これだけ退職代行サービスの需要が増えてきている背景には、会社を辞めたいけれど、辞めさせてもらえないケースが増えていることがあります。
今日本は、過去に例がないほど人手不足になっているようです。外国人労働者の人口も目に見えて増えていますね。
会社としては、事業を円滑に継続していくために、人員配置や社員教育を計画しているので、もちろん貴重な人材を失うのは痛手です。
だからといって、人生の大部分を費やす仕事という重大な場面においては、会社の立場に立って考えてばかりいて、自分の望みを抑えることになっては、何のための人生かわからなくなってしまいます。
あなたの大切な人生、思うように生きて欲しいです。
特に、心が弱っている時や本当にしたいことが明確でなく自信がない時は、明らかに自分のためになっていない仕事であっても、会社からの引きとめにあうと、決意が揺らいでズルズルと好きでもない仕事を続けることになってしまう方が多いです。
また心が優しいタイプの方も要注意です。引きとめの際には、「君がいなくなったら困る…」というような、情に訴えるやり方をしてくることが多いからです。
あらかじめ、会社が引きとめる理由を客観的に知っておき、その対処も考えておいて、引きとめられても自分の意思を貫くための準備をしておきましょう。
何よりも大事なのは、今の仕事は辞めて、次へ進む!というあなたの決意と行動です。
この記事の目次
なぜ引き止めるのか
人材採用・育成が大変
会社にとっては、採用広告を出し、採用面接を行い、そして社員育成を行い、その事業を担当させる社員を育てていくのは、かなりのコストや時間・労力が必要なことです。
なので、せっかく育てた人材を失ってしまうのは困るので、引きとめたくのも無理はありません。ましてやこの人手不足です。
この点は、辞めづらいという方もおそらく承知していて、今までお世話になったし…と心苦しく感じてしまうかもしれません。
確かに、お世話になった感謝の気持ちや会社への配慮も大事だとは思います。人との関わりで生きていくのがいのちの営みですから。
しかし、会社が大変だからといって、あなたがずっと好きでもない仕事を続けて、自分の人生を無駄にしてしまうことは、話が別です。
あなたがそんなに辞めたくなるには、会社側の業務態勢や人間関係に何らかの問題があることも十分考えられますし、社員が辞めたくならないような職場づくりも会社の責務。
これまでの感謝は感謝として、「今までお世話になりました。」とお礼を述べて、それはそれこれはこれとキチンとわりきりましょう。
こういった、“相手に押されて自分の本心が通せない”という状況は、退職にかかわらず、こういうタイプの人は、克服するまで一生つきまとうんですこの問題は。本当に。
なので、自分の人生を自分で決める、人に気を遣ってやりたくないのにやってしまう人生はもうやめる!!と心に誓って、それを実行してください。
決めて実行した時から、その問題はもうあなたには必要なくなったとして離れていきます。
人材育成などの会社の問題は、会社に解決の責任がある
あなたには、あなたの人生の問題を解決する責任がある。
その認識がここでは大事です。
引きとめてくる人の問題
コストや労力をかけた会社の利益とはまた別に、直属の上司やその部署の上司などが、その人個人の評価が下がることや新たな仕事が増えることを懸念して、いわば個人的理由で引き止めていることも多いです。
これも会社の問題の時と同じ。それはその人の問題。
部下と信頼関係を築いていくのは上司としての責任や技能の一つですから、それが出来なくて会社の評価が下がるのは当然です。
部下に辞められた経験から、今後はどうしていけばいいのか、考えて実行していくことは、その人の人生におけるその人の責任です。
ここでも、お世話になった感謝やお礼と責任は別と割り切って認識しましょう。
−他の人に迷惑がかかる
残る人達の負担が増えることを理由に、「辞めると他の人達に迷惑がかかるだろう。」と言って引き止めてくることもあります。
これはもう明らかに、情に働きかけて、自分達の責任をなすりつけてきているだけです。
適切な人員配置や業務配分は会社の責任です。一人くらい欠員が出ても、業務に大きな問題がでないような体制にしておく責任は会社にあります。
残りの人達が大変になるとしても、そのような大変な会社に残り続けるのか、もっと働きがいがある仕事に就くかは、残るその人達の問題です。
仕事を続けるか辞めるのか、という人生における大きな選択においては、感情的な問題に振り回されずに、判断・決断することが大切です。
本人のためを思って
その会社で頑張っていたら、望んでいる仕事ができるようになるのに…と、本人のためを思って、引き止めている場合もあるでしょう。
特に世代が上の方には、会社は若い頃は辛くて当たり前、長く勤め上げると、報酬も待遇も良くなって報われるのだ、という発想があるように思います。
これは会社によってはあながち間違ってはないのでしょう。会社における信頼度に応じて任される仕事も当然変わるので、ここで踏ん張って将来その会社でもっと自分を活かせる地位を目指すことがその人のため、ということはあると思います。
しかし、「あなたのため」という言葉でも、実際は感情に訴えた事実上の「脅し」に当たる場合もあるので要注意です。
「こんな短期で仕事を辞めるなんて、お前のためにはならないぞ。」というような場合、本当にあなたのためを思って言ってくれてるのか、半ば脅して辞めるのを阻止しようとしているのか、どちらも考えられますね。
でも、この時も同じです。たとえ、本当にあなたの為を思って言ってくれていたとしても、最終的に決めるのはあなたです。
本当にその会社に残って仕事を続けていくのが自分の為であり、自分のしたい仕事に繋がるのか、しっかりと自分で考えて結論を出しましょう。
引き止められないようにできること
あなたの意思と決意
そもそも、人に言われて決意が変わるくらいでは、自分の人生責任持って舵をきっているとは言えません。
当たり前ですが、もっとも大事なのは、会社を辞めるにあたっての、あなた自身の意思と決意です。
会社を辞めると決めたのならば、何を言われても決意を変えない意思を強くもちましょう。
これからも長い人生を歩むのですから、このような状況は、決断と意思を貫き人に伝える人間になるための良い実践の機会です。
もう周りに振り回されて、自分のしたくないことを続ける人生はやめにしたいのであれば尚更、ここで直面してしまいましょう。
そして得た成功体験は、その後の自信に繋がります。そこまでしたんだから、次こそはもっとやりがいがある仕事をしっかりと選ぶ意思にも繋がるでしょう。
伝え方
自分の意見や意思を伝えることは大事です。しかしもちろん伝え方が大事です。同じ内容でも伝え方を間違えるとトラブルの元になってしまいます。
注意点としては、下記はしっかり含めましょう。
- ① 直属の上司にアポをとる
- ② 相手の問題点を指摘しない
- ③ お世話になった点へのお礼も同時に伝える
- ④ 「辞めたい」ではなく「辞めることに致しました」とはっきり言い切る
- ⑤ 時期も希望日を明確に伝える
- ⑥ 文書での退職届もしっかり渡す
「他に興味があることに、自分の時間を注ぎたいと決めたのです。」など、あなたの事情を伝えましょう。
精神的にやられているときには、「精神的にまいってしまっていて、仕事が続けられなくなっています。こんな状態ではいけないので、一度ゆっくり休んで、次の道をしっかり考える時間をとろうと決めました。」などと正直に伝えれば、相手も無理をいうことはできなくなります。
これが伝えられるかどうかで、退職以外でも、人生をスムーズに送れるかどうかは変わってきます。
辞めて迷惑をかけてしまったという気持ちも、しっかりと感謝すべきところはできたということで、自分の気持ちを整理する上ですごく違ってきますよ。
辞めると伝えるタイミンングの注意点
繁忙期は避ける
事業内容によって、繁忙期がある会社や大きなプロジェクトに関わっている場合には、何もこんな一番忙しい時に…というのはやはりあるでしょう。
普段は話のわかる上司達も、年に一度の繁忙期に急に退職を持ちかけられたら、気持ちを荒げてしまうかもしれません。
またプロジェクトの進行に明らかに影響を及ぼす退職は、会社に損害を与えないとも限りません。
その職場にいて、明らかにわかるような「今が一番忙しい時」は避けるようにすることが、やはり円満退社をしたいのならば、気にかけておくべきことでしょう。
社則に従う
たとえ民法で、期間の定めのない雇用契約は、解約の意思表示をしてから2週間で契約は終了すると規定されているとはいえ、それは法を用いた最終手段であって、円満退社のためには、社則に従うというのが、もちろん基本です。
上記のように、会社だって、時間や労力をかけて育てた人員を失うのですから、人員補充や育成・引き継ぎなど、必要な時間が沢山あります。
1ヶ月前までに通知するというのが一般的で、それ程不合理な期間でもありません。辞めたいと考えている方は、まず社則に目を通して、早い目から準備を進めていきましょう。
伝える退職理由
本来、会社を辞めるのに理由は要りません。
なので、よくある退職届の退職理由には、「一身上の都合」と書かれていますね。
具体的な理由を聞かれた場合は、「他にしたいことがあります。」「一度じっくり何がしたいか考える時間をとりたいのです。」など正直な気持ちを伝えればよいでしょう。
転職が決まっている場合は、それを伝えてもいいでしょうけれど、同業他社にいく場合には、よく思われない可能性もあるので、曖昧にしておくのがいいかもしれません。
パワハラを争いたい場合は、ここで一身上の都合と記載してしまうと主張が矛盾するという問題が生じますが(過去記事:パワハラで会社を辞めたい!シリーズ参照)、
そうでない場合は、円満退社を目指すなら、会社への不満を理由にあげない方がよいでしょう。
パワハラとまでは言えないけれど、上司の態度が酷かったり、残業が多いなど会社に問題がある場合には、気持ち的には、それを指摘しておきたい気持ちはわかります。
しかし、問題があると指摘された側としては、やっぱり気持ちは良くないので、スムーズな退職への妨げになるかもしれないし、もし良い会社だったとしても、改善のために何があったのか色々質問をされることにもなりかねないです。
本当に面と向かって争う意思があるのでもない限り、人に唾を吐くような行為は、やって得することはないということですね。
円満退社のためには、できる限り、立つ鳥跡を濁さず、で退職しましょう。
退職理由を伝える際の注意点
以上、仕事を辞めたいと思っていても、会社が引き止めをしてくることがわかっている、もしくは引き止められた経験がある方は、「会社を辞めると決めた」自分の意思を貫くべく、しっかりと自分の決意を伝えて、円満に会社を去りましょう。
大事なあなたの人生の時間です。
相手の立場に立つということは大事ですが、あなたの人生をどう使うかという重要な場面において、相手のためを思って自分を押し殺していれば、だんだんと人生が生きづらくなってきます。
ここぞという場面では、自分の気持ちと決意を貫き、行動していくことが必要です。
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