたわけです。

ここで、『自由』というと、何をしてもいいとか、やりたい放題みたいなイメージを持ってしまう方もいるかもしれませんが、決してそういうわけではありません。

人間が社会生活を営んでいる以上、相手方や周りの人との関係で生活が成り立っているわけですから、その人も尊重されるべきですが、他の人の生活も尊重されなければならないことは当然ですね。

憲法上も、個人の基本的人権は「公共の福祉に反しない限り」保障される(憲法12条・13条)として、個人が傍若無人に自由気ままになんでもしていいとは、されていません。当たり前ですが。

そんなことがまかり通れば、殺人し放題、泥棒し放題の世の中になりますもんね。

就業規則とは

基本的には、当事者間の利害関係は、その当事者同士で自由に決めればいいというのが、資本主義の考え方にあります。

我が国の民法もこの立場をとっており、これを契約自由の原則といいます。

ですので、雇用でいうと、場所はどこで、時間は何時から何時までで、給料はいくらで、お休みは何日といった条件は、基本的に両当事者の合意で決められます。

実際には、会社側の提示している条件をそのまま受け入れてサインする方が多いので、両者の合意で決めている実感がない方が多いかもしれませんが、

そもそも、自分の気に入らない労働条件を提示している会社の求人には応募すらしていないわけですから、

自分でこの会社に応募しようと決めたということは、その会社の提示した労働条件に合意しているということなんです。

実際、詳細の条件については面接しながら詰めていく方もいらっしゃいます。

気になる労働条件は、面接の段階できちんと話し合って、納得して雇用契約を結びましょうね。

そうして、最終的に採用が決まった時に、どのような条件で雇用契約関係に入ったのかを明らかにしておいた文書が、労働契約書や就業規則です。

ですので、休日の条件や給料支払いの条件や、退職する際の条件など、雇用にまつわる会社との約束事は、基本的にこれら労働契約書や就業規則に則ることになります。

法律とは

本来であれば、民事上の問題は、当事者同士が話し合って決めるのが原則です。

しかし、どうしても折り合いがつかない場合や、対等な話し合いにならない場合などの調整役として皆が守らないといけないのが法律です。

雇用関係においては、先ほども述べたように、支配者が経済的弱者に対して過酷な労働を強いてきたという歴史があったため、特に労働者の保護を目的として法律が制定されていたり、解釈されています。

例えば、労働者側からの退職の申し出(辞職)は、時期を除いて自由に認められますが、
使用者からの労働契約の終了(解雇)は、かなり制限されています。

会社の一方的都合によるリストラなどが制限されることには、ある程度意味があるでしょう。

雇用関係は、全くの対等ではなく、雇われる側が弱い立場であるため、保護を要するという前提があるのですね。

身分差別もなくなり、特に人手不足の今は、必ずしもそうとも言えなくなってきていますが、

労働を提供して対価をもらうという雇用関係では、使用者側が上の立場からモノを言うような関係は、今でも続いている会社が多いようですね。

他方で、たとえ退職の自由が認められているとはいえ、会社側の都合だってありますから、労働者からの一方的な退職についても、その時期について法律の規定があります

退職の意思を表示する時期については、法律上の規定のほか、労働契約(就業規則など)にも必ず規定があるはずです。

ですので、次に、退職に関わる法律上の規定と労働契約(就業規則)との関係も説明しながら、即日退社は本当に可能なのか、についてお話ししましょう。

退職の法律と就業規則

就業規則では、退職の意思表示は1ヶ月から2ヶ月前までにすることとなっているのが、通常です。

そして、民法627条1項では、「期間の定めのない」一般的な労働契約は、2週間前までに退職の意思表示をすることとなっております。

ここでいう「期間の定めのない雇用契約」とは、○ヶ月間とか○年○月○日まで、などと働く期間を特に定めたものではない雇用をいい、正社員・パート・アルバイトを問いません。多くの雇用契約はこれにあたるのではないでしょうか。

これに対して、「期間の定めのある雇用契約」や年俸制など「期間によって報酬を定めた場合」は、法律の規定が別になるので、最後に述べることにします。

ではこのように、労働契約(就業規則)の規定と法律上の規定が異なる場合は、どのように解されるのでしょうか。

労働契約においては、先ほど話した弱い立場の労働者を保護するという立法趣旨から、当事者の契約(就業規則)よりも法律の規定が優先されると解釈されるのが一般です。

契約自由の原則といえど、契約で自由にどんな労働契約にもできるとなっては、使用者が強い立場をいいことに、過酷な労働条件を労働者に課すことがまかり通ってしまうからですね。

だからと言って、就業規則に意味がないということにはならず、法律に抵触しない範囲で、会社と合意した就業規則は全て有効なので、お間違いなく。

退職の意思表示の時期に関しても、民法で定められた2週間より長い期間を定めた就業規則は、それだけの間労働者を拘束するよっぽどの理由がない限りは、法律が優先することになるでしょう。

よっぽどの理由とは、相当の専門スキルを要する職で、その人が辞めたら代わりに就ける人などなかなか見つかるわけがなくて、長期間の退職予告を会社が要求するのは当然と言えるような場合に限定されると思います。

即日退社は可能なのか

もう会社に行くのが辛くて仕方がないなど、すぐにでも会社を辞めたい多くの方が関心を抱いている即日退社。

就業規則よりも法律が優先するといっても、2週間前に退職の意思表示をすることになっているのだから、これは本当に可能なのでしょうか。

結論から言って、これは可能です。

例えば、明日からもう会社に行きたくないので会社を辞めます!という場合、まずは会社側と労働者が話し合って決めるのが、原則です。

そして、会社側がわかりましたと言ってくれたなら、何の問題もなく、即日退社が成立します。

退職代行業者が“即日退職可能”と述べているのは、そのためです。

確かに、本来であれば、就業規則に則って通常1ヶ月程度の予告期間を経過した後に退職するのが本来の在り方だとは思います。

しかし、会社側が合意してくれたら、それでOKなのです。

辞めたくても辞められない方の多くは、高圧的だったり話しにくい職場で困っていることが多く、そもそも退職の話を切り出せない方が多いです。

そんな時、第三者である退職代行業者が中に入ることで、意外とあっさりと会社側は退職の意思表示を受け取り、退職の手続きを始めてくれることがほとんどなのです。

まだ本人が我慢しながらでも働いている時には、ネチネチと小言を言っていた人も、いざ本人が退職すると決めたことを告げられると、もうどうしようもなくなるのですよね。

会社によっては、急に辞められる不都合さもあるため、難癖つけてくる場合もありますが、それでも前述のように、無理やり人を労働につかせることは、憲法上もできません

確かに、自分で退職を告げずに業者を介して話をしてくることは、社会人としてどうなんだと文句も言いたい気持ちはわかりますが、業者相手にそこを文句言っても、退職自体は成立するので、後は時間の無駄になってしまうのですよね。

もうその会社で働く意欲が無くなった労働者を無理に引き止めていても、会社としても得がないことが通常です。

欠勤扱いにして在籍させていても、その間会社はその人の社会保険費用を負担する義務がある等、経済的にも不利益なのです。

ですので、仕方がないですね…と退社手続きを進めてくれる会社がほとんどなのです。

あと、退職代行Jobsでは、有給休暇を利用してその2週間を過ごし、退職される方も多いです。

退職しづらい会社とは、有給を取りづらい会社でもあるのでしょう、有給休暇が未消化のまま残っている方は、この方法をとることで、事実上翌日から出勤しないで退職することができますね。

その他の雇用契約

いわゆる2週間ルールがあてはまるのは、期間の定めのない雇用契約です(民法627条1項)。
では、それ以外の雇用契約はどうなるのでしょうか。

まず、どの雇用契約でも、会社側が合意すれば、即日退社が成立することは同じです。

もし会社が合意をしぶったとしても、期間の定めのある雇用契約(有期雇用)の場合、1年経過後は、いつでも自由に退職することが認められています(労働基準法137条)。

あまり長く労働者を拘束しておくことは、やはり認められていないのですね。

1年未満の場合は、民法628条に規定があり、「やむを得ない事由」があるときは、直ちに契約の解除ができると規定されています。

ここでいう「やむを得ない事由」とは、親の介護が必要であるとか、心身の具合が悪いとか、引越しの予定があるとか、妊娠や育児など幅広く解釈されます。

最初にいっていたより残業時間が長い、職場が最初の場所とは違い遠すぎるなど、当初の約束とは異なる労働条件になっている場合なども含まれます。

一年未満の有期雇用の方で、会社を辞めたい方は、このような事由を会社に告げる必要があるので、ご自分の事由をまとめておくと良いですね。

その他、期間の定めがなくても「期間によって報酬を定めた場合」については、別の法律の規定があります(民法627条2項)。

いわゆる年俸制や月俸制の方ですが、これらの方は休日や残業なども適用ないことが多く、専門職や管理職の方にみられる雇用形態ですね。

そのような方達は、その期間の前半までに退職を申し入れることになっています。1月から12月の年俸制の方は6月末まで、1日から31日までの月報制の方は15日までというようにです。

これらの方達も、会社側が合意した場合には、いつでも退職できるという原則は変わりません。

ですので、事情があってその規定以外の時期に辞めたい場合には、どんな方でもやはり会社に申し入れて、事情を理解してもらい、なるべく早期の退社に合意してもらうよう、話をしていくことになるでしょう。

辞めたいなら早く行動

もうその仕事をしたくないのに、無理に仕事を続けることは、本人にとっても周りの人達にとっても、良いことはあまりありません。

もうこの仕事は自分には向いていないな、他にやりたいことがあるな、など今の仕事を辞めたい方は、なるべく早くに行動に出て、話をしていきましょう。

会社としても、その会社を好きで仕事に就いてくれる方にいて欲しいわけで、会社に情熱のない方に無理にいてもらっても仕方がないので、自分が思っているより、あっさりと話が進んでいくことが多いですよ。

どうしても話が切り出せない方は、第三者の力を借りてみてください。退職代行Jobsは、全ての人がやりがいのある仕事に就くことを応援しています。

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