『自己受容』が鍵 〜会社を辞めたくて仕方がない自分はダメな人間なのか?

『自己受容』が鍵 〜会社を辞めたくて仕方がない自分はダメな人間なのか?

『自己受容』が鍵 〜会社を辞めたくて仕方がない自分はダメな人間なのか?

会社を辞めたくても辞められない方の中には、

「会社を辞めるような自分はダメな人間だ。」
「長続きせず会社を辞めるなんて、どこ行っても通用しない。」
「自分はいつもこうだ…」
「仕事を投げ出すなんて最低だ」

と、自分のことを責めたり、自己否定を続けたりして、どんどん自分を追い込み、にっちもさっちも行かなくなってしまった人が多いです。

または、
「あの上司さえいなければ…」
「この会社はブラックだ。」
「あの人の考え方はおかしい。」

と、人のことを責めたり、環境のせいにして、だからしょうがないんだとして、行き詰まっている人も多いです。

自分を責める人は、『自己受容』ができないで、常に自分を追い詰めてしまう人
他人を責める人は、『他者受容』ができないで、常に人のせいにしてしまう人

この両者は、考え方や行動としては、一見真逆のようにも見えますが、実は心理的な根っこは同じ。

どちらに陥りやすいタイプの人も、その根っこは、『自己受容』ができない為に、周りや自分を責め続け、人生や人間関係が辛くなってしまいがちです。自己受容ができない人は、周りにも実は厳しい目を向けているのです。

『自己受容』とは、そのままの自分を受け容れるということ

これが出来ないと、人は自己嫌悪や自責を繰り返し、そうならないための恐怖感や不安感をベースに常に頑張り続けて疲弊するか、無気力や鬱になってしまうこともあります。

逆に、『自己受容』が身についてくると、生きることはたちまち楽になってきます。どんな自分も受け容れられる人は、他人のことも受け容れられるようになります。そして、自分や他人を責めることがなくなってきた人の人生は、どんどん良好になってきます!!
同じ頑張るでも、恐怖や不安からではなく、純粋な喜びや目的達成のための頑張りは、幸せホルモンが活性化し、能力はさらにアップしてきます。

なので、今日は、より良く人生を生きていけるようになるために、『自己受容』のお話をしたいと思います。

『自己受容』ってなに?

『自己受容』とは、「自分自身やその感情や行動を、否定したり、ジャッジしたりせずに、ありのままに受け容れること」、「好きな部分も嫌いな部分も含めてこれが今の自分だとわかっていること」です。

例えば、今の仕事が合わなくてツラくて会社を辞めたとします。

「仕事が合わなくてツラくて会社を辞めた自分」の決断やそのままの自分の行為に対して、自己受容ができていると、
辞めたことや辞め方が良いか悪いや、そんな自分を良しとできるかどうかに関わらず、今の自分はそうだと認め、その上でじゃあそんな自分をどうするのか、前向きに人生を歩んでいくことができます。

しかし、そんな自分を自己受容できないと、「ツライからと言って途中で仕事を投げ出した自分は最悪だ。」とか「こんな自分は責任感がないダメな人間だ。」とか、自分のとった行動や自分の人格そのものまで責めたり、否定したりし続けてしまい、人生に対してどんどん後ろ向きになってきたり、自信を失っていきます。

これは辛いです。自分にとって一番身近で味方であるべき自分が、常に自分自身を責め続けるのです。逃れられない辛さです。

仕事や上司、恋人や家族でさえ、最悪の場合、嫌なら離れる、という手段に出ることができますが(それが最善であるかどうかは別として)、自分からはどうしたって離れられません…

誰にでも経験があるのではないでしょうか?過去の自分の行為や自分の性格について、許せないことがあり、ずっと後悔したり、自分を責め続けた経験が。

ある程度の自己分析や反省は、未来の自分を創っていくのに、有益なことも勿論あります。
しかし行き過ぎると、自責・自己否定・自己卑下・自信喪失という、全く自分の為にならない行為となります。
うつや精神障害も、他人からもたらされるというより、自分が自分を責め続けることにより、自分を害していく方が多いんです。

混同しがちなのが、『受容』するというのは、「ただそうである」とそのまま事実や感情を起こったままに受け容れるだけで、別に「それで良かった」と『同意』したり『肯定』したりするまでの必要はない、ということです。
他人でも、その人の考え方に『同意』まではしないけど、その人のことは賛成するて反対するでもなく、単に別に受け容れられるという人は沢山いますよね。

先ほどの、仕事が合わず会社を辞めてしまった例でいうと、別に「合わずに辛かったら会社を辞めた自分は良いことをしたんだ」と思わなきゃ、と言っているわけではないのです。

そもそも、仕事が合わず会社を辞めたことを、良いとか悪いとか決める必要は全くないのです。未来のことは判断する必要があるかもしれませんが、終わった過去をあれこれ考えるのは、時間の無駄になります。

そもそも、「仕事が合わなくて会社を辞める」という行為自体に、良いも悪いもない。
それを良い出来事とするか悪い出来事とするかは、評価・ジャッジの問題。

そして評価・ジャッジは、見る角度、見るタイミング・気分、見る人により変わります。

実際私も、仕事を辞めたことに対して、「仕事が長続きせずにすぐ辞めてしまった自分は本当にダメだ…」と悪く思ったこともあれば、

全く逆に「あの仕事サクッと辞めてホント良かった〜♪おかげであの後あんなことやこんなことが出来たし、あんな出会いもあったし…♡」と、めっちゃ良かったと思うこともありました。

見る人の価値観や気分や状況によって、いくらでも変わるもんなんです、評価なんて。

わかりやすい例で例えると、評価とは、『ペットボトルに半分飲み物が残っていた』という事実に対して、それを「多いと思う」か、「少ないと思う」か、みたいなもんです。見る人によって感じ方は違うでしょ?

もう片付けたい時だったら「多い」と思うかもしれないし、喉がカラカラだったら「少ない」と思うかもしれないですが、『ペットボトルに半分飲み物が残っていた』という事実は同じ。

それについて、いつまでも、多かったんだ、少なかったんだ、と言ってても、あんまり意味ないですよね? 

意味があるのは、だからどうするのか、というその後の行動だけになってきます。多かったら処分するか飲んでしまうかを考えればいいし、少なかったらもっと飲み物を手に入れることを行動していけばいいだけの話です。

仕事が合わなくて会社を辞める、というのも実は同じ話。良いと思う人もいれば、悪いと思う人もいるかもしれないし、そんな評価もまたどうせ変わる。

大事なのは、その後だからどうするのか?です。

だから次は「自分に合う仕事は何かを真剣に考える」のとか、「新しいやってみたかった仕事を探す」とか、「本当にやりたいことに向かって新しい学びを始める」とか、人生は人それぞれなので、正解だってないです。

なので、肯定するまで出来なくても、あれが悪かったこれが悪かったと色々評価や否定をするのはもうやめて、
自分のしたことや自分自身をとりあえずそのまま『受容』して、後悔や自責に費やしていたエネルギーを、次のことに目を向けて行動するエネルギーに変えていけたら、人生はどんどん好転していくのです。

複数の自分の声

誰しも、自分の中に複数の人格というか声を持っています。

頭の声心の声身体の声とかいわれるものや、心理の分野ではインナーチャイルドの声とインナーファーザー(インナーマザー)の声とかいうものがあったり、禅では自我と真我とか、ハイヤーセルフの声とか、「自分」にも色んな自分があるわけです。

よく漫画などで、天使の自分と悪魔の自分が、右からと左からで、こうしなよ、いやいやこうしようよ、と言い合ってる図がありますよね。あんな感じです。

例えば、会社を辞めたいという状況になった時に、片方の自分は「こんな所からはさっさと出て行ってしまえよ。他の人のことなんか知ったこっちゃない。」と言い、

もう片方の自分は「いやいや、責任を果たすというのは大事なことだ。キリの良い所までやり遂げてからにするべきだよ」と、自分の中でも別の声が聞こえてくることがあったりします。

それは、別に誰にでも起こることで、普通のことです。

自分の中の声、というとわかりにくいかもしれませんが、自分の中にも色んな違った考えがあるということです。

今の会社を辞めようかどうか考えている時、

「この会社は一流企業だからここにいた方が良い。」
「いくら給料や福利厚生が良くても、嫌な仕事は続けられない。」
「どうせ辞めるなら早い方が良い。」
「すぐに辞めるのは良くない。」
「迷惑をかけてはいけない。」
「どうせ辞めたらもう会わないし。」
「やりがいがあるかどうかが大事だ。」
「なかなか次の就職ができないんじゃないだろうか。」
「今は求人が沢山ある。」

とまぁ、同じ人の中でも、色々考えているうちに、上の例のように見事に相反する考え方があれこれ出てくる時ってありますよね。

このような様々な考え方や価値観は、過去の自分の経験や自分の本質などに基づいて導き出されています。

自分の軸がガッチリしていてブレない人は、そんなに複数の考え方が自分の中で巡って困ることはあまりなくなってきますが、特に悩みを抱えている最中の人は、考えがすぐ変わったり、ネガティブな方にやけに偏ったり、グルグルと抜け出せなくなったりもします

インナーペアレント

『自己受容』についての説明にわかりやすいのが、自分の中に、『インナーペアレント』という部分と『インナーチャイルド』という部分が、同居しているという捉え方です。

自分に対してとても厳しかったり、常識や体裁を重んじている考え方をしがちな自分のことを、心理学的に自分に対してとても「インナーペアレント」と言ったりします。

別に両親だけからではありませんが、しつけや教育などの過程で、「〜しなさい!」「〜したらダメでしょ!」「〜しなければならない」などと言われて身につけてきた自分の考え方や価値観なので、こう呼びます。

以前の記事(今ある「仕事」という言葉へのイメージを変えて、もっと仕事を楽しくする③)でお話しした『思い込み』や『常識』というものも、この部分の自分の考えや声ですね。常識なんていらないって言ってるわけではありませんよ。本当にそれは当たり前なのか一度疑ってみようと言っているのです。

これに対して、素直な自分の本心の部分を『インナーチャイルド』
と言ったりします。

『常識的』にはすべきではないかもしれないけれど)、理由はよくわからないけど、「自分は〜したい!」という自分の本質や無邪気な本心の声です。

「私は会社を辞めて、自分でモノづくりをしたい!」というインナーチャイルドの声があった時、それに従って、やりたいことをやっていけたら、人生楽しいですよね。

でも、多くの思い込みやインナーペアレントの考えが自分の中にある場合、例えば、

「自分で店をやるなんて大変だ。」
「大きな会社で働いていた方が安定した生活ができる。」
「三年は働かないと合っているかなんてわからない。」
「そんなに上手くいくわけない…」

などという別の規範的な自分の声が聞こえてきて、自分の本音の気持ちや行動を非難したり否定したりしてくることが起こるのです。

本当は、そんな『常識』や『思い込み』に縛られずに、自分の本当にしたいことに忠実に生きていれば人はかなり幸せに生きられます。

しかし、当たり前のように、「そうなんだ」と信じて思い込んでしまった『思い込み』や『常識』は、意識の深い部分に染み込んでしまっているので、無意識的に自分に歯止めをかけてくる存在になってしまっていたりします。

この点は、人間の『顕在意識』や『潜在意識』について書いた以前の記事も、ぜひご参照ください。『思考は現実化する』とはどういうことか?〜「仕事が辛い」と考えている人に

インナーペアレントの声、つまり行動や考えを否定・非難・ジャッジしてくる自分の中の声が強い人は、なかなか『自己受容』できずに自己否定や自信のない状態に陥っていきやすくなるのです。

DoingとBeing

最近、「在り方」や「プレゼンス」という言葉を耳にしたことはありませんか。

私も『Art of Feminine Presence』という女性性のワークのファシリテーターをしていますが、今は、「何をしたか」というDoingな部分だけでなく、「存在そのもの」に価値をおくBeingの重要性が注目されています。

以前は、経済や産業が成長発展することに重きが置かれたため、「何かをする」「結果を出す」(Doing)に対して、褒められたり、評価が与えられることはあっても、

「あなたがいてくれること」「あなたらしく在ること」に対して、褒められたり、賞賛させるということは、あまりされてきませんでした。

今でこそ、あなたらしく在る、というのが素晴らしいことだという言葉もよく聞くようになりましたが、私が子供の頃は、「お手伝いしてくれてえらいね」とか、「試験に合格したのはよくやった!」と言われることはあっても、「お前らしくあって素晴らしい!」といわれたことは皆無でした。

むしろ、自分がしたい事を止められたり怒られたりすることが続くと、だんだん自分らしく在ること自体がダメな事だという受け止めてしまい、深層心理でそう思い込んでいる人が多いのです。
そのため、「何かをする自分」「結果を出した自分」には価値があるけれど、「何もしていないそのままの自分」には価値がないと思い込んでしまい、自己受容することが難しくなって、生きづらさになるのです。

でも本当は、そのままの、他の人とは違うあなただからこそ価値がある。あなたがあなたとして存在していることが素晴らしい。まずはこっちです。赤ちゃんとして生まれてきた時、皆そうわかってますよね。

存在してくれていることが有難いということが伝わらないまま、特定のことをすれば褒められ、特定のことをすれば怒られる、を繰り返すと、人は「ありのままの自分」は受容されないのだと思ってしまいます。

そうなると、人は、認められたくて、褒められたくて、怒られないようにしたくて、何かを追い立てられるよう周りに褒められる行動しなくてはならない気になってきます。たとえそれが本心からしたいことではなくても…

そういう人は、ベースとなる自分の存在自体を良しとせず、それを行動でカバーしているため、上手く出来た出来ないで、優越感を感じたり、劣等感を感じたり、自己否定したりと、心が休まる暇がないのです。

そうなっては、幸せな生き方・自分らしい生き方からは、遠ざかっていくのが、なんとなくわかりますよね。

もちろん、Doingが悪いと言ってるのではありませんよ。自分の生きたい人生を進む為には、Doingが必要です。大事な力です。
ただ、「この今の自分を認める」というBeingがベースなのです。
どんな自分も自分だし、人と比較する必要もないということ。

『自己受容』していく方法

では、どのようにしたら、「自己受容」できる自分になって、もっと楽に自分に素直に生きていけるようになるのでしょうか?

これは、まだまだ長い人生を楽しく生きていくためにも、すごく大切な部分ですし、プロの手を借りて、カウンセリングやセラピーに行くのも良いと思います。

でも、自分で日頃からできる効果的な方法もあります。

それは、、自分を厳しく評価し批判してくるインナーペアレントの声が聞こえてきた時に、自分に味方してもらう習慣をつけることです。

どういうことかというと、あなたがすぐに会社を辞めたいと思ったとしましょう。心の声かもしれません。

しかし、あなたのインナーペアレントの部分は、こういってくるかもしれません。

「人に迷惑がかかるから、年度末までは続けなさい。」「辛い時も乗り越えてないとダメな人間になるわよ。」
その時、自分の味方キャラを登場させて、「でも自分の健康が第一だよ。自分を大事にしよう。」「やりがいがあったらこの位は辛くないはずだし、これは自分には違うんだよ。」「また違う仕事でいくらでもやり直せるよ」

と、受容や肯定していく言葉をかけるのです。

要は、自分の中の複数の自分の声のバランスが悪く、自分を否定している声が強すぎたから生きづらくなったので、反対側のそれでいいよと言う声ももっと上げて、バランスがとれればいいのです。

これに慣れてくると、自分が普段どんな考え方や思い込みを持っているのかが、自分で整理できてきます。

自分の意識を意識していけます。

そして続けてるうちに、評価や考え方なんて色々なんだなら、どうとでも言えるんだわ…ってことがわかってきます。
このワークも、出来たらノートに書いていくことをオススメします!
同じワークをしてもなかなか効果が出ない人と出る人の差は、書き出しているかどうかが大きいと感じています。
意識を変えていくには、アウトプット・行動が、大きな力になるということです。

評価なんてどうとでも言えるんだし、コロコロ変わるし…というのがわかってきたら、頭の中の会話に時間かけてても仕方なく思えてきて、今の自分を認めて、そして前に進もう!となってきますよ〜
自分も自己受容が苦手で悩んだ部分でした。
実は、自分を戒めてたのは、自分だったというオチ。
応援しています(^^)!