今ある「仕事」という言葉へのイメージを変えて、もっと仕事を楽しくする①

今ある「仕事」という言葉へのイメージを変えて、もっと仕事を楽しくする①

今ある「仕事」という言葉へのイメージを変えて、もっと仕事を楽しくする①

「仕事」に対する反応とイメージ

あなたは「仕事」をイメージした時、どんな感じがしますか、どんな反応が出ますか?

読み進める前に、一度じっくり自分の内側を感じたり、イメージを浮かべたりしてみて下さい。

なぜなら、そうすることで、自分が「仕事」という言葉にどのような意味づけをしているのかが、体感としてわかるからです。

そして、後に述べるように、これは、楽しく仕事をすることや、人生においてやりがいのある仕事をするために、極めて重要なことなのです。

ではもう一度聞きます。あなたは「仕事」をイメージした時、どんな感じがしますか?

身体や心にどんな反応が出ますか?

どんなイメージが浮かびますか?



ここで、「心がワクワクする」とか「色んな人達と喜びあってるイメージがする」という方は、退職代行のサイトを開いていないと思うので、この記事を読んで下さる方の大半は、次のような何らかの嫌な時に出る反応だったのではないでしょうか。



はぁ…とため息が出る

頭が下を向く

肩や背中が丸くなる

心がぎゅーっと縮こまる感じや重苦しい感じがする

何か追い詰められたような感じや、焦りを感じる

このような方は、実はもともと「仕事」という言葉の意味を取り違えている可能性が高いのです。

「仕事とは、辛くても耐えないといけない、嫌でもやらないといけないもの」と思っていたりします。



それに対して、世の中には、仕事が好き!仕事をすると気合が出る!という方もいるのです。

『ユダヤ人大富豪の教え』で有名なベストセラー作家の本田健さんも、「本を書く時には、あんなことも書こう!こんなことも書こう!と楽しみで仕方がないんです(^-^)」とおっしゃってました。

先ほどの実験のように、「仕事」という言葉からの連想で、「はぁ…」となったり、「楽しみ!ワクワク!」となったりするのは、言葉の意味づけやその言葉からわくイメージには、ホルモン分泌がかかわり、能力や心身に多大な影響を与えているからなんです。

心拍や免疫機能という身体の機能や、記憶や処理能力や創造性を司る脳の機能にも多大な影響が及び、気持ちの問題だけでなく、人の能力や成長に大きく関わってくることが、脳科学的に明らかなのです。

やる気が出てノッてる時は、良いアイディアが浮かぶし、新しい技術も簡単に身につけたりしてどんどん成長していく。他方で、いやいや仕事をしていると、仕事ははかどらず、考えはまとまらないし、ミスが増え、逃げたくなってきます。



その原因には、「仕事」という言葉の意味づけやそこからくるイメージに基づくホルモン分泌が大きく影響しているのです。逆にそれを利用して、仕事を楽しいものにしていくこともできるわけです。

認知論・ABC理論

認知論とは、「すべての物事は、その人の認識や思い込みで決まる」ということです。

つまり、「その人の思ったことがその人の世界」「思い込みで人生がつくられる」という話です。



ABC理論とは、同じような内容をもう少し理論的に説明したものです。A: Activating Event(起こっている出来事)B: Belief(信念、思い込み、捉え方、考え方)C: Consequence(結果)の頭文字をとり、「ある出来事(A)に対し、特定の思い込みを持っているから(B)、感情や行動の結果が生じる(C)」ということです。


認知論・ABC理論



両方に通じるのは、「目の前の出来事自体に、良い悪いや意味はない。それを決めるのは見る人の思い込みや捉え方である。」ということです。

例えば、Xさんが、今の仕事は辛いし自分には向いていないと思って、退職したとします(A:出来事)

これ自体は、単なる起こった出来事・事実であり、良いも悪いも本来ありません。



もし、X1さんが、「会社を数年で辞めるのはダメなこと」という捉え方(B:信念)、を持っていたとしたらその結果、落ち込んだり、罪悪感に悩んだり、恥ずかしい思いを抱えたりします(C:結果)。



でももし、X2さんが、「合わない仕事は辞めて次にチャレンジするのはもっともで、自分のためになる勇気ある行動」という捉え方(B:信念)を持っていたとしたら、その結果、行動に移した自分を誇りに思い、次に進めることにワクワクしたり、自信がもてます(C:結果)。

それだけでも、X1さんのような捉え方をもっているか、X2さんのような捉え方をもっているか、で起こった事実は同じでも随分生じる感情的な結果が違いますよね。

さらに次の段階を想定してみると、X1さんは、落ち込みや自己嫌悪に苛まされて、うつになってしまい、しばらく仕事どころじゃなくなるかもしれません。もし再就職する気力はあっても、元気や自信を喪失している状態で、本来の自分の実力より下回る条件で妥協して次の仕事を決めてしまうかもしれません。



でもX2さんは、辛くて合わない環境から離れたすがすがしさで元気が増し、勇気を出して行動に移した自分に自信をもち、意気揚々と次こそはという勢いで再就職にいどんで、以前よりずっと条件の良い、自分に合った職場を見つけることができる可能性が高いです。



このように、思い込みや捉え方で人の感情や行動が変わるので、同じ状況に直面しても、持っている思い込みによって結果が変わり、その後も思い込みによって人の人生はどんどん変わって行くのです。



「思い込みで人生がつくられる」とはそういうことです。まぁ、ある意味当たり前です。



これが積み重なって、「今の世の中は自分次第でどんなこともできる!」という世界に住んでいる人と「今の世の中は大変なことばかりで夢も希望も持てない」という世界に住んでいる人に分かれていくのです。



危機察知機能

「思い込みで人生がつくられる」ということは、自分の物事の捉え方次第で、今この瞬間から「どんどん自分の世界を自分の好きに変えていける」、ということです。それが自分軸や自分の価値観を築くということです。



しかしここで、多くの方が問題にぶち当たります。多分、読んでいた方の中にも

「そんな簡単にできるなら、こんなに悩んでないよ!」

「そんな上手くいくわけないでしょ。」

と思った方がいるかもしれません。



私たちは、思い込みを変えれば思い描く人生が生きれるはずなのに、思うように考えを変えることができなくて、悩んだり、苦労したりするのですよね。

これは、一つには、ABC理論のようなことを知らないと、人は、「私がこう感じる(C)のは、自分の考え方(B)に原因があるだけだ。そして考え方は自分で変えられる」とは中々思えず、「私がこう感じる(C)のは、あの出来事(A)のせいだ」と思ってしまうからです。でも出来事は変えられないので、悩みや怒りや悲しみや絶望を抱くことになります。



もう一つには、たとえABC理論のようなしくみを理解していたとしても、過去にストレスを感じたのと似たような出来事に直面した状況では、人間には無意識下で防衛本能が働き、理性的に考えて対応することが極めて難しく、反射や感情で反応してしまうしくみを備えているからなのです。



防衛本能とは、人間が恐怖や危険に直面した時に、とっさに身を守るために起こるしくみで、原始的な脳の働きによるホルモン分泌により、理性的な脳の働きが弱められたり、身体的感情的な状態の変化が反射的に起こるため、意識したり制御したりしにくいのです。

まさに、なでようとして手を出しただけなのに、ウゥ〜!と唸ってくる犬のような状態です。

たとえば、上のABC理論の図の中にあるように、「上司に怒られた」という出来事(A)に直面したとしましょう。



理性的に考えることができたら、「大事なことを指摘してもらった」とか「この上司は本当は部下の能力伸ばしてやりたいという部下思いの人なんだけど、時々こういう言い方をしちゃうんだよな」という風な捉え方(B)で、自分の気持ちが楽になるようにする(C)ことができます。



しかし、過去に親や教師に怒られて辛い思いを重ねた体験がある人には、怒られるという似たような状況に直面すると、無意識下で、危険察知に関わるホルモンが分泌され、理性的な脳は抑制反射的に出て、結果、怒りが湧いてきたり、落ち込んでしまう(C)という繰り返しにはまるのです。

そして、自分が改善したいと思う繰り返し味わっている嫌な体験ほど、ストレス負荷が高いということなので、より強い反応が出て、理性的に対応しにくくなっているというやっかいなしくみなのです。

ホルモン

冒頭で、「仕事」をイメージした時の反応によって、ホルモン分泌にも違いが生じ、心身や脳機能、記憶、処理能力、創造力にも大きな違いが生じると書きました。

先に述べたように、人間は、過去に恐怖や嫌な思いをした体験と似たような状況に遭遇すると、脳の扁桃体視床下部に指令を出して、副腎からコルチゾール、ノルアドレナリンなどのストレスホルモンを分泌するという、危機的状況に対処するための条件反射的なしくみを備えています。



ストレスホルモンは、血液によって全身をめぐり、臓器の働き、免疫力の低下、疲労感、倦怠感、うつなど心身に影響を与えるほか、脳にも大きな影響を及ぼすことがわかっています。



さらに、ストレスホルモンは、仕事を行う上で重要な、新しい記憶を司る海馬や、理性、集中、洞察、判断、想像という機能を司る前頭前野の支配力も同時に弱めていきます。

本来、危機的状況に対処するため、理性を弱め動物的本能で逃げるか戦うかに移行して行く仕組みだからです。



イヤな仕事に悩まされて、心身に不調が出ている方や、どんどんマイナス思考になってきて、新しい未来を描くことも出来なくなっている方は、ストレスホルモンの影響によって一時的にそうなっているのです。



海馬が弱められているので新しい情報は入力されず、過去の古い情報にしばられています。さらに前頭前野も弱っているので、新しい発想で今と違った未来や選択を描いていくことが難しくなっているのです。



ホルモンの力は強いです。

本来は野生動物などの敵にあった時に、逃げるか戦うかするための指令系統ですから。



仕事がイヤな時くらいなら、このホルモンは出なくてよくて、理性的に処理できた方が良いのですが、苦痛が積み重なって限界の時は、それほどの危機的状況であるという身体の声なのかもしれません。



このようなストレス反応とは逆に、人間は、過去に達成感や喜びを感じたのと似たような状況では、ドーパミンなどの快楽ホルモンを分泌します。そして、脳内麻薬とも呼ばれる快楽ホルモンが、喜びや快楽そしてさらなる達成感をもたらし、仕事がどんどん楽しくなってきます。



快楽ホルモンは、前頭前野の働きを活発にするので、仕事が楽しいと意味づけしている人は、新しいアイデアがどんどん湧いてきたり、前向きで合理的な考え方をしたり、記憶力処理能力も活発に働いてくるので、楽しい上に、どんどん能力がアップしていくのです。


最後に

このように、自分が「仕事」に対してもっている意味付けやイメージに基づいて、私達の心身や脳は多大な影響をうけており、そこには任意的にコントロールできないホルモンの働きが絡んでいるのです。



心理学的にも脳科学的にも、「仕事」という言葉によって出てくるイメージを嫌なものにしておくことは、かなりその人の人生を困難にしていくことがわかりました。



次回は、「仕事」の意味づけを意識的に変えていくことにより、心理や脳のしくみを利用して、仕事や人生を楽しいものと変えていけることについて、お話しします。